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事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

ミランダ・ジュライ

2012-08-31 15:25:04 | インポート

2010年のTwitter文学賞、この名前(July)もろに七月(ナナツキ)さんだね、と言ってもわけわからんヒトが多いだろな、太田さんの「宿少」、今は入手不可能だし(あれは名作だからぜひ復刊してもらいたいと思う-と実はこれを言いたかっただけだったり)
このところ何冊かの翻訳モノを読みさしては部屋中に積み上げてる(途中で止まった事情はそれぞれ)状態だがこれは短編集なのでサラサラと読み終わった
登場人物のほとんどは女性(一作を除く)で、みんなよく言えば独創的、悪く言えば妄想的、何気にあっと驚くことを言ったりやったりしてくれる

共同パティオを一階の住人と同じ時間使おうと思う二階の女の子、だが洗濯物をつるすわけでもなし、ただそこに座ってるだけ

たまたますれ違う中年女性たち、一人はウィリアム王子との恋愛妄想にひたり、一人は犬を探して寝巻のままクルマを走らせる、なぜか犬は死ぬ、ああこの不条理・・・

深夜見知らぬ男が階段を上って自分を殺しに来る、すでに心の離れた亭主は絶対助けてくれないと思う女の子、夢オチしかありえないにもかかわらず絶対そうは読めないのがコワイ

ボールに水を入れて老人たちに水泳を教える女の子、オカシイ(アッハッハと面白いという意味)と思うヒトもいるらしいけどギャグ感覚の相違、私ははっきりコワイよ

お裁縫が全くできないのに自覚のない女の子、脇役だがとにかくシュールにしてインプレッシブな存在

やたらショートに切りたがる美容師、それが本人に似合うかどうかなんて知っちゃいない、髪を失くした子供に鬘をプレゼントしたいからという、あのな・・・・ってこれまた脇役だが主役を食ってる

ヒロインの恋人を奪うガキども、チ、生意気なヤツらだぜ(と年寄りは思うのであった)

手で女をイかせる方法を娘に伝授するお父さん、一番短くてひょっとしたら一番好きかも・・・

そして・・・・同僚に妹を紹介するという男、さてその目的は?いいかげんで気づけよ、純情そのものなオッチャン

訳者の岸本さん、「あかずの日記」(モンキービジネス連載だった)はどうなりました?Stacy Levine(こちら)は?けっこう楽しみにしてるんですが


大鴉

2012-08-02 17:05:28 | インポート

こればっかしは英語で読まないと、それもホントは上手なヒトに読んでもらわないと、どこがいいのかわからんだろうと思う、まさに「音声芸術」なのだ、普通は6行に印刷されるが1行目と3,4行目を2行に分けると視覚的にもわかりやすくなる、たとえば第2節

Ah, distinctly I remember
it was in the bleak December,
And each separate dying ember wrought its ghost upon the floor.
Eagerly I wished the morrow; -
vainly I had sought to borrow
From my books surcease of sorrow -
                      sorrow for the lost Lenore -
For the rare and radiant maiden whom the angels named Lenore -
Nameless here for evermore.

思い出す(remember)あれは12月(December)、私は朝(morrow)を待ちながら哀しみ(sorrow)を終らせるものを本から借りよう(borrow)と・・・

きれいな脚韻、これが全節ほぼ完全に揃ってるのである(ちょっとだけ発音違うと思われるところあり)、何でこんな単語を使ったのかフシギに思うところは概ね韻を合わせてるのだ

Much I marvelled this ungainly
fowl to hear discourse so plainly,
Though its answer little meaning - little relevancy bore;
For we cannot help agreeing
that no living human being
Ever yet was blessed with seeing
                                                bird above his chamber door -
Bird or beast above the sculptured bust above his chamber door,
With such name as `Nevermore.’

これは第9節、鳥に名前を教えてくれと言ったら鳥が「Nevermore」と言った後に続くクダリ

鳥がこんなはっきりモノを言うとは、何か意味わからんけど、誰だってドアの上の胸像に「ネバモア」なんて名前の動物がいるのを見たらうれしくなっちゃうよね(意訳)

そう、「私」は明らかにこの鳥が気に入ったのだ
朝になったら出て行くだろな」と言うと鳥いわく「Nevermore
あ、こいつこれしか言えないんだ、きっと不幸な飼い主に教えられたんだなと理性的に考えながらも「Nevermore」の意味を思い、亡くなった恋人は二度と戻って来ない(Nevermore)と悲しむ「私」

もしやオマエは私に彼女を忘れさせようと神様がつかわされたのでは?と尋ねれば「Nevermore」当たり前(でもないかもしれない、これまだ3回目だから)
ギリヤドの香油はあるのか」「Nevermore
もうわかったんだからやめればいいのに学習能力ゼロの私「彼女は天に、神様の下にいるのか?」「Nevermore
ウソだ、さっさと出てけ、このバカ鳥」(意訳)「Nevermore」(ついに4連発)
鳥は胸像に止まったまま、悪魔の目で私を見ている、私の心はその影から抜け出せない(Nevermore)

どう考えたってこの鳥は神でもなければ鬼でもない、たまたま一つだけ英語をしゃべるタダの鳥だよね、これって笑うところじゃないのかなあ・・・・(相変わらず揚げ足鳥な読者の私)


サラ・ウォーターズ

2011-07-01 11:40:33 | インポート
荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫) 荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)
価格:¥ 987(税込)
発売日:2004-04-22

創元社の「私の一冊フェア」(こちら)は雑誌「ミステリーズ」の連載、ある程度まとまったのでフェアになったらしいのだが、記事になった本、全てに新たなオビをつけて売り出したわけではないようである、また売り出された本が記事と一致してないのもあった(たとえば雑誌で山本弘が推してた本は「時間SF」じゃなかった、これはこれで正解だったが)
雑誌には載ったのに売り出されなかったらしいものの一つがこれなのである(他にもあったかも、調べるのめんどう)、もしや「一冊」じゃなくて「二冊」あるからパスとか、そらないだろ?近所の本屋でみつけたので2冊まとめてゲトした(04年初版、よくぞ今までおいててくれた)、まだ前半だけしか読んでないけどフライング
この作者の作品、「半身」は前に読んだ、女囚に恋して駆け落ちしようとする令嬢のお話だった、何と言うか予想通りの結末、「まあ、これしかないわなあ」と思いつつもヒロインが(いかにも軽率だったんだから自業自得とはいうものの)ちょっと気の毒-と思った、印象には残った(いつ読んだかは忘れたが肝心なとこは一応記憶してる)が、すごく感心したというわけでもなかった

で本作は一人称のヒロインが二人交代で語る、語り手が変わると同じ事件がガラッと違うお話になるという構成、なるほどこれはちょっと冒険だね、「半身」の途中に女囚視点の語りを入れたらミステリでも何でもなくなっちゃうとこだった、だが今読んでるのが第二章、この後もう一度先のヒロインが語ることになるハズなので、このまま終わることはあるまい、わりと評価高い上に今度はハッピーエンドらしいから期待しようと思ってる、以下次号


女のあごひげ

2010-12-22 23:58:58 | インポート

前の記事「扉守」の終章に出て来る「絶対切れないヒモ」の材料、北欧神話で悪いオオカミをつなぐのに使われたから以後なくなったというものの一つ(他には「猫の足音、魚の息」・・・)

「女の口ヒゲ」は使われなかったからあることもあるのよね、たまには・・・あ、日付変わっちゃうから大急ぎでアップ


W杯決勝3日目

2010-06-29 09:45:09 | インポート

オランダとブラジルが順当勝ち(なんだろな、これ)、出だしこそ格下が勝ったり引き分けたりしてたが、ここへ来ておおむね正気に戻ったのじゃなかろうか、この2チームのどっちかと昨日勝った2チームのどっちかがホントの優勝戦をやることになるんだろね、たぶん

2つ残ってた北アメリカチームはもう消えた、8強あと2つのうち1つはヨーロッパと決まってる、残りの1つが南米になるかアジアになるか今夜決まるのだ、つまり完全に元の宇宙へ戻ったかどうかが・・・・・