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透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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青年へのメッセージ・読書『わたしは日本軍「慰安婦」だった―日本にも戦争があった』

2009-09-23 21:47:59 | 戦争と平和
わたしは日本軍「慰安婦」だった―日本にも戦争があった〈3〉
李 容洙,高柳 美知子
新日本出版社

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 本書の最初に、京都市東山にある「耳塚」のことが言及される。日本人には、すっかり忘れられた史跡だが、韓国からの観光客がひっきりなしに「耳塚」に訪れ、黙祷をするという。「耳塚」とは、豊臣秀吉が朝鮮出兵という侵略行為を行ったときに、日本の兵士が戦功の証拠にと、討ち取った朝鮮半島の軍兵や農民の鼻や耳を切りそぎ、樽に塩漬けにして日本に持ち帰り埋めた塚のことである。侵略した側は簡単に忘却に至るが、侵略された側の記憶は決して消えることがない。侵略者は、いともように自己の蛮行を忘れ去るものである。そして、豊臣秀吉の場合も、そうした面をそぎ落とした立身出世物語は人々の好むストーリーとして伝えられていく。

 同様に、日本がアジアの国々を侵略したことも、「侵略された」側の記憶に配慮することもなく、都合の良い歴史観に書き換えられる危険がある。特に、最近の自由主義史観に基づく教科書を巡る各自治体での採択にその傾向がみられる。

 軍事的性奴隷というべき従軍慰安婦の記述が歴史教科書から消されたのも、危険な傾向の中の動きであった。埼玉県の上田知事の「従軍慰安婦」は無かったという発言等、また、横浜市の前市長のもとでの教育委員の選任問題は、同様に一部の自治体で起こっている。教育委員に自由主義史観の立場をとる人物を選ぶことが、教科書採択問題につながっていく。扶桑社・自由社の二つに分裂して出版された歴史教科書は、産経新聞が誇っているように、確かに前回の採択と比べて1パーセント台後半になる模様である。まだ、多くの自治体では、偏ったこれら2社の教科書が採択されていないが、引き続き、警戒は怠らないようにしなければいけない。民主党のマニュフェストでは、自公政権化の文部科学省の教科書採択は教育委員会の権限と責任でしろとの通知とは違い、教職員や保護者の意見も反映するように、学校ごとの採択への段階的移行がうたわれた。この公約が実現されるように、国民としての監視は怠れない。

 本書は、15歳の時に、従軍慰安婦とされた李容洙(イヨンス)さんの証言である。儒教の影響の強い韓国では、過去に従軍慰安婦であったことを告白することは、大変な覚悟がいることであった。その時の記憶が、彼女たちのその後の人生に暗い影を落とし、結婚できなかった女性も少なくなかった。覚悟を決めて証言を始めた女性たちも、高齢のために次々と世を去って行った。彼女らの証言を残すことも重要な作業となった。本書は、日本の青年に対して、従軍慰安婦制度の背景となる歴史の記述とともに、李さんの貴重な証言が収められた。

 なお、日本では、従軍慰安婦の存在を否定しようとする勢力が存在する。ブログの中にも、当時の朝鮮は日本と比べて劣った国なので、日本による併合によって近代化が為されたなどとの投稿を続けているものもある。その中には、明らかに朝鮮の助成を蔑視するものがあり、日本により善導されて当然だとするとんでもないものもある。また、ある女性「文化人」は、外国人による慰安婦のおかげで、日本の婦女子が助かったなどと発言をしている。まずは、歴史をしっかりと見据えることが必要である。
 彼女が、兵隊から暴力を受け、仕置小屋の入れられた時に助け出した日本人の特攻隊員の話が記憶に残った。

 追記:劣った文明を指導してやるという思い込みは、歴史上、侵略する側の理屈となってきた。これこそ、大きなお世話である。
 その独善性を、寓話的に読み取ることができる小説に「モスキート・コースト」があった。ホンジュラスのジャングルに文明を持ち込もうとするアメリカ人の独善的な発明家。それに絡むアメリカ人宣教師。この作品は映画化もされた。
 日本の侵略行為を正当化したい人にぜひ、読んでもらいたい作品だ。直接には、国家が別の国家を侵略する話ではないが、独善性の持つ狂気を知ることが出来るだろう。

モスキート・コースト
中野 圭二,村松 潔,ポール・セロー,Paul Theroux
文藝春秋

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モスキート・コースト(1986) - goo 映画モスキート・コースト(1986) - goo 映画

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新型インフルエンザ関連、気になるニュース

2009-09-23 13:35:00 | 病気


 連日のように新型インフルエンザのニュースが流れている。子どもの重症化による死亡例も伝えられ、厚労省の適切な対応策と、個人への必要な情報の提供が求められている。

 新型インフルエンザワクチンの接種は、優先順位などが決まったようであるが、接種費用に関しては、全国一律の方針が決まったようだ。

新型インフル、ワクチン費用を全国一律に(読売新聞) - goo ニュース

 毎年行われている季節性インフルエンザワクチンの接種同様、保険診療ではないので、接種費用は自己負担となる、
 なお、季節性インフルエンザワクチンは、費用が医療機関ごとに異なる。新型インフルエンザに関しては、厚労省は接種を請け負う医療機関に金額をあらかじめ示す方向で検討し、地域や施設で格差が出ないよう配慮する方針である。

 その場合、自己負担額が2回接種で6000~8000円程度になる。ただし、生活保護世帯など低所得者は負担を軽減する。10月下旬から、まず医療従事者に接種し、次に基礎疾患を持っている患者などの優先順位の対象者から始めて来年3月までに計約5400万人に打つ方針ということである。季節性インフルエンザワクチンの接種も受ける必要性が高いが、その費用も含めて、今年は、インフルエンザワクチンの自己負担の合計額が馬鹿にならない。家族全員で接種した場合などの、かなりの負担になりそうだ。

 65歳以上の高齢者や、基礎疾患を持っている患者には、新型インフルエンザに罹患した場合の、重症化防止対策として、肺炎球菌ワクチンの接種が有効かもしれない。
 自治体レベルで、吉富町が70歳以上の住民に対しては、肺炎ワクチン接種を無料とするとのニュースがあった。
 
 厚生労働省案によると10月下旬から出荷が始まる新型インフルエンザワクチン接種には(1)医療従事者(2)妊婦と基礎疾患(持病)のある人(3)1歳から就学前の幼児‐などの優先順位を設ける計画で、健康な高齢者の順位は低くなる見込みであるために、吉富町では、後回しにされそうな高齢者の不安解消の軽減を図ることも考慮しての独自の対策をとった。

吉富町 肺炎ワクチン無料化へ 新型インフル対策 70歳以上に(西日本新聞) - goo ニュース

 肺炎球菌ワクチンも、接種した場合の自己負担額が7千円から8千円ぐらいになるかも知れないので、自治体による助成がない限り、インフルエンザワクチンの自己負担額と合計した費用は、かなりの負担となる。高齢者夫婦の場合、2倍の負担となり、生活保護より低い国民年金や障害基礎年金の支給額で暮らしている場合なども、家計に及ぼす影響が大きい。

 アメリカで行われた新型インフルエンザに関する治験結果では、9歳以下を除いて、ワクチンは1回接種で、かなりの免疫がつくということである。1回の接種で済めば、世界的に不足しているワクチンの確保に有効に働く見込みだ。

9歳以下はワクチン接種2回=新型インフルの臨床試験結果-米(時事通信) - goo ニュース

 日本では、ワクチンの接種は2回を予定しているが、厚労省で1回接種も検討とのニュースもあった。

新型インフル、1回接種も検討=季節性と同時も可能-厚労省(時事通信) - goo ニュース

 年内に用意できる国内産ワクチンは最大約1700万人分と限られていて、大幅な不足量であるが、1回接種になれば2倍の人が接種できることになる。倍量の確保を目指して、10月中旬に国内産ワクチンの治験の中間報告もまとめた時に、厚労省はこの報告や他国の方針を参考に1回の接種で済むかどうか検討する予定。輸入ワクチンについても、国内外の治験の結果を基に方針を決めるという。

 なお、例年行われている季節性インフルエンザワクチンの接種に関して、厚労省は新型インフルエンザの国内産ワクチンと、季節性インフルエンザワクチンの同時接種は、医師が認めた場合は可能とした。ただ、新型インフルの輸入ワクチンは、国内では使用されていない免疫補助剤(アジュバント)が添加されていることから、当面は同時接種を差し控えることが望ましいとした。新聞報道によれば、もう、外国からの新型インフルエンザワクチンの輸入に、副作用の問題がクリアされない限り、反対するグループの活動が報告されていた。彼らは、不足分に対してどうするつもりなのであろうか。彼ら自身、ワクチンの接種を拒否するのだろうか。
 
 透析クリニックでも、まだ、肺炎球菌ワクチンの接種を行っていない患者に接種をするように呼びかけ、接種の準備を進めている。
 新型インフルエンザワクチンと季節性インフルエンザワクチンの同時接種が行われるかどうかは、今度、クリニックの医師に聞いてみたいと思っている。透析患者は、健常者と比べると、大幅に免疫力が低下しているので、同時接種が問題ないかどうかを。 

 今回の報道で、一番の気になった問題点は、接種の自己負担額の大きさである。

日記 / つぶつぶ亭から新しい仲間

2009-09-23 00:21:04 | 日記
 久しぶりに、鈴木ちささんの新しい作品がやってきた。以前は、八王子で開かれるアートムーチョで買うことができたのだが、何年か前に鈴木ちささんが、活動の拠点を下田市の「アトリエ&ギャラリー つぶつぶ亭」に移されてからは、コレクションに新しい仲間が来なくなった。HPで、今回、お気に入りの作品に出会えた。なお、つぶつぶ亭では、オーダーも受け付けているのだが、イメージを考えるのが難しいかな。

「降りてくるしずく」という名前。蕗の形のお皿には、小さな顔も付いている。このお皿には、ミニキャンドルやお香が置けるらしい。

 いい顔しているな。そう、1点だけ前に落として割れてしまった。なんとか接着剤で折れた両足を付けたが、手の指の破片が消失。でも、笑顔で今もパソコンの上に座っている。ごめんなさいね。