北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

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JR北海道の新型特急キハ285の開発中止に思う

2014年11月13日 | 日記・エッセイ・コラム
試作車まで完成させながら開発を中止し、9月に甲種輸送されたキハ285、一旦は真新しい検修棟に格納され、10月には苗穂運転所の構内で試運転をする姿が見られた。
構内の試運転線を走行する285

さらに11月に入ってからは、夜間に本線上においての試運転も目撃された。
しかし、先週後半になってからは検修棟に入ることもなく屋外の留置線に「一時休車」の張り紙を張られたまま停車している。当面は自力で走行することはないということなのだろう。
開発中止を公表する際、架線や線路を検査するいわゆる検測車への転用を検討するとしていたが、それも来年度以後のことなので、構内を転々としながら、冬季は雪の下に埋もれることになってしまうのだろうか。
検測車は普通の車両に各種測定器を搭載するだけのものではない。検査するためには車両自体が検査の基準となるわけだから、それなりの精度と堅牢さが求められるという。
そのため改造と新規の製造とでは投資額に大きな差はないとの報道もあったし、素人でもそのように考える。

そもそも、この新型車は川崎重工と鉄道総合技術研究所とJR北による共同開発である。
川崎重工にとっては当初の約定通りの契約金を受け取ることができるし、733系や261系の製造など、多くの受注も約束されていることなので民間企業としてなんの不利益も被らない。
しかし、共同開発に関わった他の2団体は純粋な民間企業とはいえない立場にある。
数十億円と言われる開発費用は鉄道総合技術研究所に出資しているJR他社による出資金、さらにJR北に投入されている公的資金(国庫)が充てられているのだ。
今回の開発中止に関しては、試作車の完成に至るまで検討することも無く放置してきたJR北の責任の所在を明らかにしなければならないと考える。
新型の高性能の車両を自ら運行することが出来ないほどに会社の状態が悪化している中で開発を継続していた責任も甚だ大きいと言わざるを得ない。
「あまりに高性能すぎて開発をやめます」などという見出しをつけた記事も見かけたが、それでは、まるで子供のいいわけだ。
誰も責任を取ったという話も聞かない。
責任回避のために検測車転用を持ち出したのかと邪推してしまう。
現在の検測車両の、通称「マヤ検」も相当に古くなったことだし、ちょうど良いということなのか。

特急車両については当面、簡易型?261系でよいだろうが、もはや焦眉の急となっているキハ40、54などのローカル線区の普通列車車両に技術を応用します、などという言葉が全く出てこないのが不思議である。
今からでも、中止ではなく「一時中断」と言うことに改められないものか。
そのような話が出てこないのは、既存技術による軽快気動車的なものの開発が進められているからなのであろうか。

今回の「無駄遣い」に関して、もう少し踏み込んだ説明を期待したいと言うのが私の気持ちだ。
多くの鉄道ファンが、落胆しているとも聞くが、一方で285について、すでに話題にもしないファンが多いのも事実で残念なことだ。私は粘着質なのかな。
新幹線函館延伸後のリレー特急(北斗?)が、延命工事された281系と傾かない261では、札幌方面へ乗り継ぐ利用客にとって、新幹線のメリットをなんら享受できないだろう。
道などではバスに期待を寄せているようだ。鉄道が蚊帳の外になっているのは残念だ

先頭車を傾けたまま停車しているキハ285