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何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

信濃国分寺-(1) (上田)

2018年03月09日 | 寺社巡り-長野

【長野・上田市】奈良時代天平十三年(741)、第45代聖武天皇が仏教による国家鎮護のため国ごとに建立を命じたのが国分寺で、信濃国においては国府が置かれていた上田の地に国分僧寺と国分尼寺が建てられ、鎮国道場とされた。 創建時の国分寺は天慶二年(939)の平将門の乱(天慶の乱)の兵火で焼失したと伝えられる。 その後、約300m北方の現在の地に寺域が移転されて再建されたが、武家政治の開始により律令制度が崩壊したことで国家の保護が失われて衰退した。
源頼朝が堂塔の再建を誓願したとの寺伝から、鎌倉時代から復興が始まったとされる。 信濃国分寺は別称で「八日堂」というが、毎月8日に鎮護国家の金光明最勝王経の転読が行われることに由来する。 宗旨は天台宗で、本尊は薬師如来像。 中部四十九薬師霊場の第一番札所。

国道18号線に面してぼつんと建つ仁王門....鎮座する仁王様が迎えてくれるが、面長で少し栄養が足りなさそうなお姿に見える。 紙垂と変形のしめのこを付けた牛蒡注連縄が下がる扉口を通り抜けると、住宅街を通る参道が続く。 門前に着くと、門柱傍に大きな自然石型庚申塔と古そうな寺号標石と石燈籠が佇み、また、途中で切られた老木の幹が歴史を感じさせる。 紅葉が混ざる木立の奥に本堂、右手に地蔵堂と三重塔が建つ境内は、荘厳な雰囲気を漂わせている。
地蔵堂と三重塔の間に小さな放生池があり、水面に三重塔が影のように逆さに映っている。 三重塔は、戦国時代の兵火を逃れた唯一の建物で、現存する国分寺の塔の中で最も古いものらしく、堂々とした姿は風雅さを感じさせる。
三重塔から本堂に向かう。 入母屋造りで妻入、身舎に大きな裳腰を巡らした本堂は、どっしりとした重量感を漂わせている。 獅子口を乗せた唐破風の向拝には、棟木位置に鳳凰、水引虹梁の中備に龍、木鼻に獅子と像の彫刻があるが、いずれも精緻で見事だ。

国道18号線に面して建つ入母屋造桟瓦葺の仁王門(八脚門)と「八日堂 信濃國分寺」の寺号標石..棟瓦に2体の龍が向かい合っている
   
仁王像が鎮座する格子の前に藁の綱と草履が下がる/阿形吽形の丹塗りの仁王像..面長で少し痩せた体型のように見える

扉口に紙垂と変形のしめのこを付けた牛蒡注連縄が下がる..仁王門後方の住宅地に参道が続く

門前から眺めた堂宇境内..門柱傍に4~5mの高さで切断された老木の太い幹が立つ
 
境内参道入口の左手に佇む大きな自然石型青面金剛文字庚申塔/宝暦九年(1759)造立の手水鉢

境内参道右手に建つ大きな寺号標石と天保十二年(1841)造立の石灯籠..右手に地蔵堂、右奥に三重塔がある

境内参道右手に建つ地蔵堂と三重塔、その間に放生池がある

露盤宝珠を乗せた三間四方の宝形造桟瓦葺の地蔵堂
 
禅宗様高欄付き須弥壇に鎮座する円光を背負った地蔵菩薩立像..左手に宝珠、右手に錫杖を持つ/脇間上の小壁の白い彫刻は鏝絵のようだが..

地蔵堂と並んで建つ三重塔..三重塔の後方の鯱が乗った屋根は鐘楼

室町時代中期建立の銅板葺三重塔(重文)..昭和七年~八年解体修理、その際心柱が取り替えられた
 
三重塔は現存する国分寺の塔の中で最古らしい  放生池に映る逆さ三重塔
 
戦国時代の兵火で三重塔だけが焼失を逃れた   鮮やかな紅葉越しに眺めた三重塔
 
建築様式は和唐折衷..板唐戸に連子窓、二軒で平行垂木、軒支輪、二重と三重に組高欄

境内参道から紅葉を通して眺めた三重塔

万延元年(1860)建立の入母屋造桟瓦葺で妻入りの本堂..身舎周囲に裳腰を設けている

大棟と向拝の唐破風に大きな獅子口が乗る..妻降棟の先に鬼瓦
  
鎮護国家の金光明最勝王経の転読が毎月8日に行われたので「八日堂」と呼ばれている/向拝に下がる大きな鰐口と鎮座する十六羅漢の第一尊者の賓頭盧尊者像

向拝の軒下に施された精緻な装飾彫刻群..唐破風の兎毛通(棟木位置)は鳳凰の彫刻..桁隠はない
 
水引虹梁の中備に見事な2頭の龍の彫刻               木鼻は獅子と象の彫刻

内陣と外陣の結界は上部に透かし彫り彫刻がある腰高格子戸で仕切られている..左奥に白像が鎮座、神使か?
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