怪食一家 支店

食い散らかして経験値を上げていきます。
トライアスロン・マラソンを通じた肉の引き締めも同時並行します。

人生初の、フルマラソン

2006-03-07 07:49:03 | Un dou kai

サル三月の五日ほど、篠山ABCマラソンにて人生初のフルマラソンに参戦してまいりました。思えば二年前、、、はこないだ書いたな。29にして痴呆か。とりあえず介護してくれる人を探さないと、うん。とまあ緊張感のない始まりだったり、もっとやせてから走れとかカーボローディングを勘違いしているだろうとか準備不足だろとかまあ識者の皆様からしたら色々突っ込みどころ満載だったりするんでしょうけど、それはそれでご承知の通りこんな人間なもんで、、、ええ。

で、行ってまいりました。午前九時現在摂氏二度という寒空の中。。。





ああ、スタート前の環境とスタート地点です。まあピーカン照りというか、山間の地の放射冷却でかるく寒い朝でしたけど、どうも昼過ぎには14度とかまで上がるんだとか。この時点ではことの重要さがわかっていないkeihさんだったりしていました。いやだって直射日光の下走るのは半年ほどブランクありまくりですが、こないだの夏に摂氏30度オーバーで湿度90パー越えの中トライアスロンやってしまったりしてたんで、多少の暑いやらなんやらはもうなんとでもなるやとの勘違い。実際のワタシはイニエスタ並みの色白くんだったりしてほんとに日光に弱いんですよっていったい何のモヤシのはなしだ。

現地には混雑するから早くこいとか脅されていましたんで、スタートの三時間前にすでに会場入りというまれに見る周到さ。エントリー8600人とかいう、ハーフとフルあわせて3000人そこいらな淀川マラソンとは比べ物にならない人の多さ。そんなこといってもまあ荒川の半分くらいなんでしょうけどね。それでもいわゆるマラソン大会については淀川以外はじめてでしたんで、こんなでも人の多さにすこしびっくりだったりします。

開会式には招待選手の有森さんとか来てたりしました。まあワタシもこんな人間なんで、二大会連続メダリストの人に会えてオーラを感じたのへったくれよりかついつい、元ゲイのだんなとはうまくいってんのかとかそんなことばっかり言いたくなるばかものだったりします。

スタートは、、もう人人人。何回も何回もその辺で小用足すな周りに迷惑だろというアナウンスが流れてましたんで、もうスタートぎりぎりに行ってたら、、、8600人の中の8000番目くらい、、というか列の最後尾クラスからのスタート。いいよ別に、とふてくされながらスタートの合図を、、、なんにも動きやしねぇ。

ということでいつもながらまわりくどく本題に入らない流れですが、ようやく以下まじめにレース記です。ちなみに、これからのタイム・ラップは全てネット(スタート地点からのラップ)です。いやだって全体スタートのときボタン押し忘れたんで、、、。


***

0-5km 29'53 HR/AVR141

列のうしろ、でもとにかく人が多いスタート。ペース上げようにも上がらない状況。まあ周り速過ぎるとつられてしまいますんで、適度なら、、、と思って1km地点でちょうど6分。しばらくこのペースならウォーミングアップには程よい感じ、かも。2km通過くらいできました、田舎の香水が漂ってまいりました。晴れやかで空気もよく、時折肥溜め臭。メトロセクシャルとは程遠いワタクシにはこれの方があってますがな。で、じりじりと照りつける太陽と程よいペースに軽く発汗開始。盛り上がってまいりました。0-5kmは1キロごとに表示があって、スタート時のペースつかむのに非常によかったです。淀川もこれで頼みますよ。


5-10km 27'57(total 57'51) HR/AVR152

上り下りすこしづつ混じり始めるコースとかすかにばらけ始める集団。上がりつつあるペースに飲み込まれないよう落ち着かせながらのラン。スタートがケツのほうだけあって、基本的にはほとんどが追い抜き。これしきのペースでも。なので調子に乗らないこと、だけを気にすれば、、、といいながら、足の付け根と膝がやっぱり気になりっぱなし。だからこそペースを上げずにゆっくりと、を心がけてすすめました。


10-15km 27'24(total 1:25'16) HR/AVR162

コースの見晴らしもよく、さらに追い抜きが進みつつあって非常に心地よい走り。なんでしょう、競馬で言うと追い込み馬って爽快なんだろうな、って実感する道中。はじめての給水が10kmでありましたが、けっこう喉渇いてました。まあ最初の給水がここだったんですが、「のど渇いてる状態」な時点でほんとはやばいんですよねほんとは。ちなみに、13km過ぎて丹波の黒豆茶が提供されました。きな粉の風味漂うすごくおいしいお茶でした。まあ舌覚が冴えてきていたのかもしれませんけど。


15-20km 28'03(total 1:53'19) HR/AVR165

このあたりから上り下りが増えてきます。自然とペースも乱れがちで、心拍数も上がってきます。このゾーンはいったんスタート近くに戻ってくる関係で、私設エイドが非常にたくさん。チョコもらったりしてほうばったり。そうそう、せんべいとかももらいました。声援も多く、走ってて楽しさを感じることができました。特に淀川なんてずっとクローズドの河川敷だったりしてこういう歓待なんか皆無なんで非常に新鮮です。しかしチョコ食ってるとのど渇いて仕方ありません。脱水といかないまでも、渇水な感じ。


20-25km 29'47(total 2:23'36) HR/AVR168

じつは、ハーフ通過時点で2:00'06というタイムでした。この時点で四時間切るのは無理だなと思いつつ、半分奇跡を起こしてやろうかと思う気持ちもすこしばかり。考えてみると力振り絞った淀川でネット1:55なタイムに対し、今回はまだまだ余力ありでこれな状況。とはいいながらここのラップは、若干心拍も上がり気味でタイムもオチ気味ですが、理由がありまして、、、いや24kmのエイドで篠山名産シシ汁なんか食ってまして、、。時間は一分ちょっと位なんでしょうけど。いやあきらめとかじゃなくてこのピーカンお天気。経験者の皆様はご存知かと思いますが、もう汗かきまくりで乾燥気候の中では両肩真っ白の塩ふきまくり。塩分がどんどん出て行っている中では、こういうかたちでも塩分補給って絶対必要になるんですよね。走りながら食うのは無理なんで、全身全霊をかけて一気食いしました。先ほども書きましたが敏感舌なんで、とてもおいしかったですよ。猫舌でないのが非常にありがたや、です。


25-30km 30'10(total 2:53'47) HR/AVR171

素で体力が目減りしていくのを感じたラップ、でした。まだまだ何にしても平気な自負はあるんですけど、心拍数もmax191とこんな走りしてると確実に体が終わってしまいます。タイム的にどうこうよりも、心拍計からの体の限界を感じ取らないといけないのに。そのためのハートレイトモニターだろうとゴール後時計みて後悔。なんというか、「無理をしている」状態だったんでしょうか。次に悪夢がやってきます。


30-35km 35'30(total 3:29'17) HR/AVR162

もうすこしづつあたりが冷え込み始めてますが、なんでしょう。30kmの壁とか喧伝されているのを聞いていましたが、ほんと急に力が入らなくなったというか。。。振り返ってみるとこの前のラップで無理しちゃってたのが原因なんだか。太腿が痛いのはしょうがないんですが、これを支える腹筋背筋がちょっとかなり疲弊してきたようでして、要は「踏ん張りが利かない」状態でしょうか。急激にタイムが落ち込んじゃってます。33kmあたりで私設エイドにて梅干をもらい塩分クエン酸を補給となりましたが、やっぱ梅一個くらいじゃ体を癒せない状況です。別にエネルギー切れでも何でもしょうがありませんけど、あれだけ米食ったのなんだったんだとかるく自問自答。汗もでなくなって、、、ってことはもう体もカラカラ、だったのかな。


35-40km 33'52(total 4:03'52) HR/AVR152

タイム心拍数ともに、もう惰性というかこれまでの流れにまかせるままっていう心身ともによろしくなくなってきました。補給してもスポンジの水思いっきり体中にかけてももう復活も何もありやしない。意地だけで脚を動かすだけ。そして、38kmくらいでとうとう脚がとまって歩きへ。脚の痛みはけっこうなレベルですが、歩けないとかピョンピョンしながらというわけでないのに。

まあ、「心が折れた」とでもいうのでしょうか。

これまでも、おれはチャリでガス欠間際になってもふんばったぜとか、日和佐でやられまくっても最後までがんばったぜとかそういう今までの経験を糧とした自尊心だけで重い体を動かしていましたが、それも潰えてしまいかかって、、、

もうだめなのか、と思って10歩ほど歩いた瞬間、涙が出てきました。

ゴールまでもう少しなのに諦めかかった弱い心への悔しさなのか、目標としていた四時間でのゴールがなくなったとはいえ、満足いく形での完走をと思って走ってたにもかかわらず気力が切れつつある自分が嫌になったのか。悲しいとか嬉しいとか感動したとは違う種類の不可抗力での涙。

そのとき、なぜか力がふと出てきてしまいました。いささかではありますが脚も軽やかになった気が。どこにそんなパワーの源泉があるのかわかりませんが、いわゆる最後の力を振り絞れと脳が指令したのかもしれません。そうでなければ30-35kmよりもタイムがよくなる理由がないなと思いますが、ともあれ今まで感じたことのない不思議な感覚を得ました。


40-fin 16'45 (total 4:19'54) HR/AVR153

といいながらそのパワーも雲散霧消で最後は歩くようにゴール、でした。ネットでこのタイム、でした。てことはグロスでは、、、伏せとこう。ラップ異様に遅くなってますが最後だけにご勘弁を。


ゴールして

完走のメダルをもらって首にかけて、とぼとぼと歩いて、スポーツドリンクもらって、、、普通は爽快感とかそういうものに包まれるんでしょうけど、三時回って急に寒くなりだして体から心にかけてドライになっていったというか。そのまままたシシ汁なんか飲んで、荷物をもらってさあ落ち着くか、という段になって、、、

まただ、また。どういうことか涙が流れてきてしまいました。今度はなかなか止まりません。

単に完走できたという達成感とか感動からか、それともなんとなく最後ぐだぐだになってしまったことでの悔しい思いからなのか、あるいは膝が悪く下手したら10kmもどうかという状態の中なんとかゴールまで持ってくれた自分の体への感謝からか。

そのどれか、もしくは全部か結局はわからずじまいでしたけど、とりあえず目深にかぶれる帽子があったことがよかったというか、そんな中しばらく周りの「お疲れさま雰囲気」に少しばかりふれつつレースを振り返っていました。


***

という四時間切るかなんかの目標にかすりもしない初マラソンでした。まあ無謀だとか準備不足だとかはありましたけど、なによりも怪我なく完走できた事実はもっともっと満足しないといけないことかもしれません。実際はレース終わってからしばらくの間、体のヘロヘロ感からもう二度と走るかなどとか思ってたりしてまして、ゴール直後のやったー感はよっぽど去年11月の淀川ハーフのほうがあったのも事実でして、、、。ただ、時間がたつにつれて今回は30kmまでは十分なペースでいけたことから、いずれ四時間切るのって決して無茶な壁じゃないのかなと思うようになりました。もう少しの努力、もう少しで越えられる壁をほったらかすなんてもったいない、というところでしょうか。そりゃやっとかないと、ねえ。そう考えるとまたすこしづつですが、やる気というかモチベーションが上がってまいりました。そして自分の中では、これでもかというくらい事前準備をやりつくして臨んで、その結果四時間切ったときにまた涙が流れるのか、それを確かめるまではやめられないな、というのがまあ総括になります。

今回のチャレンジは、人生のジャイアントステップにはならなかったかもしれませんが、絶対次こそはと心のモチベーションの灯が新たに燈った初春の一日、でした。またやりますよへへへ。

近いうちに、このレース結果(過程も含めて)を受けた今年のレース・トレーニング目標を再度洗い出してみようと思います。


(3/7 21:15 若干加筆しました)


コメント (10)
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