ヴァイオリンとフルートのRio

ヴァイオリンとフルートに取り組んでいます。

ヴァイオリンで不思議に思うこと(7)

2011年02月25日 09時30分07秒 | ヴァイオリン
 ヴァイオリンは温度や湿度の変化にデリケートと言われます。私が通った教室でも、実際にある生徒さんの楽器が夏場の温度上昇により板がはがれたと聞きました。でも、こういう事故は、頻繁に起こるのでしょうか?

 温度上昇により板がはがれるのは、接着剤が軟化し接着力が低下することもありますが、材木の反る力との関係もありそうです。ヴァイオリンの側板は熱で曲げて作るのだそうで、歪が残っていると元に戻る力が働きそうだし、表板や裏板が温度上昇により反って来れば、はがれやすくなりそうです。

 側板などの曲げ加工については良く知りませんが、曲げた状態で長時間保持すれば、歪が除かれるでしょうし、板の反りは、十分に寝かせた材木を使うことにより避けられそうですから、注意深く作られた楽器なら、板がはがれる事故はあまり起こらないのではと思います。

 湿度の影響もよく言われます。ヴァイオリンは湿度が高い日本には向かないという説もありますが、空調を利用し、不使用時にはケースに収納すれば、大丈夫そうです。また、逆に冬場は乾燥によるトラブルがあるとも言いますが、湿度が下がっても、木材が持つ水分は一定以下にはならないと聞きますので、乾燥のために板がパリンなんて言うことはめったに無さそうに思います。

 温度や湿度以外に光の影響もありそうなのが、表面の塗膜の経年的劣化です。ヴァイオリンの塗装に使われる塗料は、恐らく、伝統的な家具の塗料と似たもので、樹脂としては天然樹脂が使われ、着色には染料が使われているのだろうと思います。いずれも、長期的には劣化が避けられませんが、家具と同様、日光に当てて使うものではありませんので、ふつうの使用であれば、差し支えが無く、とは言え、経年的に色は褪せるし、塗膜は摩耗して薄くなります。

 ヴァイオリンを弾く人はおおらかで、むしろピッカピカの新作は肩身が狭いくらいであり、多少変色しようと摩耗しようと、貫禄とみなされて価値が上がるというものです。

 ヴァイオリン以外の分野の塗装は今やスプレー塗装が主流で、塗料も合成樹脂系の塗料、中には紫外線硬化性のものもあります。塗料の設計の自由度も大きいですから、塗膜の硬度、耐光性、耐候性などの向上も図れますが、伝統的なヴァイオリンからは離れてしまいそうです。量産品の場合なら新しい塗料も使えそうな気がしますけれど。

にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする