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【長野・上田市】江戸時代には浄土宗の総本山・知恩院の末寺として、上田藩領内の配下の寺院からの訴願を奉行に伝える触頭の役割を担っていた。 仙谷氏の霊廟には、真田信之の正室・小松姫の宝篋印塔、仙石家2代上田藩主・仙石政俊の五輪塔そして小諸城主だった正俊の祖父仙石秀久の板碑型石塔がある。
大きな唐破風の向拝の本堂はの大棟や獅子口、中央間の幅広い腰高ガラス戸、そして向拝前に置かれた賽銭箱を囲む品格ある柵などに「三つ葉葵」「六文銭」「月影杏葉」そして「永楽銭」の金色の家紋を配していて、山門と同様、格調の高さを感じさせる。
賽銭箱の前で合掌した後、本堂の後方にある上田城主仙谷氏の霊廟に向かう。 霊廟は白壁の築地塀で囲まれ、中は築地塀で2つに区画されていて、それぞれに家紋を配した板扉の薬医門が設けられている。 板扉に「三つ葉葵」と「六文銭」の家紋を配した左側が小松姫の墓所で、自然石を敷き並べた基壇の上に、大きな相輪の宝篋印塔がひっそりと立っている。 宝篋印塔の傍に、竿に天桂院殿と刻まれた石燈籠があるが、石燈籠形墓碑とみられる。
板扉に「永楽銭」と「月影杏葉」の家紋を配した右側は、二代城主仙谷政俊らの仙石家の霊廟で、2棟ある桟瓦葺の覆屋にはそれぞれ政俊の五輪塔と正俊の祖父の仙石秀久の板碑型墓碑が鎮座している。 五輪塔と板碑型墓碑いずれもほとんど損傷がないことから、造立当時の姿のままでいまに至っている。 他に秀久の側室や長男の墓碑があり、また、政俊の霊廟の周りには五輪塔造立時に家臣が献上した石燈籠18基が立ち並んでいて、政俊をじっと見守っているかのようだ。
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入母屋造桟瓦葺の本堂
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正面五間で広い中央間には三つ葉葵と六文銭と松の木を入れた低い腰高のガラス戸....脇間に硝子戸と花頭曲線の窓、周囲に擬宝珠高欄付切目縁を巡らす
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三つ葉葵を入れた獅子口を乗せた大唐破風の向拝....兎毛通は蕪懸魚、頭貫の上の小壁に脚間に松の彫刻を入れた蟇股、頭貫と虹梁の間に2つの蟇股と平三斗
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軒廻りは二軒繁垂木、大棟端に三つ葉葵を入れた獅子口、拝に梅鉢懸魚、妻飾りは狐格子
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向拝の階段前に置かれた賽銭箱....親柱に擬宝珠を乗せた柵と三つ葉葵、六文銭、月影杏葉の紋が配された花頭曲線の柵に囲まれている
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白壁の築地塀に囲まれた上田城主仙谷氏の霊廟....2区画されていて、左奥の門の中に真田信之の正室・小松姫の墓がある
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小松姫の墓所の門の板扉に真田家「六文銭」と徳川家「三つ葉葵」の家紋
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小l松姫の墓所....小松姫は徳川家康の幼女で、上田藩祖真田信之(信幸)の正室大蓮院殿
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小松姫の墓の宝篋印塔....元和七年(1621)の造立で、高さ約3m、塔身と基礎に姫の経歴が刻まれている/真田信吉寄進の石燈籠(石燈籠形墓碑かな)....「天桂院殿」の刻
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仙谷氏霊廟....切妻造桟瓦葺の薬医門で、門左右の築地塀にくぐり戸がある
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薬医門の板扉に永楽銭と影杏葉の紋が配されている....霊廟には家臣が献上した石燈籠18基が立ち並ぶ、殆ど延宝二年(1674)造立のようだ
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露盤宝珠を乗せた宝形造桟瓦葺の2棟の覆屋(御廟)
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右の門正面の覆屋は二代城主仙谷政俊の御廟
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仙谷政俊の墓の五輪塔....総高188cmmでやや大型
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地輪に「松翁院殿....」と刻まれている/延宝二年(1674)造立の石燈籠型墓碑....右は秀久の長男・久忠の変形五輪塔
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左に建つのは小諸城主だった正俊の祖父仙石秀久の御廟
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仙石秀久の板碑型墓碑....慶長十九年(1614)の造立で、総高202cm、頂部(山形)に仙谷家家紋の永楽銭が刻まれている/慶安元年(1648)造立の秀久の側室・慶宗院の板碑型墓碑
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明神鳥居を構えた稲荷神社....切妻造銅板葺の丹塗りの覆屋内に祠が鎮座/流造銅板葺の祠....正面に龍の彫刻、中に御幣が鎮座し、神使の狐像が置かれている
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本堂に向かって右手に建つ寄棟造銅板葺の庫裡
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大棟に桟瓦葺の二層の越屋根が乗る
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境内に佇む自然石型文字庚申塔....「猿田彦大神」の刻/三界萬霊香華奉納塔の上に鎮座する誕生仏
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