サリンジャーって何か言いたくなる作家よね、必ずしもそのお話が好きというわけじゃないのに、何かナゾめいてるからなのかな?
「対エスキモー戦」の場合、作者は変わり者のフランクリン(セリナの兄貴)を肯定的に描いてるというか、主人公のジニ15歳がこいつに好意を持ったっぽく読めるように書いてると思う、「後で電話する」、なぜ?セリナに用はないよな、兄貴ともっと話したい?
私も電話の件はよくわからない、ひょっとしたら家へ帰って姉ちゃんに「8回も手紙よこした変なヤツ」のことを聞いてみたかったのかも-とか考えてみたけど、どう見たってこの男が姉ちゃんの好みじゃないことは明白、わざわざ電話で伝えるようないい話を聞けると思えないし・・・
今回読み直す前は、ジニが「お金いらない」と言った理由を、ちょっとだけセリナに同情したから-じゃないかと考えかけてたのだ、まずまずいい家に住んでメイドも雇ってるとは言え、お母さんは重病らしいし、24歳の兄貴は心臓病抱えて大学へも行かず仕事もせず「エスキモーとの戦争に60歳以上の年寄りを行かせるんだ」なんて常識的には絶対変なことを口走ってるし、どうも自分の方が多少はめぐまれてる気がする、まあタクシー代持ってやってもいいや、今日の分までは(今日の25セントだけはよけいだったかも)、来週からバスで帰ろ、いやもうテニスやめるかな?
この解釈であってると思ってた、読み直すまでは、いや読み直しても多少は、何せフランクリンの変人ぶりハンパじゃないもんね、シーモアといい勝負、だけどジニが「後の電話」で何を言いたかったのか、それが気になる、気になるうちはわからない・・・・・すっかり作者のワナにかかってるな
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