サプライチェーンは今後も有効なのか。
もはや打ち出の小槌ではないとの意見も出てきている。
今回の東日本大震災では福島原発事故の影響が人命に影響するということで、日夜報道されているが、ものづくり産業に従事する、中でも自動車産業に与えた影響は計り知れない影響を与えている。
今まで、自動車と言えは、「品質、価格、性能」のバランスの良さが日本の特徴であり、これにサプライチェーンが価格を抑えて高い品質・性能の車を作る原動力になってきた。ところが、最近は他国、特に韓国車との品質や性能面の差が非常に小さくなってきており、競争面での優位性が非常に小さくなってきているそうだ。
品質や性能で他国メーカーとの差をユーザーに納得させているうちは、サプライチェーンも有効だったが、必ずしもそう言えなくなったとの意見が出てきている。それを裏付けるものとして、品質が高いと少なくて済む自動車メーカーから販売会社への値引きの原資と使われるインセンティブが米国では、トヨタ(カムリ)、ホンダ(アコード)とも、これまで1000~2000ドル台から、09年以降上昇し始め昨年は3000ドル台を突破し、、逆に現代自動車(韓国)は、昨年これまでの2,000~3000ドル台から一気に2000ドルを割っているそうだ。
一方、世界市場は一段と新興国中心になりつつあり、自動車の低価格商品化がさらに進むと、日本企業の高品質・高機能も、低価格が実現できないと意味を失うことになる。
もともと薄利に甘んじてきた日本のサプライチェーン構成企業の収益が一段と悪化する恐れもあると言われる。
また、サプライチェーンでコストの外部化を進めてきた結果、さすがのトヨタも売上高の急減ほどにコストを下げられず、利益を大幅に下げる結果になったと言われる。
もはやサプライチェーンは、トヨタ自身にとってもこれまでの「打ち出の小槌」ではなくなりつつあるようだ。今後、どのような「新たな改善」が行われるのか注目される。
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