
【中国・浙江省・杭州市】もとは隋代開皇十七年(597)、天竺の禅師宝掌が杭州天竺山の稽留峰という場所に建てた道場で、唐代に興隆した。 五代十国呉越時代の呉越王・銭弘俶が976年にこの地に寺を建て「崇寿天聖寺」と命名した。
清代乾隆三十年(1765)、第六代皇帝・乾隆帝(高宗)より中天竺寺」額を賜わって「法浄寺」に改名された。 乾隆帝命名の「天竺三寺」の中天竺寺と呼ばれる杭州の名刹の一つ。堂宇は何度も改築が繰り替えされたが、現在のものは清代の建築。
法浄寺で有機栽培されている龍井茶は”禅茶龍井”と呼ばれ、一般的な龍井茶よりも多く抽出できるが、茶園の規模が小さく生産量も少ないことから自寺で消費され、殆ど流通していないそうだ。
山門をくぐって直ぐの建物は天王殿と思うが、中央に鎮座する弥勒尊像(と思うが撮影を失念)の背面が韋駄天像ではなく観音菩薩なのには驚いた。 その後方には大雄宝殿ではなく圓通殿が建ち、千手観音菩薩立像が安置されているが、頂上にいただく面が2段になっていて十一面以上あるようで興味深い。

牌坊のような山門..入口に「中天竺 法浄禅寺」とある


山門をくぐって直ぐの御堂は四天王像があるので天王殿と思う..ただ、中央に鎮座するのは弥勒尊像ではなく何故か観音像のようだ!

入母屋造瓦葺で裳腰を設けた圓通殿..圓通は圓通大士(圓満融通の菩薩)の略で観世音菩薩の異称

趣きがある圓通殿の入り口に「清浄荘厳」の大きな額が掲げられている


圓通殿前に置かれた重厚な仏塔形常香炉/御堂の柱は大きな礎盤上に立つ..壁で覆われた御堂側面


千手観音菩薩像..面数を失念したが11面以上あるようだ、腕は40臂に合掌する2臂を加えて42臂と思う/高さ10数mある大きな千手観音菩薩像

改築中の宝形造瓦葺の御堂..僅かに見える額から「選仏場」かな
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