【経営コンサルタントのつぶやき】 ■ 紙が薄くなったことによる功罪
毎日の生活をボーと生きていますと、そうでない人が気づくことに気がつかず、機会損失を起こしてしまっていることがあります。
日常生活の中で、ふと思ったことを、エッセイ風にまとめてお届けします。
■ 紙が薄くなったことによる功罪
最近ティッシュの箱が小さくなったことに気づいていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。そのために輸送コストを削減することができているそうです。
なぜ、コンパクトにすることができたのかはあまり話題になりませんが、紙を薄くしても強度にあまり影響しないことが理由のひとつです。薄くても強度を保てる技術の向上に追うところが大きいのでしょう。
ところが、2枚一組が薄くなったこともあり、たとえば水をこぼしてしまったようなときに、緊急で拭おうとしますと、以前よりたくさんのティッシュを必要とするようになりました。鼻をかむなど、用途によっては複数組を要すようになってしまったのです。
また、あまり気づいていないのがティッシュのサイズです。これが小さくなったのです。
ティッシュのサイズは、かつてはJIS規格で決められていましたが、許容範囲が広く、メーカーにより差異がありました。また、サイズが大まかに2種、ボックス型とポケットティッシュとがありました。
昨今では、旧JIS規格の下限サイズを基準にメーカー同士で歩調を合わせているようで、かつてのサイズより一回り小さくなっています。
トイレットペーパーも、多くの市販品の厚さが薄くなっています。こちらは紙すきの技術に負うところが大きそうです。
髪を薄くするだけではなく、伸張度が強化されているので引っ張る力に強くなりました。その特性を利用して、固く巻くことにより、1ロールにたくさんの紙を巻いても、最終商品としての直径は変わらないことから、最近は長尺巻のトイレットペーパーも出てきました。従来の1.5倍の長さを巻くことができるようになりました。
中には4倍巻というトイレットペーパーもあります。交換の回数が少なくなりますので、とりわけ業務用としては、利用するメリットが大きいと言えます。
トイレットペーパーと技術的にはロール状するという共通点のある製紙法の新聞用紙も紙を薄くすることができるようになりました。輸送コスト軽減だけではなく、軽量化、コンパクト化されますので、新聞配達をする人の負荷も減るというメリットがあります。
一方で、高齢化しますと手指に脂が少なくなるために、新聞紙を確実にめくることが困難になってきました。指を舌で舐めてページをめくる人が増えてきているのではないでしょうか。<笑い>
同じようなことが牛乳のカートン容器でもいえます。高齢者は握力、とりわけ指先の力が弱くなっていますので、落とさないように必要以上に力を入れて、牛乳容器をギュッと持ってしまいます。そのために容器が潰れ、中味が飛び出してしまうことがあります。
経済化や効率化も良いのですが、高齢者のことも考慮に入れて欲しいと願っています。