対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

中山正和のHBCモデル1

2024-04-17 | ノート
こんど中山正和『演繹・帰納 仮説設定」(1979年)を読み直していて、HBCモデル(Human Brain Computer)に着目した。自己表出の出現の背景に脳髄や神経系の発達があるからである。HBCはヒトの脳のモデルである。脳の働きを分類・整理したものである。これは大脳生理学や子どもの成長の過程との対応も考えられている。モデルの下部構造は動物と共通している。
それは次のようなものである。


記号の説明  脳との対応
S→O(Stimulus→Output、刺激→反応)  脳幹・延髄系 
I→O(Image→Output、イメージ→反応) 大脳辺縁系  
I・S(Image-Storage、イメージ記憶)   新皮質系(右半球)
W・S(Word-Storage、コトバ記憶)    新皮質系(左半球)
W・R(Word-Retrieval、言語検索)    前頭連合野系

S→Oは「いのち」と名付けられている。S→Oは自然システムに組み込まれたいのちの働きを表わす。I→Oは「肉体の学習・刷り込み」である。例えば、灯を見るという視覚的刺激が行動に結びついていくこと。そして、過去の経験を新しい事態に適応させるために記憶装置I・Sが出現して、刺激→出力に幅が出る。
(引用はじめ)
動物は刺激を受けると〔S→O〕(いのち)の働きによって、自動的に〔I・S〕の中を探し、過去の経験をイメージとして引き出し、その中に現在の状態改善に役立つものがあれば、これを〔S→O〕に返して行動に移す。
(引用おわり)
動物は、「生きていること」に「たくましく生きていくこと」が加わり、さらに「うまく生きていくこと」ができるようになる。
モデル図の下半分である。

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