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笠取山 - 甲信越

2006年09月30日 | 山歩 - 甲信越
これは昨年の今頃歩いたものですが、実に「地味な」山歩きとなりました。前日は大菩薩の雁ケ腹摺山に寄りましたが、山頂は霧がかかり、五百円札裏の富士山はおろか何も見えませんでした。この日も曇り空であまり期待はできませんでしたが、登らずに帰るというのは考えられません。

行程 【 作業平橋~一休坂~笠取小屋~笠取山~水干~雁峠~笠取小屋~ヤブ沢峠~作業平橋 】



雁峠からの笠取山。

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作業平橋に車を停めて出発です。

車でここまで来ると簡単に笠取山に登れますが、その分山への思いというものが薄らぎます。

まだまだ紅葉の気配もない緑の中を歩いて行きます。笠取小屋に着きましたが誰もいませんし、小屋も閉まっています。小屋の脇には周囲とは不釣合いな程綺麗なトイレができていました。

雁峠への分岐付近にはカヤトの原が広がり、笠取山も姿を見せます。



雁峠への分岐付近から古礼山・燕山。



笠取山への道は山頂めがけて防火帯を真っ直ぐに登って行きます。急ですが距離はわずかですし、登るにつれて展望が広がります。

登りきった所に笠取山の標識があります。誰もいませんし、展望もいいので、ここでのんびり昼食にしました。



笠取山からの展望。乾徳山・黒金山、遠く薄っすらと国師岳。

しばらくすると、青空が少し広がり始めました。そして、富士山も頭の部分が見えるようになりました。

下りは稜線を少し東に進んでから水干に寄って行きます。

稜線を東に進むとすぐに別の笠取山の標識が現れました。しかし、ここは展望がよくありません。こちらが本来の山頂と思われますが、二箇所に標識が立っている理由はわかりません。

水干には "多摩川の源頭 東京湾まで138km"と書かれた標柱がたっていました。



水干付近からの眺め。大菩薩嶺と頭を見せている富士山。

分岐のあるカヤトの原から雁峠へ寄り道します。



青空広がる雁峠。雁峠は気持ちのいい明るい峠でした。乾徳山・黒金山が正面に見えます。

今日は日帰りですから、ヤブ沢峠経由で作業平橋まで戻ります。

時期が悪かったのでしょうか。天気がぱっとしなかったからでしょうか。予想以上に林道が奥まで上がってきていたためでしょうか。静かではありましたが、あまり印象の残らない山歩きとなってしまいました。
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日本で一番低い山

2006年09月28日 | 山歩 - 雑感
日本で一番高い山は富士山というのは子供でも知っています。では、逆に一番低い山はどこでしょう。

一番低い山はどこかというのはある意味めんどうな問題を含んでいます。それは「山」とは何かという問題に関係するからです。そして、「山」とはこれこれであるという公式な定義は当然存在しません。ですから「自称」(山は自分では何も言いませんが関係者が主張するところの)一番低い山は複数存在します。

その中で、現在広く認められているのが、大阪市港区にある天保山だと思います。その標高は4.5mです。そして、天保山山岳会なる団体が登った人に登山証明書を発行しているといいます。天保山は人工の山ですが、自然の山としては徳島市にある弁天山(6.1m)が一番低いようです。ところが最近、香川県東かがわ市にある御山(3.6m)が「一番低い山」として名のりをあげたようです。他にも、自称(関係者の主張する)「一番低い山」があると思います。

私の個人的な登頂の記録の中で一番低い山は、東京都新宿区の戸山公園にある箱根山で標高44.6mです。この箱根山は、JR山手線内で「一番高い山」だそうです。

近くにある友人の会社に出かけた時、散歩がてらに「登山」しました。

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箱根山頂への急な手すり付きの登山道(?) / 山頂の44.6mの(手作りと思われる)標石(?)

箱根山一帯はかつて尾張徳川家の下屋敷だったそうで、池泉回遊式庭園を作ったおりに出た残土を積上げた築山が、今の箱根山だということです。箱根山は天保山の約10倍の高さを誇っています。
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ヒガンバナ - 吉見

2006年09月24日 | 風香 - 季節の花
埼玉県吉見町のさくら堤公園はその名の通り春には桜のトンネルになりますが、今はヒガンバナが咲いています。









このさくら堤公園内の道は、自転車でよく出かける荒川沿いの自転車専用道路の一部ですが、両側は桜の木が続きます。今はその下にヒガンバナが咲きます。
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武甲山 - 秩父

2006年09月21日 | 山歩 - 秩父
何かのきっかけで山歩きを始め、初めて他人に頼らずに登った山というのが誰にでもあるのではないでしょうか。私にとっては、秩父の武甲山が初めて一人で登った山です。当時の武甲山は石灰岩の採掘が今ほどではなかったですから、一部の山肌以外は昔からの姿を留めていたと思います。山頂からの写真はあるのですが、この時期の下から武甲山の姿を写した写真を持っていません。今では遅いですが一枚でも撮影しておけばよかったと悔やんでいます。

武甲山の現在の高さは1295mですが、昔は1336mありました。石灰岩の採掘の為に山体の一部と共に山頂部も削られてしまいました。私が最初に登った裏参道と呼ばれた道も、今は通行禁止というか道そのものが一部削られて消えてしまっています。現在は武甲山に直接登る一般道としては、表参道といわれる生川からの道と秩父鉄道の浦山口駅からの道の二つがあります。

私は武甲山には何回か登っていますが、実はまだ表参道を歩いたことがありません。今は浦山口駅からの道を往復しています。表参道を使ったことがない理由はそのアプローチにあります。石灰岩の採掘現場の下、ダンプカーが行き来する自動車道を2時間近く歩いて行かねばならないからです。

もっとも、最初に登ってから数年は武甲山に出かけていましたが、採掘の影響もあって長い間(27年間も)出かけていませんでした。再び出かけるようになったのは数年前からです。昔の面影が残っているのはごく一部だけです。私が登らない間に武甲山は別の山になってしまったという感じです。

このところ大雨の影響や色々用事があって山へ出かけることができませんでしたので、足も大分鈍ってしまっています。時期としてはまだ暑く最適ではありませんが、秩父へ行く他の用事もできたので、ついでに一度表参道を歩いて見ることにしました。

行程 【 生川~表参道~武甲山~長者屋敷尾根~橋立堂~浦山口駅 】



橋立川の流れ。

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さすがに、ダンプの通る自動車道は歩く気がしませんから、秩父鉄道の秩父駅からタクシーを奮発です。



表参道登山口。ここが一丁目で、山頂にある御岳神社が五十ニ丁目です。特に駐車場はありませんが、何台かの車が道端に駐車していました。



表参道。道は予想以上に歩きやすく、そして気持ちのいい杉林の中を進んでいきます。ちょっと武甲山を見直しました。

そろそろ山頂という所で道が分れます。右が”一般道”、左が”階段道”とあります。即物的な名前だなと思いながら階段道を選びました。昔の人なら”女坂”、”男坂”と名付けるのではないでしょうか。

階段道は、真っ直ぐ階段で登る名前通りの情緒のない道でした。階段が終われば山頂はすぐです。



五十ニ丁目の御岳神社。神社の裏手に山頂があります。



山頂からの秩父市街の眺め。



山頂からの眺め。西上州の山々の上に浅間山が姿を見せています。

下山は浦山口駅に向かいます。



長者屋敷尾根からの両神山。



長者屋敷尾根のシロヨメナの群落。

長者屋敷尾根からの九十九折の道を下り切ると、橋立川沿いの道になります。



橋立川沿いの道。

道は直ぐに林道となり、その平凡な林道を進んで行くと、やがて白い岩壁が見えてきます。



岩壁の下に、秩父28番札所橋立堂があります。

ここで時間調整して、浦山口駅に向かいます。切符を買って、ホームに出るとすぐに電車がやってきました。
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大白森 - 東北

2006年09月17日 | 山歩 - 東北
これも古く時期外れですが、先の裏岩手縦走路に続いて掲載することにしました。

この時は当時の土曜日曜の2日間JR東日本フリーという「とくとく切符」で出かけました。しかし、どう頑張っても登山可能な時刻に乳頭温泉に着くことはできません。そこで、初日は一ノ関で降りて、中尊寺を見物することにしました。その後、盛岡経由で田沢湖までやってきて、乳頭温泉の中の孫六温泉に投宿しました。

乳頭温泉には、黒湯、孫六温泉、大釜温泉、妙ノ湯、蟹場温泉、鶴ノ湯がありますが、孫六温泉は一番鄙びているかもしれません。乳頭温泉にやってきたのはこの時が二度目でしたが、現在は先の六つの温泉全てに宿泊あるいは日帰り入浴をしています。各々特徴がありますので、どこがいいかは好みあるいは何を求めるかだと思います。家族と出かけた時は、瀟洒な妙ノ湯に泊まりました。この時孫六温泉を見て、家族はここには泊まりたくないといいました。

もちろん、この時は鄙びた風情に引かれて宿を選んだわけですから、不満はありません。部屋にTVもなく、宿の人も「夜が長いですよ」と言っていました。でも、星空の下露天風呂に入ったりして時間は過ぎていきました。

出かけたのは1994年の6月です。

行程 【 孫六温泉~田代岱分岐~鶴ノ湯分岐~小白森~大白森~鶴ノ湯~鶴ノ湯旧道入口 】

説明の先頭に(*)がある写真は拡大できます。

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孫六温泉の朝食は筍の味噌汁でした。この味噌汁は今まで食べた味噌汁の中で一番美味しかったと今でも思っています。採りたての筍の香りがなんともいえませんでした。

孫六温泉に泊まったにもかかわらず、そこから稜線に向かわず大釜温泉まで戻ってそこで山道に入ります。孫六温泉からの道はかつて歩いたことがあり、その時眺めた素朴な雰囲気に引かれて今回は孫六温泉に泊まることにしたのです。それに大白森へは遠回りになります。

山道に入るとそこは驚くような状況になっていました。大量のゴミが散乱しています。アキカンとビニール袋があちこちにころがっています。そして、ラジオがかなりの音量で鳴らされ、笹の中でガサガサ人が動いています。筍採りです。それにしてもゴミの散乱状況は想像を越えていました。

ゴミがなく、筍採りの人達がいなければ、ブナの中のなかなか好ましい道だと思うのですが・・・。このような状況は小白森まで続きました。

目についたのはゴミだけでありません。時々可愛い花にも出会えました。道の傍らに綺麗に咲いていたツバメオモトとキクザキイチリンソウの小いさな群落を憶えています。



小白森から駒ケ岳。

小白森を越え、大白森との鞍部まで来るとさすがにゴミもなければ人もいません。そこから一登りで、大白森の山頂湿原です。今までほとんどブナの中を歩いてきたので、明るい陽射しがまぶしいくらいです。

快晴の素晴らしい天気でしたから、この湿原でのひとときは本当に気持ちよかったです。しかも、他に人がいません。独り占め状態です。こういう素晴らしいひとときがあるので山歩きは止められません。

花では一面に咲いていたムシトリスミレが印象に残っています。ムシトリスミレはあまり見る機会がなかった花ですが、それがたくさん咲いていました。その為か他に咲いていた花を憶えていません。写真で見るとワタスゲが咲いていたようです。

山頂の湿原は水平ではなく、西から東かに向かって下がっています。そして植生の関係もあって西側は展望がありませんでした。しかし、他は素晴らしい眺めでした。



薄っすら見えていた森吉山。



(*)山頂から乳頭山~駒ケ岳の眺め。



(*)山頂から裏岩手縦走路の山々。八幡平~畚岳~諸桧岳~嶮岨森~大深岳~小畚山~三ツ石山が見えます。その右奥に薄っすら岩手山です。左手前は曲崎山。







現在は湿原には木道が設置されたようですが、当時はありませんでした。その為大休止する場所に苦労しました。そこで仕方なく湿原を外れて、小白森側の乾いた登山道で休むことにしました。他に人がいないのでもちろん問題ありませんでした。



(*)大休止した場所からの乳頭山~駒ケ岳の眺め。

十分に満足して下山します。下り始めて直ぐに若い男女の二人連れとすれ違いました。筍採りの人を除けば、この日会った登山者はこの二人だけでした。

再びゴミの中を鶴ノ湯に下りました。現在乳頭温泉の代表格はこの鶴ノ湯だと思いますが、最初に乳頭温泉を訪れた1981年頃の代表格は黒湯でした。

鶴ノ湯に下りてきて温泉に入らないというのは考えられません。あの乳白色の温泉にのんびり入りました。

鶴ノ湯は高原温泉のバス停まで送迎をやっているようでしたが、それを使わず鶴ノ湯への旧道入口のバス停まで歩きます。鶴ノ湯からしばらく道の真ん中が深く掘られています。少し下に新館ができるらしく、その為の引き湯の管の工事だということでした。これはすれ違った老人が教えてくれました。(今は新館も営業しているみたいです)

入浴後なので汗をかかないようにとのんびり登ったのですが、やはり汗が出ます。しかし、それもブナ林の中の平らな道になると、涼しい風が吹き払ってくれました。

大白森はまさにゴミの山の先にある天上湿原という感じでした。
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