何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

手塚八幡社 (上田)

2022年10月07日 | 寺社巡り-長野

【長野・上田市】平安時代の貞観八年(866)に山城国八幡宮より分霊を勧請して建立されたようだが、創建や由緒の詳細については不詳。 鎌倉末期の元徳二年(1330)に野火により社殿を焼失したが、安土桃山時代天正八年(1580)に現在地に再建されたようだ。 祭神は、八幡宮の祭紳である誉田別命(記紀で第15代天皇の応神天皇)とみられる。

●塩田平の南部の溜め池が点在する田園地帯を走る道の脇に、銅板を巻いた外宮鳥居風の鳥居が建つ。 鳥居は道に並行して延びる参道を跨いでいて、その先に小さな社号標石が立ち、そこから緩やかな石段が木立ちの中に続いている。 木立ちの中に「八幡宮」の額が掲げられた丹塗りの鳥居が立つが、神仏習合の神社によくみられる両部鳥居だ。                                       両部鳥居を通して木々に挟まれたような社殿が見える。 城壁のような石垣の上に社殿が鎮座しているが、まるで堅牢な山城のようだ。 石垣の間の石段を上ると直ぐ前に拝殿が建つが、正面全てが腰高格子戸の簡素な造りだ。 拝殿後方の石造りの瑞垣の中に2つの切妻屋根の覆屋が建ち、それぞれに杮葺の本殿と摂社とが鎮座している。 本殿は三間社流造、右隣の摂社は千鳥破風を乗せ正面に軒唐破風を設けた一間社流造だが、本殿は覆屋の柱や梁などに隠れるように鎮座しておりしかも少し暗いので、外観がよく見えずだ。

△参道入口に立つ銅板を巻いた外宮鳥居風の屋根を乗せた鳥居....木鼻や額束が無く、台石と根巻(藁座)がある

△参道入口の石段左右に「手塚八幡社」の社号標石と石燈籠が佇む

△明治二十七年(1894)造立の石燈籠/樹林の中の石段の参道に立つ朱塗りの鳥居は、神仏習合の神社にみられる両部鳥居

△額束に「八幡宮」の額が掲げられた両部鳥居....笠木の上に屋根を被せ、柱頭に台輪を乗せ、本柱の前後に控柱(稚児柱)を設け、本柱と両控柱とを二本の控貫で繋いでいる

△城壁のような高い石垣の上に鎮座する社殿....石垣の下に手水鉢が置かれ石燈籠が佇む

△安永四年(1775)造立の手水鉢と石燈籠

△石垣の間の石段の下から見上げた南面の拝殿

△寄棟造銅瓦葺の拝殿....正面三間は全て腰高格子戸((引戸)、小壁は全て白壁....屋根の形から茅葺屋根を銅板で覆ったものでは?

△拝殿側面は二間で、白壁の小壁と縦羽目板....中央間の正面に小さな切目縁を設けている

△拝殿後方の石造り瑞垣に囲まれて、切妻造桟瓦葺の覆屋に本殿と摂社(と思う)が鎮座

△覆屋に鎮座する杮葺の三間社流造の本殿....側面二間は横羽目板、正面と側面に組高欄付き切目縁

△本殿脇の覆屋に鎮座する屋根に千鳥破風を乗せている一間社流造の摂社(と思う)

.△本殿正面の三間はいずれも観音開きの板扉、前縁に御幣が置かれている/杮葺の摂社....二軒繁垂木、扉は桟唐戸、組高欄付き切目縁で側面奥の縁に透かし彫り彫刻を配した脇障子、軒唐破風を設け兎毛通しは蕪懸魚、台座上に浜床

●本殿左手の覆屋に小さな社が鎮座し、向拝の虹梁の上に透かし彫りの彫刻がびっしりと配されている。 彫刻は老人が何かを引っ張っている構図にみえるが、多分、故事に由来するものだろう。                                          境内東側の裏参道脇の傾斜地に、転びのある柱の覆屋の中に珍しい鹿島鳥居風の鳥居を構えた丹塗りの稲荷社が鎮座している。 稲荷社近くに石祠と石燈籠が立ち、石燈籠の球状の火袋にハ-ト型の火口窓が彫られている。 さらに少し下った参道脇に手造り感いっぱいの石燈籠が立ち、倒れかけている木造の社が鎮座する。 見ると社は周囲に茣蓙を張った粗末な造り…祀られている神様が少し気の毒に思えた。

△西側から眺めた社殿....瑞垣の中の2本の杉の根元に境内社が建つ

△切妻造桟瓦葺の覆屋に鎮座する社/柿葺の一間社流造りの社....向拝の水引虹梁の上に多分故事に因んだ彫刻を配している....向拝の水引虹梁の上いっぱいに多分故事に因んだ透かし彫りの彫刻を配している

△社殿に向かって左手の愛宕社への参道入口に立つ鳥居....黒木鳥居風で柱に転びのある鳥居、「愛宕社参道」の木札が立つ

△境内の東側から眺めた社殿....左奥に愛宕社への丹塗りの鳥居が見える

△境内東側の傾斜地に鎮座する鹿島鳥居風鳥居を構えた稲荷社

 △転びのある柱の切妻造板葺の覆屋に鎮座する稲荷社/流造板葺の社殿....正面の縁に白狐像が置かれている/側縁に脇障子がある

△境内東側の傾斜地に鎮座する流造屋根の石祠と簡素な石燈籠/ハ-ト型の火口窓が彫られた球状の火袋....火袋以外は自然石を用いている

△裏参道の脇に佇む石燈籠と粗末な社

△立方体に石が組まれた火袋、中台は四角状で、竿は自然石をそのまま用いたように見える/崩れかけて傾いた切妻造りの社....周囲に茣蓙を巻いている

 

 

 

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