よかど!鹿児島

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日本の流通戦争②/どうなる日本経済(66)

2010-08-17 08:41:03 | どうなる日本経済

北海道での「道内スーパー3強」の10年の興亡

「道内3強」を底なしの値下げ合戦に追い詰めた。それはたかが「豆腐の値段」だった。

2000年9月。北海道釧路市に進出したジャスコ社長(当時)は、最北の地に進出し、この地の攻略に乗り出すことを宣言し、直後に札幌市に進出、店舗網を一気に広げていく。

一方、地元勢も反撃体制を整え、道内トップのラルズは、02年に旭川の中堅スーパーを統合し、アークスを発足、次々とライバルを吸収。コープさっぽろも釧路の生協を買収、拡大路線の口火を切る。

ところが、09年底なしの値下げ合戦が、アークス、コープさっぽろ、イオンの「道内3強」を恐怖の淵に追い詰めたのだそうだ。

それは、たかが豆腐の値段だった。1丁39円で始まった競争は、20円台に突入すると、勝負を決める決戦場となり、そして10円台へ。一歩も引かない強烈な打ち合いが続く。なぜ、このような打ち合いになったのか、世界不況による消費不振もあるが、根底には、流通の加藤競争があり、バブル崩壊から20年、ダイエーをはじめ、敗者が舞台から去らず、国までがスーパーを生きながらえさせるから、最後は、相手の潰し合いしかないということになり、とうとう3円。最後の相手が崩れ、最後に勝ち残ったのがアークスだった。この戦いは、一見テレビドラマ風だが、現実の熾烈な戦いだったのだそうです。

ちなみに、09年の売上高は、

 1位 アークス      2,707億円(+6.6%)

 2位 コープさっぽろ  2,441億円(+2.3%)

 3位 イオングループ  2,427億円(▲3.1%)

この差は、今年は地方勢の2社は買収で更に開き、イオンは一気に引き離され脱落するとのこと。ただ、恐ろしいのは、この2社の一騎打ちの向こうに、西友(親会社ウォルマート・ストアーズ)という巨艦が迫っているとのこと。

このことは、そこには、更なる新たな戦いが控えているということだ。まさに、消費者の目にはわからない裏の世界で、日本の流通業界は、世界大戦争の最中にあると言えるのではないでしょうか。

かごしま企業家交流協会

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