イカちゃんがホメてたのでちょっと考えた、後半、住むヒトのなくなった実家を訪ねるくだりは佐藤春夫へのオマージュだろうと思う(読んでないからわからんけど)、この主人公自身たぶん春夫の分身として造型されてるハズで、なればこそあえてはっきり固有名詞を書いてない、だがそれってどうなのかなあ、書いてもバチは当たらんのじゃないか、というか書かんとわからんヒトの方が多いんじゃないかと言うのは文芸誌読者に対する侮辱かな?
ともあれ後半はけっこうイケてるんだから前半の野口富士男パートをもうちょっと何とかしてもらいたい
まずは2時からの講演に新宮駅へ1時半着とはいささか主催者をバカにしてないか?講演会場が駅前とは決まっとらんだろに、そもこの講演会が佐藤春夫没後40周年記念行事であるのなら演者が一人ということはあるまい、午前中は映画上映とかして(なかったかな、映画化作品)、午後から佐藤春夫研究者と東京から来る流行(?)作家の講演といった構成になるのじゃなかろうか、主人公の出番が3時からであれば1時半に駅到着でもOKかも
となれば松阪からのカーチェイスもそうシッチャカじゃなくなる、とは言え運転手君が新宮から松阪まで2時間ちょっとでたどり着かねばいけないという状況は変わってない、やっぱムリだ
また名古屋駅での一件、この記述によれば新横浜へ9時前についている、切符売り場での交渉があったとしても思ってたよりは10分前ののぞみに乗れるんじゃないか、これなら乗り換え時間16分(手元の時刻表によれば)、何とか指定券買えそうだ、とは言えあんまし余裕はない、地元のナビゲーターがほしいところ
>東京よりの階段を降りて在来線乗換口を出ると写メールで顔を見た若い男が待っていた
「こっちです、そんなに急がなくても間にあいます」早足で歩きながら特急券とキオスクの袋を差し出す
「サンド買っときました、ちょっと早いけど車内で食べてください」
近鉄名古屋駅へ向かう階段を降りる、男は「鳥羽」と書かれた電車を指して「あれです」と言った
>松坂駅を出るとさっきの男が車の脇に立っていた
「あれ、君どうやって来たの?」
「津からこの車で来ました、あ、名古屋駅にいましたか、それ名古屋に住んでる弟です」
この男には翌日もう一度実家の近くで会うことになるのだが
>「あれ、君昨日と車が違うんじゃないか?」
「昨日の運転手は弟です、僕は新宮に住んでます」
実務能力皆無の私ですら一日あればこん程度のことは考えつけます、単行本にされる時はご一考くださいませ、辻原殿へ、名古屋市民より