怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

「ソーシャルメディアは何が気持ち悪いのか」香山リカ

2014-09-04 20:31:40 | 
自分でブログを書いていて、なおかつあまり更新していないとは言えフェイスブックまでやっているのに何だという感じですが、未だにガラケーでLINEには手が出ない身としては読んでいて同感することがたくさんあります。
以前私のブログで上杉隆の「田中真紀子の正体」についての書評を載せたとき、いきなり「お前は在日か」というコメントを送られたことがあります。ちゃんと読んでいるのか怪しいものですがどうやら田中真紀子について批判的であると彼女にとって反日行為みたいです。匿名性の陰に隠れて無茶苦茶の論理を振り回す不気味さを感じたものです。

ソーシャルメディアが「人と人をつながるメディア」になっていなくて、一方的発信による攻撃手段になっている感がある。ネットが原因で殺人事件まで起きている。
匿名性のコミュニケーションでは日常生活で抑圧していた本音をフルに全快して、驚くような大胆な発言、攻撃的な発言をしてしまう場合がある。フェイスブックでは本名を書きこむことが原則だが、それでも相手の顔が見えないことで心理的ハードルを下げて本音の発言をしやすくする。加えてツイッターでいえば誰かの発言をリツイートするだけで、ファイスブックであれば「いいね」ボタンを押すだけで、自分の意見を発信できる。A対Bという意見の対立があったとして、一つの方向に意見が極端に傾いてしまう、あるいは両社に根深い対立が築かれてしまうのが問題とされていますが、と同時に本当はCという選択肢もあるのではという議論は全く抹殺されてしまっています。議論は先鋭化して極論になりやすく匿名性の魔法により遠慮なく言いたいことを言うものだから、すぐにトラブルが発生してしまう。
こうした中で「ネトウヨ」も生まれている。この本の中で「ネットde真実」の女性たち十数人と話す機会があった時の様子が描いてあるが、自分が信じたい真実を立証することなく歴史を単純化して、それに反することを言う人は「在日」と決めつける姿には、自分たちこそネットに洗脳されているのではと言いたくなる。
とは言ってもソーシャルメディアの流れを押し戻すことはもはやできないのだろう。ツイッター、LINE、ファイスブックは深く浸透している。今だスマホを持たない旧人類にとっては不気味でしかないのだが、この中でどう対応していけばいいのか考えなくてはいけないのだろう。今や電話で話すことは面倒くさくてメールさえ手間。ホリエモンのようにLINEはめちゃめちゃ便利ですと言われるとこれからは隣に座っていてもLINEで連絡することになるのでしょうか。 コミュニケーションの在り方から社会通念や常識も変わっていくのでしょうか。
取りあえず漠とした実感としてソーシャルメディアの気持ち悪さを感じているのでこの本を読んでみましたが、前途は暗澹としている気分です。やっぱりガラケーではダメだからスマホに代えてLINEができるようにするか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする