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【岡山・総社市】応神天皇(記紀で第25代)妃の兄の子孫が、この地に野俣神社(現 境内社の沼田神社)を創建して周辺一帯の総社としたのが始まりとされる。 平安時代の延喜五年(905)に編集された「延喜式神名帳」には、式内社して「備中国賀夜郡 野俣神社」の記載がある(論社の可能性も)。
古来(大化期から平安末期)より律令政治の地方官である国司は、国中のすべての神社を一宮から順に参拝することを義務づけられていたが、全てを巡拝するのが困難であるため国府の近くに国中の神々を合祀する総社を設け、まとめて祭祀を行うようになった。
備中国の総社は、平安時代末期に赴任してきた国司が、備中国内の神社三百二十四社を勧請し、奉斎して備中国の総社(備中国総社宮)とした。 なお、境内の案内板には「当社は大化年間の創建」とある。
主祭神は大名持命(大国主神)、須世理姫命(大名持命の妻)。 相殿神は御霊鎮八神及び備中国内三百四社の神々。 摂社は沼田神社、大神神社などの古祀末社十二社。 備中国内三百四社の神々とは、「延喜式神名帳」に記載の官社十八社と「国司神名帳」に記載の田社二百八十六社をいう。
◆JR桃太郎線の東総社駅から国道180号線を東に進み、「総社小前」交差点を右折して間も無く、東参道口に立つ石造りの大鳥居の前に着く。 鳥居には「惣社」の額が掲げられ、傍らに鎮座する玉乗り狛犬の獅子に迎えられる。
境内に入ると左手に広がる神池がまず目に入る。 神社の庭園としては優雅で規模が大きく、池中に神島三島を配していて「三島式庭園」と呼ばれている。 3つの神島には石橋が架かり、それぞれの島に祇園神社、厳島神社そして四阿がある。
正面に鎮座する社殿に向かって進むと、石燈籠と狛犬を構えた東回廊が建ち、奥に唐破風向拝に太い注連縄が張られた拝殿がある。 注連縄の上の水引虹梁の上一面に龍の彫刻が配されているが、さほど精緻ではないが生きているようなリアルさがある。 その上の虹梁に、脚間に菊の花を配した棟柱を支える本蟇股が配され、拝の兎毛通は鳳凰とみられる大きな彫刻がある。
拝殿の前で東回廊と南参道側に延びている南回廊とが交差しているが、交差する所の建物の欄間には奉納された「 備中神楽諸神」、「天ノ岩戸開き神々」そして「七福神」のお面が、参拝者見守るように並んでいる。
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△総社宮の東参道に立つ大鳥居....瑞垣の傍らい佇む大正四年(1916)造立の石燈籠
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△石造り明神鳥居....額束に「惣社」の額が掲げられている
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△鳥居傍の四脚台座に鎮座する安政六年(1860)造立の獅子の玉乗り狛犬
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△平成十二年(2001)造立の石燈籠越しに眺めた境内
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△東参道に立つ注連柱の正面奥に東回廊と社殿とが重なって見える
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△境内東参道と南参道(南回廊)の間に広がる庭園は心字池の神池と三つの島(左の建物は神島に建つ四阿)....庭園は上古、渡来人により作庭された「三島式庭園」....奥は南回廊
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△東参道から眺めた正面に東回廊と社殿とが重なり、その左奥に南回廊、神池の左手には祇園神社の拝所がある
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△小さな石造り反橋(奥)が架かる神島に鎮座する祭神・素戔嗚命を祀る祇園神社
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△祇園神社は慶長十九年(1615)に京都八坂神社より勧請され、弘化三年(1846)に再建された
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△切妻造本瓦葺の拝所を通して眺めた社殿
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△一間社流造銅板葺の祇園神社の社殿
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△石造り反橋が架かる神島に鎮座する祭神3柱(市杵姫命、湍津姫命、田心姫命)を祀る厳島神社(創建年不詳)
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△「厳島神社」の額が掲げられた石造り明神鳥居....飛び石の参道の周りに石を配している/厳島神社の一間社流造銅板葺の社殿
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△標柱が立つ東参道の木立の奥に、回廊と拝殿と本殿の屋根が重なって見える
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△東回廊の前に狛犬が鎮座し石燈籠が佇む
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△東回廊前に鎮座する獅子の阿形吽形狛犬
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△切妻造本瓦葺の東回廊....大棟暗に鬼板、拝はなく、妻飾りは斜めに格子を配した狐格子
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△一軒疎垂木の化粧屋根裏天井
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△拝殿の唐破風向拝....中央間は腰高格子戸、脇間は格子窓で腰壁は縦羽目板....水引虹梁に紙垂としめのこを下げた太い注連縄が張られている
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△水引虹梁と梁の間に生きているような龍の彫刻、梁の上には脚間に菊を配した本蟇股が棟柱を支え、兎毛通は鳳凰(と思う)の彫刻を設けている
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△拝殿前で東回廊と南北回廊とが交差している....右奥が南回廊、左手が東回廊、手前左が北回廊
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△回廊が交差した所の建物の欄間に奉納された「 備中神楽の諸神」「天ノ岩戸開き神々」のお面が並ぶ
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△北回廊側に掲げられた「七福神の面」....北側回廊の奥に社務所がある/南回廊側に掲げられた「備中神楽の面」
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△東回廊の北側傍に建つ流造銅板葺の手水舎....基台上に太い柱で堅牢に造られている
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△手水鉢と口から清水を吐き出す龍像の水口/勇ましい祥龍の吐水口
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△神池側境内から眺めた本殿の屋根と回廊交差部の入母屋造本瓦葺の建物
とてもわかりやすく丁寧なブログ内容で、予習復習してからの参拝はとても有意義な時間となりました。
ありがとうございます。
木野山神社に訪れたのですが、屋根の飾り(ツノみたいなやつ)がかなりひどく損傷していて、ブログの画像にあった時のような綺麗な姿で観れなかったのが悲しかったです。
神主さんたちは気づいてないのだろうか
(;ω;)