西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

マーラー・交響曲第7番「夜の歌」

2007-09-19 09:54:50 | ロマン派
今日は、マーラーの交響曲第7番「夜の歌」が初演された日です(1908年、プラハ)。
この曲の副題は、全5楽章中、第2と第4の2つの楽章で「夜の歌」と名付けられた楽章が用いられていることにより、命名されました。5楽章は、マーラーの交響曲では珍しくなく、他に第2番と第5番がそうである。通常の4楽章スタイルは、第1番・第4番・第6番・第9番の4つである。そして第3番は6楽章、第8番は2部構成である。ついでに言うと、「大地の歌」は6楽章、未完に終わった第10番は5楽章を予定していた。楽章の多さから言ってもマーラーの交響曲は、長大であることが予想される。時間はどうなのだろう。ショルティ・シカゴ響の全集で、記してみると、以下のようになる。分.秒と表す。
第1番 55.53
第2番 80.51
第3番 92.17
第4番 54.23
第5番 65.53
第6番 76.36
第7番 77.32
第8番 79.28
第9番 85.04
大地の歌 64.23
第1番と第4番が1時間以内に収まるが、それ以外は1時間を優に越えている。ハイドンやモーツァルトのシンフォニーが2つも3つも聴ける時間である。

さて、以前どこかで、9つの交響曲でラインナップ(打順)を組むとどうなるか、などという遊びがあったのを見たことがある。9つの交響曲を書いて亡くなった作曲家がベートーベンをはじめ結構いることに目をつけたものだろう。3・4・5番はクリーンアップトリオといって主力の4番を中心に重量級のバッターが置かれるだろう。遊びであるが、打順を組むことで、その人がどんな風にそれぞれの作品をとらえているか分かるようにも思う。例えば、ベートーベンだと、やはり第9が4番バッターだろう。DH制ではない、ピッチャーを入れた打順で並べると、
8・4・3・9・5・7・6・2・1
となるだろうか。ちょっとあれこれ迷いましたが。時間的長さだけではなく、内容もやはり考えました。もちろん打順に関する考え方もあることでしょう。他にも、シューベルト(実は一曲かけているので、その点困ってしまうが)、ドボルザーク、ブルックナー、ヴォーン・ウィリアムズ、とその楽しみを与えてくれる作曲家はたくさんいます。マーラーはどうなのだろうと考えると、これまた困ってしまいます。4番打者がたくさんいるのですね。セ・リーグのどこかの球団のようです。