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子どもの貧困は大ウソでは

2015年09月01日 08時48分58秒 | その他
 子どもの6人に1人は貧困と言う話を最近よく聞きます。貧困は子どもの将来の芽を摘む事になりますので深刻な問題であると思います。しかし6人に1人はあまりにも多いと誰もが思って居るのでは。何も貧困対策に反対なのではありません。

 子どもの貧困が言われる根拠は「相対的貧困率」と言うものらしい。調べてみたら可処分所得を世帯の構成人数の平方根で割った数字、これを等価可処分所得と言いますが、その等価可処分所得を順に並べた際の中央値の半分以下を貧困とみなして、全体に占める割合を示すのが相対的貧困率とされています。

 それによると日本国民の6人に1人が貧困で、何も子どもに限った事ではなく、国民全体も子どもも同じ傾向、と言う事は大人も6人に1人は貧困と言う事になりますが、信じられますか。

 等価可処分所得ではピンと来ませんので、普通の可処分所得に直して見ます。平成21年の等価可処分所得の中央値は244万円、その半分の貧困ラインは122万円になりますから、世帯の構成人数が1人なら世帯の可処分所得は122万円、2人なら122万円にルート2(=1.41)をかけて172万円、3人ならルート2(=1.73)をかけて211万円が貧困ラインの世帯の可処分所得となります。確かに額的には少ないと思います。

 ところで日本では生活保護の制度があります。受給者数は2,266,382人、生活保護受給率は人口の1.70%、世帯数で言うと1,598,818世帯(いずれも平成26年2月分)になります。

 子供(あるいは国民)の6人に1人(=16.7%)が貧困と言うのが本当であれば、生活保護制度は必要な10分の1にしか適用されていない事になります。

 生活保護を受けるには福祉事務所の厳重なチェックがありますから、生活保護に関する数字は内容的にも計数上も精度が高いと思います。(受給資格が有っても生活保護の受給を希望しない世帯もあると聞きますので、必要とする世帯はもっと多いだろうとは思います。)

 相対的貧困率における貧困ラインの決め方には問題があると思います。例えば次の三つ。

 一つ目は貧困ラインを実際の調査に基づいて決めたのではなく、統計から導き出した点。貧困は机上で決めるものではなく、実情を見て決めるべき。国により何をもって貧困と言うのかは違うと思います。

 二つ目は等価可処分所得の中央値の半分が貧困ラインと言うのは決め方がいかにも粗雑。中央値が高い国と低い国とでは事情は違うと思いますし、貧富の差が大きい国と小さい国でも違うと思います。

 三つ目は等価可処分所得を求める際に世帯人数の平方根で割ると言う点。各人にかかる経費を見積もる上で、上に例を示したように2人なら1人の場合の41%増、3人なら同73%増、4人なら同100%増と一律に決めている事になります。計算が容易なので採用されているものと思いますが、厳密さを損なっていると思います。

 多分、相対的貧困率は国どうしの比較を行なう際には統一的でそれなりに意味が有ると思います。しかし、日本の問題を論ずる際には別。検証もせずに相対的貧困率の数値のみを見て政府の失策と言わんばかりに騒ぐのはどうかと思います。

 世の中には貧困ビジネスと言う低所得者を食いものにするいかがわしい商売があったり、被災地での雇用創出を看板に予算を使い込んだ悪質極まりないNPOの実例があります。今回も、子どもの貧困対策は表向き、陰で「子どもの貧困ビジネス」で大儲けを目論んでいる人や団体があるのではないかなと言う気さえします。うがち過ぎであれば幸い。


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