北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

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日高本線の復旧費用30億円超、復旧できるのか

2015年10月09日 | JR北海道 JR北
今朝の北海道新聞には
「日高線復旧30億円に JR北海道再試算、着工見通せず」という見出しが躍った

 JR北が、1月の高波被害以来不通となっている日高線の復旧費用は30億円程度になるとの試算をまとめたとのことだ。4月時点では約26億円と見積り、その後、沿岸や海底の地形なども含めてより詳しい調査を行った結果、当初より数億円規模で工費がかさむことが分かったという。
さらに、9月の台風の影響で2カ所に新たに発生した被害については今回の試算には含まれていない。ここを合わせた復旧費はさらに膨らむ恐れが強い。
ここで注意すべき点は、工事が東京オリンピックや北海道新幹線の工事期間と並行することなのだ。
工事費が高騰することは間違いないだろうから、30どころか40億円の費用に膨らむことも十分に考えられる。
 
この日高本線の復旧費用について、JRは工事用道路の造成などに要する1億円以外は負担できないとして、費用負担をめぐり道、沿線自治体とは対立したままだ。
*そのような中でも、被害が拡大しないように鋼矢板の開口部への消波ブロックの設置や大型の土嚢を積むなどの手当て進めている。
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151009-3.pdf
これは、岩手県の岩泉線への対応とは明らかに異なり、JR北としては本気で復旧を目指しているということだ。

(日高本線不通で室蘭本線で運用されるキハ40-350番台)

日高本線は1986年11月1日に急行「えりも」が廃止されて以来、優等列車は走行していない、貨物列車も走っていない。富内線の廃止に伴って支線の無い本線となっている。
利用状況は平成26年度の輸送密度は298人/k/日で北海道内ではワースト5番目となっており、さらに年々減少を続けている。同線には並行して一部片側2車線で快適な国道235号線が走り、さらに日高門別までは日高自動車道も開通して、最終的には浦河まで建設の予定だ。
このような状況下で、沿線住民の多くは、積雪少ないことも手伝って手軽な軽自動車を中心に自家用車を複数所有していると聞いたことがある。札幌方面への交通手段も都市間バスが中心で、優等列車が消えてからは、その傾向は強まっているようだ。
結局、現在の運休のしわ寄せは通学に利用していた高校生に行っている。
その高校生=若者も流出が止まらず、苫小牧や札幌の高校に転出して進学してしまう子供たちも少なくはないようだ。
 このような状況の中で、財政の厳しい沿線自治体は真剣に鉄道を残したいという方向性を出せないでいるのか。
住民が必要としていないのなら、復旧する必要が本当にあるのかと住民の真意を測りかねているのか。
そこには無風選挙の弊害も感じるが、ここでは論じない。

北海道の交通機関の利用者は、札幌の地下鉄を除いてはバスも含めて年々減少傾向にあり、その中で鉄道だけを別扱いして存続を望むのは難しい現状だと思う。
私も心情的には鉄路は残して欲しいが、必要性が乏しくなった交通機関は鉄道であれ、バスであれ消滅していくのはやむを得ないと考える。
 日高本線はこのまま休止、廃線となってもほんとうに仕方がないのか。
ただ、鵡川、できれば交換施設のある日高門別辺りまでは残して欲しいと思うし、それなりの利用はあるだろう。
 しかし、このままでは復旧に向けて動いているJR北の努力と出費が無駄になってしまうではないか。
とにかく、少しでも早く自治体の態度を明確にするべきだ。

巷間、冗談でささやかれる旭川以北・以東・帯広以東の廃線を防ぐためにも、切るところは切るべきかもしれない。
 日高本線の存続は沿線住民の態度にかかっているだろう、あって当たり前、バスも鉄道も自家用車もといった時代は終わったことを理解して、やはり鉄道は必要と考えるなら、そのように各首長に訴えて行動してもらえば良い。

厳しい経営状態の中、懸命に保守作業を続けるJR北にいつまでも甘えていてはいけない。

(おそらく廃線される札沼線のキハ40-401)





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