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五色ケ原~薬師岳 (1)

2007年09月14日 | 山歩 - 東海・北陸
北アルプス初山行を紹介しましたが、写真の変色が激しすぎたかもしれません。かといって最近の北アルプスの写真はありません。デジタル・カメラを購入したのが2003年初夏ですが、ここ最近は北アルプスに出かけていません。

それに1997年から2003年までの間はカメラを山に持っていきませんでしたので、残っている写真は1997年以前のものしかありません。その中でなんとか記事に纏められる写真が残っているのが1990年に薬師岳に出かけた時のものです。

この時の山行も楽しく印象深いものでしたので、続けてこれを紹介したいと思います。

初山行の時と同じ友人と出かけましたが、この頃は仕事が忙しく山歩きからしばらく遠ざかっていたことや準備する余裕もないということで、テント泊ではなく小屋泊まりにしました。

1日目 : 扇沢~室堂
2日目 : ~浄土山~獅子岳~五色ケ原
3日目 : ~越後沢岳~スゴの頭~スゴ乗越
4日目 : ~薬師岳~太郎兵衛平~折立




北薬師岳からカール越しに見た薬師岳




1日目 :

扇沢からアルペン・ルートで室堂に入りました。この日は土曜日でしたので、途中そして室堂周辺は相当に混雑していました。

小屋は当然予約していなかったのですが、室堂山荘になんとかもぐり込むことができました。
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北アルプス 初山行 (5)

2007年09月12日 | 山歩 - 東海・北陸
5日目 : 【 笠ケ岳~杓子平~新穂高温泉 】

朝になってもガスは晴れていませんでした。でも、やはり笠ケ岳の山頂に向かいます。山頂には十人ほどの人がいましたが、展望はダメでした。

ところがしばらくねばっていると、ガスがゆっくりゆっくりですが徐々に薄くなっていきます。"一枚づつベールをはがすように"という表現がピッタリでした。

時間をかけて起きたこの変化は写真では表現できませんが、最初から全部見えるのと違い、その変化はちょっと感動的でした。



ガスが晴れだし、山々が次第にその姿を現しました。クリックで拡大。山名付きはここから。



槍ヶ岳から穂高岳もその姿を現しました。朝の時間では完全に逆光になり、ガスの向こうにシルエットが見えるだけでした。



おまけにブロッケン現象まで現れました。これが私のブロッケン初体験です。

ほとんど諦めていた笠ケ岳からの展望にも恵まれ、いよいよ下山です。

この日もテントを背負って下りるつもりだったのですが、友人が自ら自分で背負うと言い出したので、友人に背負ってもらうことにしました。

昨日通った笠新道の分岐まで戻り、杓子平に下りていきます。

少し下りると直ぐに雪が残る斜面になりました。

杓子平まで下りましたが、あまりにも気持ちのいい所なのでここで最後の大休息をしました。



杓子平から見た下りてきた斜面。上部はカールのようです。



杓子平から笠ケ岳。クリックで拡大。

ここの杓子平の休息は楽しい時間でした。何故か下りてくる人もなく、貸切の状態でした。

また、(道はありませんでしたが)尾根の反対まで出てみると、槍ケ岳から穂高岳までが高くそして近くに聳え立っています。そして周りには花が・・・。ここも凄く素敵な場所として強く印象に残っています。

杓子平からはただただ下るだけでした。

新穂高温泉に着いて、そこの公衆浴場(温泉)で5日間の汗を流してサッパリしました。

新穂高温泉からはバスで高山に出ました。途中で空が暗くなり土砂降りの雷雨となりました。下山したバスの中ですから何ともないです。結局この時の5日間は山の中では一滴の雨にも降られませんでした。

来るときも夜行列車でしたが帰りも夜行列車でした。しかも、普通列車を乗り継いで帰りました。(当時の感覚では、特急や新幹線は「贅沢」と思っていました。山に行くにはせいぜい急行利用まででした。今は急行はゼロに近いほどなくなってしまいましたが、当時は各地へ向かう急行が夜行を含めたくさんありました。)

まず、高山線で高山から岐阜に移動し、そこから当時の大垣発東京行きの夜行列車に乗り換えました。翌早朝に東京駅に着き、またまた乗り換えて自宅に向かいました。

この大垣発東京行き(下りは東京発大垣行き)の夜行列車は若い頃何回か利用したことがあります。現在はムーンライト「ながら」となり、青春18切符の期間はその利用者の間で人気の列車となっています。
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北アルプス 初山行 (4)

2007年09月11日 | 山歩 - 東海・北陸
4日目 : 【 双六池~抜戸岳~笠ケ岳 】

この日も好天気です。しかし、友人が体調がイマイチだといいます。もともと天候不順などで予定が消化できなかった場合は、ここから鏡平経由で下りてしまおうと考えていましたので、どうしようか検討しました。少し迷ったのですが、友人も下りてしまう程でもないというので、結局私が友人に代わってテントも背負うことにし、笠ケ岳に向かうことにしました。

まずは弓折岳への登りです。



その登りから振り返った双六池。

池は陰になってハッキリ見えていません。奥は鷲羽岳です。

双六池からしばらくは登山者が多かったですが、鏡平の分岐を過ぎると少し静かになりました。



弓折岳の稜線から焼岳・乗鞍岳の眺め。



同じく弓折岳の稜線からこれから登っていく抜戸岳。

今日も気持ちのいい道が続きます。途中、秩父平の花の中でのんびりしました。

秩父平からの登りは見た目よりきつく感じられました。

それまで、あまり差がつかなかった友人との間隔が、この登りで大きくついてしまいました。私は抜戸岳の下辺りで待っていたのですが、なかなかやってきませんでした。

歩行速度が異なる友人との間では互いに自分のペースで歩くということにしています。その結果、先に行く私が適当な場所で待つことになります。ですから、足の速い私の方が休息時間が長くなります。私が友人のペースに合わす事は可能ですが、それは互いにストレスの原因になります。友人も無理に合わせてもらうとかえって余計な気をつかってしまうといいます。それに、自分のペースで歩くのが一番疲れないはずです。ただ、誤解しないで下さい。友人を置き去りにして先にどんどん行ってしまうということはしませんし、友人自身も地図読みはもちろん一人で歩けるだけの経験があります。それから分岐では先に行かずに必ず待っています。これは私とこの友人との間でのことで、全てのパーティに対していえることではありません。それぞれのパーティにそれぞれの事情に応じた歩き方があるはずです。ですから、経験のあまりない別の友人と歩く時はまた違った距離間隔で歩きます。

そして、この辺りからガスが出始めて遠望がきかなくなってしまいました。

明日下る笠新道の分岐を過ぎ、播隆平を左下に見て進み、笠ケ岳のテント場に着きました。



稜線から眺めた播隆平。

途中いつものように少し遅れましたが、友人も問題なく着くことができました。

前の三ケ所は当時でも水場・トイレ共にあったのですが、このテント場は水場・トイレ共にありませんでした。水は近くの雪渓から取りました。

着いた時はガスで遠望が全くきかない状況でしたので、あえて笠ケ岳山頂へ向かわなかったのですが、明日どうなるかわからないので、夕刻になってから山頂に向かいました。

もちろん、何も見えませんし、誰もいませんでした。おとなしくテントに戻りました。
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北アルプス 初山行 (3)

2007年09月10日 | 山歩 - 東海・北陸
3日目 : 【 五郎平~三俣蓮華岳~双六岳~双六池 】

この日はキャンプ指定地の関係で、双六池までの短いコースです。

前日に続いての快晴です。前日だけでかなり日焼けしてしまいましたが、この日も再び日焼けし、三俣蓮華岳の山頂で撮った写真でも黒くなっているのがわかるくらいでした。

五郎平からは直ぐに三俣蓮華岳への登りが始まります。私と友人はもともと歩行速度があわず、どうしても私が先に行ってしまうことが多いです。適当な場所で待っているのですが、前日はさほど差がつかなかったのですが、三俣蓮華岳への登りでは差がついてしまいました。

黒部五郎岳が見える場所でのんびり待ちます。しばらくして友人もやってきましたが、そこで黒部五郎岳を眺めながらしばし休息です。この日は行程が短いのでのんびりできます。



その休息した場所からの眺め。クリックで拡大。山名付きはここから。

前日に歩いてきたコースを見渡せます。個人的には、カールを全開した形のこの方向からの黒部五郎岳は本当にカッコいいと思います。

三俣蓮華岳の山頂は、昨日歩いた黒部五郎岳などと違い、多勢の人でした。

三俣蓮華岳からの眺めは素晴らしかったです。ただ、人が多かったのでのんびり休むというわけにいきませんでした。



三俣蓮華岳から雲ノ平方面の眺め。クリックで拡大。山名付きはここから。



三俣蓮華岳から槍ケ岳・双六岳方面の眺め。クリックで拡大。山名付きはここから。

右端に見えている笠ケ岳が今回の最終目的地です。初の北アルプスなら双六池から笠ケ岳でなく槍ケ岳に向かうのが普通かもしれません。でも、私が選択したのは笠ケ岳でした。

三俣蓮華岳から双六池へは、双六岳を経由する稜線の道と東側を巻いて行く道があります。快晴の下ですから、展望のいい稜線の道を行きました。

双六岳まであまり登り下りのないこの道は気分爽快でした。展望も素晴らしいですが、あちこちに花が咲いています。

そして、途中で初めて雷鳥を目にしました。それにしても、前日と違って多くの人とすれ違いました。



双六岳への道から鷲羽岳。



双六岳への道から槍ケ岳。

双六岳からは槍ケ岳の眺めが見事でした。後は双六池に下りるだけですので、岩の上で大休息しました。

いい加減に腰を上げて、双六池に下りました。コースが短いせいもあって早い時刻に到着したので、双六池のテント場には数張りのテントしかありませんでした。池に一番近い場所に張ることにしました。その後、時間と共にテントの数は増えていき、最後はテント場はいっぱいになってしまいました。

テントを張った後は、双六池の周辺を散策したり、雪田の上で遊んだりして、楽しくのんびり過ごしました。
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北アルプス 初山行 (2)

2007年09月09日 | 山歩 - 東海・北陸
2日目 : 【 薬師峠~太郎兵衛平~北ノ俣岳~黒部五郎岳~五郎平 】

薄暗い中、目をさますと他のテントでは出発の準備が始まっています。さっそく、我々も朝食の準備です。食事当番は全て私の担当です。

この時に限らず、食事当番はいつでも私が担当していました。理由は単純です。仲間内では料理の「腕」が一番いいからです。そして、私も料理が嫌いではないからです。

この日は、雲一つない快晴で明けました。実は前日に梅雨が明けていたのです。梅雨は我々の山行にあわせたように明けてくれたのです。

太郎兵衛平まで戻って、そのまま北ノ俣岳に向かいます。



太郎兵衛平より、これから越えて行く北ノ俣岳(右)と黒部五郎岳(左)。クリックで拡大。

太郎兵衛平から北ノ俣岳を越えて黒部五郎岳に向かう道は、楽しかったです。

展望は文句無しで、花もあちこちに咲いています。そして、特にきつい登り下りもなく、もし荷物が軽ければ口笛を吹きながらスキップでもして歩きたい、と思うような道でした。



赤木岳付近から黒部五郎岳。手前の花はハクサンイチゲ。



同じくハクサンイチゲが広がる赤木岳付近から薬師岳・赤牛岳~水晶岳/雲ノ平。クリックで拡大。山名付きはここから。



途中の雪田にて。背景は薬師岳です。

何故こんなポーズで写っているのかはわかりません。



黒部五郎岳への登りから北ノ俣岳。

黒部五郎岳への登りはさすがにスキップ気分でというわけにはいきませんでした。

カールの道を行くのは最初から決まっていましたから、その分岐にザックを置いて、山頂に向かいました。



黒部五郎岳山頂にて。奥は槍ケ岳。

山頂は貸切だったと記憶しているので、自動シャッターで撮ったはずなのですが、今になってカメラを置く場所があったのだろうかと思っています。



黒部五郎岳から槍ケ岳。手前の稜線は双六岳。



黒部五郎岳から立山。



先程の分岐まで戻って、カールへ下って行きます。奥は穂高岳。



カールへの下りから鷲羽岳。

カール内は楽しかったです。



岩あり、雪あり、・・・



・・・清冽な流れあり、花ありで、その上カール内では誰とも会いませんでした。

そもそも、この日はほとんど人に会いませんでした。会ったのは数パーティに過ぎなかったと思います。ですから、どこでも貸切の状態でのんびりすることができました。

カールの道では清冽な流れと雪渓を何本か横切りましたが、時々その傍らで休んでいきました。

本当にこの道は楽しかったです。初の北アルプスに黒部五郎岳を選んだのは、今でも正解だったと思っています。

この日のコースは、岩壁や岩が累々とした場所が好きな人には面白くないといわれるかもしれません。しかし、たおやかな山容の高原風の雰囲気が好きな人には喜ばれると思います。



カールを見納めて、五郎平に向かいます。



五郎平。この日はここにテントを張りました。

奥に見えるのは薬師岳。赤屋根の建物は当時の黒部五郎小舎。



五郎平から抜戸岳と今回の最終目的地の笠ケ岳(右)。

1日目は折立から太郎兵衛平まで上がってくるだけでしたから、実質的にはこの日が北アルプス初歩きの日といっていいと思いますが、本当に楽しく歩けました。
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