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新日本百名山

2006年09月11日 | 山歩 - 雑感
「日本百名山」の後、何冊かの「XX百名山」なる本が出ました。地域を限定したり、選択の基準を変えたものがほとんどでした。そんな中、岩崎元郎によって「新日本百名山」が発表(出版ではない)されたのを知りました。通常、「新」ということは「元」の「日本百名山」に取って代わるということを意味しますから、随分と大胆な行為だなと思いました。

最初は当然出版本だと思っていたのですが、しばらくしてA新聞における週一回の連載記事であることがわかりました。A新聞は購読していませんでしたが、インターネットでこの記事がA新聞社系のサイトに掲載されているのを知りました。バックナンバーの幾つかを拾い読みしてみましたが「酷い」文章でした。

およそあらゆる箇所を批判したくなるような文章でした。場合によっては日本語の文としておかしいと思われる箇所もあります。こうなると文章を書く能力ではなく、作文力の問題です。

東北の朝日連峰の朝日岳の記事において「ソフトな山」という表現がでてきます。どのような山だと思いますか。これは岩崎が英語の意味がきちんとわかっていない結果のようです。実はその文章の中で「ハードな山」という表現もあります。このハードの反対語としてソフトを使っているようです。岩崎は「ハード=硬い」と思い、反対として「柔らか=ソフト」と思っているようです。でもこの場合は「ハード=困難な」ですから反対は「容易な=イージー」です。あまりに、おそまつだと思います。

また、明らかに「嘘」ではないかと思われる記事があります。それは筑波山の記事です。この中で岩崎は埼玉県の日和田山から「双耳峰をきりっと立てて空を鮮やかに切り取る筑波山が見える」と書いています。これって本当でしょうか。確かに冬の空気の澄んだ日に筑波山は見えると思います。問題は見え方です。二つの山の距離及び角度(筑波山の双耳峰との角度 : 双耳峰はどの角度から見ても必ず峰が二つみえるわけではありません)の関係で、岩崎のいうようには見えないと思います。この「嘘」っぽい表現は、他所からその表現を引用した結果ではないかと疑っています。

その気になればまだまだ批判すべき文章がありますが・・・。しかし、内容とは別に100山のリストだけが一人歩きする恐れがあります。深田氏の「日本百名山」でも、そのリストだけが一人歩きしている可能性があります。「百名山」は完登したけれど、本の方の「百名山」は読んだ事がないという人はまさかいないと思いますが・・・。

岩崎の連載は百名山にもかかわらず何故か50回で終わっています。現在はどうやら本として出版されたようです。本の中身は確認していません。

岩崎はNHKのTVの山歩きの講座の講師で、中高年登山者(特に女性)に絶大なる人気があるようで、一部からは「カリスマ」とか「アイドル」とか呼ばれているそうです。
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