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【長野・上田市】創建年代は不詳。 社伝では、崇神天皇(記紀で第10代)の御代に各地に天社・国社が建てられた時、宸筆の「阿曾山舎社阿曾大明神」の勅額が奉納された古社。 鈴子、石神、柳沢、旧三ケ村の産土神として独鈷山の麓の古安曽に鎮座。
平安時代の貞観年間(859~877)の860年頃、信濃権守岑嗣が阿曽山舎社として再建、仁和四年(888)に光孝天皇宸筆の「阿曾大明神」の勅額が奉納された。 その後、衰退していたが、鎌倉初期の文治元年(1185)頃に源頼朝が諸国の神社を修理させた時、当地の地頭・芳沢民部介光綱が石上布留社境内に阿曽社を建立し、阿曾大明神を遷座した。 石上布留社は現在、境内社として拝殿の右手に祀られている。 主祭神は大己貴命(大国主命)、建南方命(諏訪大社上社の祭神)、八坂刀売命(諏訪大社下社の祭神)の3柱。
塩田平を走る県道82号線の脇に、杉林を背にして両部鳥居が東面で立っている。
杉林の参道を進むと隨身門がひそやかに佇み、奥に静寂で神々しい空間が広がる。 風格を漂わせる隨身門は三間一戸の楼門で、正面の両脇間に衣冠束帯に剣と弓矢を身に着けた武官姿の随身像が、背面には社殿を向いて白い神馬が鎮座している。 入母屋屋根の軒下を見上げると、なんと二軒垂木が禅宗様の扇垂木になっていて驚いた。
随身門をくぐると西奥に、左右に屋根が一段低い翼拝殿を設けた横長形式の拝殿が建ち、拝殿入口は腰高格子戸で翼拝殿は全て格子窓になっている。 翼拝殿の横を回ると、透塀で囲まれた中に外削ぎの千木と5本の堅魚木を乗せた流造の本殿が鎮座する。
拝殿の左手に安産と育児の神を祀る子安社、右手に当地の地主神である石上布留社が鎮座。 社殿後方に広がる木立の中に、天照大神を養蚕の神として祀る蚕影社の他、神明社、男石社、天神社、三峯社などの境内社が鎮座している。 境内北側に屋根に特徴のある神門が建ち、その先に裏参道が延びている。 神門は四脚門でいう本柱がない柱4本で建ち、また、大棟にもう一つの本瓦風屋根を乗せた造りで珍しい。
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△表参道の入口に立つ二基の石灯籠と金属板を張った木造の両部鳥居
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△両部鳥居は四脚の稚児柱をつけ、柱頭に台輪をのせている両部鳥居/蕨手がない大きな笠、宝珠の請花が大きく開いているのが特徴/屋根付きの笠木、額束に掲げられた「安曽神社」の額に庇を設けている....杉林の参道奥に随身門が建つ
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△入母屋造桟瓦葺の随身門....文政七年(1824)の建立、楼門形式で上層は中央間に板扉、脇間に連子窓、周囲に擬宝珠高欄付き切目縁を設けている
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△軒廻りは二軒扇垂木、組物は出組で中備は蓑束
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△正面両脇間の格子窓の中に随身像が鎮座....彫刻が施された虹梁の中央上に「立梶の葉」の社紋が乗る/随身門の左右脇間に鎮座する随身像....武官姿の随身像は衣冠束帯に剣と弓矢を身に着けている
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△随身門背面の両脇間の格子窓の中に鎮座する白い神馬/社殿を向き祭神を見守るように鎮座する白馬
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△切妻造桟瓦葺の拝殿....左右に翼拝殿を設けた横長形式の拝殿
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△正面中央は腰高格子戸で脇間は羽目板....翼拝殿は格子窓
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△軒廻りは拝殿は一軒繁垂木で翼廊が一軒疎垂木....翼拝殿の組物は平三斗で中備はない
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△家型据燈籠は左が宝暦十三年(1763)、右が宝暦元年(1751)の造立....家形火袋は後補だろう....石柱は左が明治三十三年(1900)、右は大正四年(1915)の造立
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△透塀越しに横から眺めた社殿全景....拝殿後方の張り出した切妻造桟瓦葺は幣殿....幣殿と本殿は吹き放ちの廊下で結ばれている
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△流造銅板葺の本殿....正徳四年(1714)の再建で、両側に銅板葺の庇を設け、大棟に外削ぎの千木と5本の堅魚木が乗る
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△切妻造桟瓦葺手水舎....手水鉢は明和元年(1764)造立/社殿の左手に鎮座する子安社....安産と育児の神・木花咲耶姫命を祀る/切妻造桟瓦葺で白壁の神庫
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△社殿の右手に鎮座する石上布留社....祭神布留御魂剣は安曽神社の地主神で、郷土を鎮め護る神
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△蚕影社..養蚕の神の保食神を祀る
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△男石社....祭神は伊弉諾尊で立派な男児を授かることを祈願して祀る/金精神(男石社内に鎮座だった?)
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△神明社....祭神は天照大神....傍に佇む石燈籠は文久二年(1862)造立
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△神明社 天神社....祭神菅原道真公を祀る 三峰社
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△入母屋造銅板葺の神楽殿(社務所を兼ねる?)
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△境内北側の裏参道に向いて建つ切妻造銅板葺の神門/本柱がなく控柱4で建つ構造で、大棟に本瓦葺風の切妻屋根を乗せている
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△北側の裏参道の入口に立つ木造の両部鳥居....表参道と同じ鳥居だが金属板を張っていない
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