西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

エマニュエル・シャブリエ

2007-09-13 09:05:59 | ロマン派
今日は、フランスの作曲家エマニュエル・シャブリエの亡くなった日です(1894年)。
シャブリエと言えば、狂詩曲「スペイン」を思い浮かべます。短い曲ながら、スペインをフランス風にアレンジしたような躍動感溢れるこの曲は、やはり傑作というべきでしょう。シャブリエは、アマチュア出身ということもあってか、曲数は限られていますが、近代フランス音楽史の中で欠かすことのできない作曲家です。ロシアの5人組の1人ボロディンなどと同じと言っていいでしょうか。ピアノ曲に注目が行きますが、そのうちのいくつかを管弦楽に編曲した「田園組曲」もよく取り上げられます。劇作品も残していて、「星」や曲中に「スラブ舞曲」を含む「いやいやながらの王様」などが有名です。晩年の作品に「ブリゼイス」があります。ギリシア神話に題材を取った劇作品ですが、死によって未完に終わりました。精神を病んでいたということです。スメタナなども晩年はその種の病気を患ったようですが、シャブリエにおける狂詩曲「スペイン」、スメタナにおける「我が祖国」などを聴くにつれ、Pourquoi?(=Why?)などと思ってしまいます。デュパルク、ウォルフ、シューマンなども同様の病気を患っていました。かといって、何でも病人にしてしまう評論家の言動には困ったものです。