仮面の告白『雲の上の虹』

この世の誉・不正・不道徳・破廉恥・権力者を追及し、無害なことも記録しつつ、雲の上の虹をめざす枕流亭の日記(日乘)

左翼性を発揮:朝日新聞の歴史教科書非難!!批判ではなく!

2011年07月31日 | 破廉恥

  いくら戦前に体制翼賛的な記事を書いていからといって、その贖罪意識・反省からとはいえ右から左へのぶれが激しいのが朝日新聞。(そういえば講談社も戦前の風を今では止め、反体制的な記事内容の雑誌や関係紙が多いな)

  ところで、来年度からの中学校教科書の採択時期は佳境を迎え多くの採択区ではすでに採択作業は終了しているだろう。

  中学校の社会科教科書でいえば、地理・歴史・公民・地図帳が個別に採択される。だから教科書会社はその全種類を発行する必要がない。話題の自由社も育鵬社も歴史・公民だけの発行だ。

  長く我が国の社会科教科書を執筆してきたのは、その多くが左翼(系)学者や左翼(系)教師だった。これは誹謗中傷ではなく事実である。名前を上げることは何人でもできる。

 戦後徐々にその割合は減ってきているが、今でも特定政党や教育団体と強い結びつきをもっている執筆者がいることは事実である。さらに検定にかからず、採択されればほほ自動的に採用されるのが教師用指導書だが、この執筆者に至ってはほとんど左翼または反体制、プチ左翼・市民派左翼といってよい。

 それらの社会科教科書にアンチテーゼ(この用語自体、時代がかっているか)として出されているのが自由社や育鵬社のものだ。要は歴史の見方は多様であるといっているだけのことだ。

 かかる事態に我慢できないでいるのが左翼系の方々なのだ。言論の自由は左翼にのみありというのが彼らの考えだ。考えというより思い込みであり、彼ら自身がマインドコントロールにかかっていることに気付かないのではないか?

 

  朝日新聞のかかる記事はまだこんな言論抑圧をしているのかと思うだけだが、朝日新聞しか読まないという方は、産経新聞しか読まないのと同様に見方が固定されているのではないかと思うだが。

  

 そうそう、社会科教科書の執筆者って左でも右でも反体制派または体制懐疑派が多いのよ! ベクトルの向きが違うだけってことかな!?

 朝日新聞も避難でなくまっとうな比較検証・「批判」をしなさい。

      
東京書籍の歴史教科書         育鵬社の歴史・公民教科書

 

歴史教育、戸惑う教師 2011年07月28日

横浜市では昨年から8区の公立中学校で、自由社の歴史教科書を使っている。既存の教科書を「自虐史観」とする「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した教科書の内容に、戸惑う教師たちがいる。

■資料補足し教材工夫

 昨年4月。1学期が始まる直前、40代の男性教諭は自由社の歴史教科書を初めて手にし、強い違和感を覚えた。日本神話のコラムが大量に載っていたからだ。「生徒が神話と歴史的事実を混同しないだろうか」。同時に、太平洋戦争を「大東亜戦争」と強調するなど「価値観の押しつけでは」とも感じた。

 授業を始めると、戸惑いはさらに強まった。5~6世紀に大陸から移り住んだ「渡来人」を「帰化人」と黒字太字で表現するなど、語句や史料の使い方も、これまでに使った教科書とかなり違う。それに加えて、写真の裏焼きや単純な事実関係の間違いも他の教科書と比べて多かった。

 他社の教科書で必ず学ぶ内容も抜け落ちていた。江戸時代は「平和と安定」の時代とされ、重い年貢に苦しむ農民たちの実態がほとんど描かれない。生徒たちには、一揆などで用いられた「傘(からかさ)連判状」の資料を示して、武士による支配と団結して対抗した農民のことを説明した。「欧州の市民革命や産業革命の項目でも、民衆の状況の説明が非常に少ない」と話す。

 授業で自作プリントを配るなど、この男性教諭のように補足説明に工夫を凝らす教師は多い。50代の女性教諭は教員仲間で作った研究資料2種類と以前教えていた歴史教科書を参照しながら、自由社版を読み込む。ざっと読んだだけでは気づかないこともあるからだ。「以前よりも、教材研究に多くの時間を取られるようになった」と話す。

 市教委は昨年4月、各校長に「採択した教科書を必ず使用しなければならない」と通知した。「現場に無言の圧力になっている」と困惑する教師は多い。

■問題意識 世代で差

 自由社の歴史教科書の特色は、検定が不要な「教師用指導書」ではさらに強調される。例えば「アメリカと戦争が始まったことを知った国民の多くはどう思ったか」という3択問題。正解は「スカッ、と晴れやかな気分になった」で、「怒った」と「悲しんだ」は不正解となる。「破竹の進撃」をした東南アジアでの日本軍の占領で「一般住民を数多く処刑した」は「×」だ。

 長年にわたって社会科を担当した市立中学校の元校長は「『スカッ、と晴れやか』以外を誤りとするのは、多面的な見方を育てるという教育の目標と対極にある」と批判する。

 だが、こうした問題意識は若い世代を中心に希薄になっている。40代の男性教諭は、教科書や指導書を手にした教育実習の男子大学生から「どこが間違っているんですか。わかりやすくていいじゃないですか」と言われた。この指導書を職員室の机の上に常備している教師もいるという。

 教師の意識の変化には、教科書採択制度が変わったことも影を落とす。横浜市では以前、採択に学校現場の意見を反映させる「学校票」があった。教師たちは採択前に市内数カ所で開かれる教科書展示会に行き、教科書を読み比べて検討。地域性なども考慮して希望する教科書を挙げていた。

 だが、2001年に「学校票」は廃止。代わりに各区校長会が検討し、報告することになったが、それも05年には廃止された。

 「多くの教員が展示会に行かなくなり、教科書を話題にすることもなくなった」と、ある男性教諭は嘆く。

■現場の声が届かない

 横浜国大付属横浜中学校(横浜市南区)は、教師たちが内容を検討した上で使用する教科書を決める。

 社会科担当の30代の男性教諭は「そもそも教科書は記述がまとまりすぎ、使いにくい」と話す。「歴史授業の本質は、どんな視点を基軸にして過去を判断するかを考えさせる点にある。権力者の記録である『史実』の裏側も示すために、副教材のプリント作りは欠かせない」

 そんな教諭の授業に、若い同僚や教育実習生が「歴史って面白いんですね」と、今更のように感心するという。「いろいろな視点から見る訓練をしてないんだ、と痛感する。世の中全体が一方向へと流される危険なムードの今、教室はいろんな意見が自由にぶつかりあう場でありたい」

 公立中学で使う教科書の選択に、現場の声が反映されない仕組みには疑問を感じている。「学校は公共とは何かを教える場。保護者ら周囲の大人や社会全体が、教科書をめぐって学校現場で起きていることに関心を持ってほしい」

(星井麻紀、織井優佳)

 約120人の弁護士が所属する自由法曹団神奈川支部は27日、「歴史や憲法の見方があまりに一面的」として、自由社と育鵬社の中学歴史・公民教科書を採択しないように、横浜市教育委員会に要望した。過去の採択に際し、教育委員の無記名投票が拡大していることについても「密室性、不透明性が増す」と批判、透明で公正な手続きをとるように求めた。

 歴史学研究会(委員長=池享・一橋大学大学院教授)など歴史関連の4団体も「育鵬社版・自由社版教科書は子どもたちに渡せない」とする緊急アピールを共同で発表した。

 アピールでは、近代の戦争を日本の正当化に終始する自国中心の記述にとどまっているなどと批判した。