対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

ガロア群を確認する

2021-09-08 | ガロア
ガロア群を考えるとき、洞察と計算力がついていけるのは悲しいかな2次方程式だけである。次数が1つ増えるだけで極端に難しくなる。2次方程式と3次方程式(がんばって)でガロア群を見ておこう。

ガロア群の基礎は単拡大定理である。与えられた方程式の解をベースにその一次結合Vを考える。そのときの条件は解の順列を変えると値がすべて異なることである。次に、こんどは翻って、作ったVを使って、与えられた方程式の解を表す。そしてVの最小多項式を想定して、その共役元と対応させて最初の方程式の解の順列を作る。

これで与えられた方程式の解と等価な「群」が作られる。

ガロア群は分けることができる。ガロアは固有分解といった。群を単位群まで縮小していく過程と代数的に解ける過程が対応する。これは正規部分群の列からなる。

ガロアの時代に代数的に解けていた方程式は4次までであった。また高次な方程式だが、代数的に解けていたのは、円周等分方程式だった(正17角形の作図)。共通しているのは、ガロア群の位数が素数で、巡回群であることだった。これが正規部分群の発見につながった。