対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

四捨五入改憲

2021-10-11 | ハングル
韓国では四捨五入の表現が2通りある。사사오입(ササオイプ)と반올림(パンオルリム)である。사사오입(四捨五入)は日本式の表現であり、植民地時代の残滓としてとらえられ、現在は(21世紀になって)반올림(半分・切り上げ、rounding offに近い感じだろうか)にとってかわられているという。

数学の四捨五入は반올림(パンオルリム)で統一されているが、사사오입(ササオイプ)の使用が不可避な場面があるという。それが四捨五入改憲(사사오입 개헌)である。

四捨五入改憲は、ウィキペディアによると、1954年11月に行われた憲法改正に対して名付けられたもので、「賛成票が1票足りず、本来なら否決されるはずの憲法改正案を、数学上の「四捨五入」の論理を援用して強引に可決した」ことによる。

改憲案(李承晩大統領の終身大統領への就任を意図したもの)の票決は在籍議員203名中、賛成135名で1票不足だった。いったん否決されたが、次の理屈をつけて可決になった。

「改憲に必要な203票の3分の2の正確な数値は“135.3333…”であり、自然人を整数では無い小数点以下まで分けることは出来ないから、四捨五入の論理によって、もっとも近い値の整数である135票を得た改憲案は可決されたと見なすべきである。」

よく思いつき実行したと思う。しかし、与党の強権的な姿勢に対する民衆の反発は強く、四月革命(李承晩失脚)の遠因になった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿