15年ぶりの円高・ドル安が日本経済を揺さぶっている。
国内生産・投資に逆風、生産拠点が雪崩を打って海外に流出
一昨日の円相場が壱ドル83円台と、15年ぶりに高値を付け、標記のような新聞の見出しが躍っているのに、大方の企業が今後の企業経営に不安を抱いていると思われる。
主要企業の2011年3月期の想定為替レートは対ドルで87~90円、対ユーロで110~115円程度。企業の想定を超える円高は、足元の業績に打撃を与えるものと思われる。やはり、怖いのは、今後生産拠点が雪崩し的に海外に流失し、益々国内雇用が厳しくなることだろう。
昨日の日経新聞に掲載された下記のような大手企業経営者の談話に象徴されるように、国内生産・投資は厳しく、むしろ海外移転が加速する気配さえ感じられる。
・コマツ・野路社長・・・「円独歩高が問題」建機メーカーの経営は厳しくなる。
・三菱自動車・益子社長・・・「海外調達増やす」円高に左右されない生産体制をつくる必要がある。
・昭和電工・高橋社長・・・「海外移転は加速」このままでは、産業の国際競争力は大きく低下。海外移転の動きも加速される。
・フジクラ・長浜社長・・・「部品も海外から」熊本で製造している接続装置の部品を海外からの調達に切り替えることも検討。
このまま円高が続くと、国内市場の魅力が更に薄れ、企業の海外へのシフトを後押しすることになりかねないと言われる。政府・日銀の何らかの対応が待たれる。
かごしま企業家交流協会
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