西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

メンデルスゾーン・序曲「海の静けさと楽しい航海」

2007-09-07 07:51:50 | ロマン派
今日は、メンデルスゾーンの序曲「海の静けさと楽しい航海」が初演された日です(1828年)。
メンデルスゾーンは42年の短い生涯にもかかわらず、交響曲から宗教音楽の大作まで様々な分野の作品を書いていますが、序曲と題する管弦楽曲にもいくつか佳品があります。その一番有名なのは、「真夏の夜の夢」だろうか。「フィンガルの洞窟」もそれと並ぶくらい有名ですね。その他に、「トランペット序曲」「美しいメルジーネの物語」「ルイ・ブラス」それにこの「海の静けさと楽しい航海」があります。以前も書きましたが、ベートーベンもこのタイトルの作品を残しています。カンタータで合唱つきの管弦楽曲です。これはゲーテの詩「海の静けさ」と「楽しい航海」という2つの詩を合わせたものに作曲したものだ。そしてベートーベンはこれを作詞者のゲーテに献呈した。メンデルスゾーンの方は、ゲーテの詩にヒントを得たものだが、詩は採用していない管弦楽だけの作品である。
今手元に、「海の静けさと楽しい航海」がなかったので、代わりに「美しいメルジーネの物語」を聴きました。これは水の精メルジーネが人間と恋を詩、結婚をするという民話に題材を取ったものと言うが、この中のメルジーネの主題はワーグナーにより用いられ「指輪」の「波の動機」になっているということです。今、CDの解説を読んで始めて知りました。