事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

忘れられた人々

2014-07-31 23:43:20 | 本と雑誌

バナナ (1964年) (東方小説選書)
価格:(税込)
発売日:1964

もうずいぶん昔に言ったことがある
「石坂洋次郎ってどうも好きじゃないんだよな、いかにも東北人らしくベタッとしててさ、恋愛小説書くなら獅子文六みたいにサラサラサラリとやってもらいたい」
どっちも今じゃ忘れられてるっぽいけど・・・あ、日付変わる前にとりあえずアップ

もちろんその頃だってわかってた、サラッと行かない現実は、でもだからってベタッとした絵空事を好きになれるかと言えば・・・ああもう全く何書いてるんだか、ともあれこれは面白いのじゃあるまいか?

8/1追記-映画の紹介はこちら、概ね忠実だが津川雅彦演じるボンボンがちょっとカッコよくなってる、元ネタではせっかく稼いだ金を競輪でスッちゃった上に自分のやったことが法律に引っかかるとは捕まるまで思いもしなかった大マヌケ、こんなんで大丈夫だろかと心配だけどまあまだ若いんだし、しっかりものの岡田茉莉子がついてれば大丈夫かな

他には・・・小池朝雄演じるO青年は悪事にかかわっていない、ただの貧乏な留学生、尾上松緑のオヤジさんは息子があんましノンポリなので若いモノはちょっと左がかってた方がよいのでは?などと思いつつ(自分は台湾国籍なのに)中共から来たこの青年を援助してるのだ

また登場人物が外で食事するシーンは(尺の関係でしかたないとは言え)大幅に省略されてるらしい、中華(豪華なのもショボいのも)、懐石、洋食に天ぷら(若いカップルはエビ天が大好き、この店へ朝汐-まだこの名前だった-も食べに来たとか)・・・スシとウナギは(少なくとも店は)なかったかも

まだ日本が貧乏で売るものがあんましなくて、だから外国のモノを買うことが法律で制限されてて、日本のお金を海外へ持ち出すことも禁止されてた(確か)頃なればこそ成立するストーリー、どうやら前年(昭和33年)実際にあった事件をモデルにしてるらしい、マヌケなボンボンだってちょっとニュースを知ってればこんなワナにはかからなかったハズなのだ、小沢栄太郎の叔父さん(映画ではこのヒトも共犯扱いみたいだが)は「別に悪いことしたわけやない、日本がつまらん法律を作りおって」と言う、まことにごもっとも、時代先取り・・・・

ラストでオヤジさんが息子と留置所入りを代わってやろうとでかけるのは元ネタも同じだが、ここは映画の方がいいかも、元ネタでは(いろいろあって)オヤジ主犯説がムリ過ぎになっちゃうのだ、でもわかる、どうしてもこのヒトに言わせたかったんだよな、「天丼とローストビーフを差し入れろ」って