
【中国・浙江省・杭州市】五代十国呉越時代の後晋天福四年(939)、呉越王の銭元灌により杭州天竺山に創建された古寺。 五代十国に続く統一王朝である北宋時代、天竺の観音が霊験だと伝わり、以後、各代の皇帝や役人が天竺寺の観音を参拝するようになった。
清代には第六代皇帝・乾隆帝(高宗)も数度参拝して親筆「法喜寺」を書し、また「天竺三寺」を命名し、法喜寺は上天竺寺と呼ばれた。 霊隠寺西側の山中に位置する「天竺三寺」の中天竺寺は法浄寺、下天竺寺は法鏡寺である。
三門から堂宇境内への白壁に沿った参道の脇に「国東塔」を思い起こさせる宝塔が並ぶ。 丸形の塔身軸部に龕を設けて仏像を安置し、八角の基礎に輪郭を巻いて彫刻が施された日本では見られない形の宝塔だと思う。 大雄宝殿には金色に輝く3体の釈迦如来坐像が法界常印を結んで鎮座。

大きな獅子の狛犬が鎮座する三門..「上天竺 法喜講寺」の扁額が掛かる


三門の身舎は入母屋造瓦葺で軒が大きく反りあがっている/「佛法常興」とある棟木の両側に龍、中央に火焔宝珠がある

境内参道脇の放生池(と思う)に架かる高欄を設けた石橋..奥に亭

三門から堂宇境内への参道に並ぶ石造宝塔(国東塔を思い起こさせる姿形)..塔身軸部に龕を設けて仏像を安置


堂宇境内前の参道..奥に「入三摩地」の額が掛かる堂宇境内への門(牌坊)、塀に「晋代古刹」とある

入母屋造瓦葺の天王殿..大棟に龍と水煙宝珠が乗っている


天王殿に鎮座する金色の弥勒尊像 弥勒尊像の後方で守護する韋駄天像


天王殿の護法神・四天王の内の北方多門天王と西方広目天像/天王殿


放生池に架かる石橋の先に建つ観音殿 入母屋造瓦葺で大きな裳腰を設けた観音殿

観音殿前の巨大な二基の常香炉


三重塔形の常香炉/手前の台座に乗る黒い仏塔形の常香炉は使われていない


観音殿の須弥壇に祀られている小さな観音菩薩像 壁面に安置された観音菩薩像

「夢泉」の額が掛かる亭..清流が湧き出ていたのかな

身舎に裳腰を設けた入母屋造瓦葺の大雄宝殿

大雄宝殿の須弥壇に安置されている法界常印(禅常印)を結ぶ釈迦三世仏


壁一面に造られた岩山に鎮座する聖者の五百羅像/低い位置に吊り下げられた巨大な梵鐘..梵鐘の基底部が波打つ意匠は中国特有
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