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透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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自閉症の早期発見に関する気になったニュース『自閉症児、「低脂血症」の傾向…判定基準に有効』

2012-08-03 20:44:46 | 障害
自閉症児、「低脂血症」の傾向…判定基準に有効(読売新聞) - goo ニュース

 2005年に「発達障害者支援法」が、我が国でやっと施行された。発達障害の社会的理解は、まだまだというのが実情であろう。自閉症が代表とされる発達障害は、先天的なものであり、その程度も軽い障害から重い障害へと連続した形の中で理解されるもので「広汎性発達障害」あるいは「自閉症スペクトラム障害」という言い方は、障害の連続性による。

 人口の1~2%が自閉症やアスペルガー障害を発現するとされている。一般的な障害の特徴は、社会性の障害、コミュニケーション能力の障害、こだわり行動の存在等が挙げられるが、連続体のどこに位置するのかで、それぞれの障害の現れ方は違ってくる。その場の空気が読めなかったり、相手の感情が読み取れないなど、定型発達の多数派の人とは違った世界に住んでいる、或いは世界観を持っている行きづらさを感じている少数者と評価することも出来るのではないか。
 異文化に暮らす彼らが、自分たちとは違う世界のルールを学ぶ上で、早期の支援教育が必要とされる。(我が国で、発達障害の子どもたちへの支援教育が始まったのは、2007年のことであった)。

 今回のニュースは、早期の自閉症の発見に、血中の中性脂肪やコレステロール濃度が判定基準として使えるのではないかという研究結果に関するもので、興味深い内容であった。

「自閉症の未成年者には、血液の脂質濃度が通常に比べ約2割低い「低脂血症」が多いことが、浜松医科大の松崎秀夫特任准教授(分子精神医学)の研究で分かった。」

 「自閉症児174人と、通常の180人を比べたところ、自閉症児の方が、血液の中性脂肪とコレステロール濃度が低いことが分かった。」

 「この結果を基に、血中の中性脂肪濃度を自閉症の判定基準として使った場合、8歳以下では自閉症児の約8割が該当し、検査として有効なことが分かった。」

 診断基準であるとともに、この現象の解明が、自閉症の原因の解明にもつながる可能性も指摘された。

都心ホームレスの3割、知的障害の可能性 医師ら調査/気になるニュース

2010-05-18 02:01:13 | 障害
都心ホームレスの3割、知的障害の可能性 医師ら調査(朝日新聞) - goo ニュース

 民間団体のよる調査で、都心のホームレスの3割が知的障害者である可能性がある可能性があることが、判明しました。また、精神疾患者も4割の割合である可能性も指摘されています。

 また、法務省の最近の調査では、刑務所に収容されている触法障害者の存在も問題となっています。そちらの方が、ようやくと対策の必要性が認識された来ました。本人も、自分が知的障害者であることに気がついておらず、福祉行政と厚生行政のはざまで、万引きや窃盗という軽犯罪を繰り返し、逮捕、刑務所への収監ということが反復されたいた当事者の存在がようやくと社会に認識されるようになってきました。当事者の家族も、そうした事情を把握していないことも少なくないということになります。こうした当事者が、刑期を終えても、制度のはざまにいることから、社会復帰もうまくいかず、ホームレス生活のあげく、またもや、食べるための万引きや窃盗を再び行ってしまうケースが報告されました。

 今回の、調査もそうした触法障害者の存在とも連動するような気がしました。
 
 おそらく、ホームレス生活を送っている知的障害者は、自分でも、また、社会も、彼が知的障害を追っていることに気がつくことなく、福祉制度の外側に長年置かれていたと推量されます。福祉制度が行き届かない人々がいると認識が、問題解決の出発点となることを示唆した調査結果でした。

『池袋駅周辺で路上生活を送る人たちを支援する研究チーム「ぼとむあっぷ」が、昨年末に調べた。本人の同意が得られた167人を対象に面接調査や簡易知能検査をした。平均55歳で全員男性。最終学歴は小学校が2%、中学校が56%だった。

 その結果、軽度の知的障害がある人が28%、中度の障害の人が6%だった。知的障害が軽い人の精神年齢は9~12歳程度で、ものごとを抽象的に考えるのが難しい。中度では6~9歳程度で、周囲の助けがないと生活が難しい。

 精神科医の診断で19%にアルコール依存症、15%にうつ病が認められるなど、41%の人に精神疾患があった。 』

ダウン症に関与か 候補遺伝子を倍以上発見 東北大グループ/気になるニュース

2010-05-06 00:34:31 | 障害
ダウン症に関与か 候補遺伝子を倍以上発見 東北大グループ(河北新報) - goo ニュース

 地方紙の河北新報に載った重要な研究成果に関する情報である。
 
 遺伝子に原因が存在する障害に関する研究は、いつに成るか分からないが将来の遺伝子治療のスタート地点となるものである。

『ダウン症に関与する遺伝子の候補を従来の2倍以上見つけることに、東北大大学院生命科学研究科の牧野能士助教(比較ゲノム学)とアイルランド・トリニティ大の研究者が成功した。マウスなどの実験を通じて実際に関与する遺伝子と特定されれば、ダウン症の早期発見や治療手法向上の研究に応用が期待されるという。成果は4日、米科学アカデミー紀要電子版に掲載される予定。
 ダウン症は人間の21番染色体が1本増えることにより発症。出生率は1000人に1人とされる。この染色体の中にある遺伝子で発症への関与が分かっているのは16遺伝子にとどまる。
 進化の過程では通常、遺伝子が複製されたり削除されたりする。牧野助教らは脊椎(せきつい)動物の遺伝子系統をさかのぼり、人間の遺伝子とホヤや魚類などの遺伝子を比較。遺伝子数の増減に着目し、解析した。
 その結果、すべての遺伝子情報を一度に複製したときにできる「全ゲノム重複遺伝子」には、遺伝子数が増減しにくい特殊な遺伝子「量的均衡遺伝子」が多く存在することを突き止め、病気に関係する遺伝子が多く含まれることが分かった。
 21番染色体を調べたところ、40の全ゲノム重複遺伝子を発見。この40は量的均衡遺伝子である可能性が高く、うち12遺伝子はダウン症への関与が判明している遺伝子と一致していた。残る28も発症に関与している可能性が高く、候補遺伝子と考えられるという。
 牧野助教は「候補の遺伝子を突き止めたことにより、ダウン症の発症を検証していく手掛かりになる」と話している。

[量的均衡遺伝子] 最適な遺伝子の数が厳密に決められている遺伝子。一般に遺伝子の重複や削除は有害でも無害でもないとされるが、量的均衡遺伝子の場合は重複や削除によって生物に有害な影響を与えるとされる。そのため多くは病気にかかわっていると予想される。』

障害年金 受給後の結婚・出産にも加算/気になるニュース

2010-04-24 01:06:45 | 障害
【ゆうゆうLife】障害年金 受給後の結婚・出産にも加算(産経新聞) - goo ニュース

 現行の国民年金法のもとでの制度においては、障害基礎年金の受給を開始する時点で、配偶者や子どもがいる場合にだけ、年金額に加算される仕組みであった。この制度については、障害者団体から、障害者は結婚や出産をしないという偏見が前提にある制度であるとの批判がなされたきた。障害者が、結婚をして、子どもを産んでも、加算制度が適用されないという適用における差別が続いていた。
 21日に参院本会議で、「障害年金受給開始後に結婚、子どもが生まれた場合にも加算対象となる」という改正国民健康法が全会一致で成立した。施行されるのは、来年4月からとなる。

 政権交代前に、与党だった自民党のプロジェクトチームでは、障害基礎年金の等級を、現行2級を1級に、1級を特級に支給額を増額することが検討されていた。今後は、障害者基礎年金の受給額の増額が期待される。

犯罪に追い込まれる障害者たち/『累犯障害者』

2010-02-23 02:18:53 | 障害
 昨年のNHK教育テレビの福祉ネットワークで、触法障害者の存在が取り上げられた。刑務所に服役中の受刑者の中に、少なくない割合で知的障害者が含まれているという驚くべき内容であった。服役するまで、周囲を含めて本人も自分が知的障害者であることを認識することもなく、障害者手帳(愛の手帳)も交付されていないものが多いのである。従って、服役に至るまで、社会福祉の恩恵を受けることもなく、出所後も、更生施設から拒否されるような形をとることになる。刑務所内でも、知的障害者に対処する専門家はおらず、「更生」ということもなされることがなかった。福祉からも、刑事政策からも見捨てられて存在であった。服役するにあたっても、万引きや食い逃げなどの軽微な犯罪を犯すことが多い。裁判にかけられれば、刑事責任能力を問われることもないのだろう、窃盗や詐欺罪が認められてしまう。福祉制度からも外れているので、出所後も、空腹のあまり、また、同様の犯罪を起こし、服役。こうした事を、繰り返して年をとっていくケースも少なくない。そして、挙句の果てには、刑務所の方が、一番暮らしやすい居場所と認識するようにすらなるのである。

 法務省と厚生労働省の連携もずっと、とられることがなかった。

 こうした、障害者と犯罪に関するタブー扱いされてきた実態を明らかにし、法務省と厚生労働省に、福祉と刑事政策の連携を働きかけ、始動させたのが、本書の著者の山本譲司氏である。現在は、八王子の福祉施設のスタッフとしても活躍しているかと思う。

 マスコミで、殺人事件などが犯人逮捕まで大きく報道された後、急にぴったりと報道が止む時がある。それは、容疑者が障害者であることが判明したための事が多いのである。しかし、マスコミは、そうした事態の報道をタブー視し、障害者と犯罪の関係を社会に問うことを放棄してきた。こうしたことも、社会に、認識されることがなかった要因の一つである。
 売春に利用される女性の中に、知的障害者が含まれていることも、報道されることがなかった。
 また、1995年の刑法40条の削除により、それ以後、ろう者の犯罪者が刑務所に収監されるケースも目立ってきた。ろう者がろう者に犯罪を犯す例や、ろう者だけの暴力団の存在もあるという。
 本書では、ろう文化との聴者の文化の違いから起こる悲劇についても言及している。

累犯障害者 (新潮文庫)
山本 譲司
新潮社

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獄窓記 (新潮文庫)
山本 譲司
新潮社

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重い肝臓機能障害、身体障害者手帳交付の対象になる/障害者関係情報

2010-02-16 00:21:22 | 障害
 現在、内部障害者に身体障害者手帳が交付される場合は、次の、一定の条件を満たす次の対象疾患の場合である。
 ・心臓機能障害 ・腎臓機能障害 ・呼吸器機能障害・ぼうこう直腸機能障害・小腸機能障害・免疫機能障害

 これらの対象疾患に加えて、4月から、認定基準に該当する肝機能障害者と肝臓移植を受け、抗免疫療法を実施している者も、身体障害者手帳交付の対象者となった。

 肝障害の患者に対する身体障害者手帳の交付は、肝臓病患者団体の要望運動と、薬害肝炎訴訟全国原告・弁護団が肝炎恒久対策の一環として要請していた運動の成果といえる。後者の運動を反映して、手帳の対象には薬害肝炎の患者も含まれる。
 厚労省は、3万人から5万人の対象者を見込んでいる。

 身体障害者手帳の等級は重い順に1級から7級まであるが、肝障害については腎臓疾患などほかの内部障害と同様に1~4級に位置付ける。手帳を取得すると、障害福祉サービスや税の減免、交通機関の運賃割引などが受けられるようになる。一定の要件を満たせば、自立支援医療(更生医療・育成医療)や、心身障害者医療費助成、心身障害者福祉手当等の対象となる。

 東京都の場合を紹介する。
 
 障害者手帳の申請手続きは、2月1日から、居住の区市町村の福祉事務所等の担当窓口で受け付ける。申請のためには、90日以上の間隔をおいた2回の検査結果が必要である。なお、3月31日までに第1回の検査を受け、7月末までに手帳を申請した患者についていは、4月1日付で手帳を交付する。

 手帳認定基準や、医師の診断書・意見書様式は、次のHPを参照のこと。

東京都福祉保健局HP

 なお、厚労省では、「薬害肝炎の検証及び再発防止に関する研究班」(分析研究者・片平洌彦東洋大教授)による実態調査の結果が9日に発表された。
 血液製剤「フィブリノゲン」投与によりC型肝炎に感染した被害者で、裁判所に薬害被害者として認定された1197人のうち、患者844人、患者遺族52人の回答によるもの。
 病気を理由に、仕事を辞職または転職を余儀なくされた人が、33%にも上っていることが分かった。医師による指導や、体力が続かなくなったことが理由となっている。
 治療費の自己負担は、約半数が100万円を超えていた。
 また、社会の病気に対する偏見や差別に苦しんでいる実態も明らかにされた。
 なお、遺族が肝炎感染の原因が薬害であったことを知った時期については、死亡後と回答したケースが6割に上っていた。

「制度の谷間」の障害・高次脳機能障害の当事者集会の記事を探して

2010-01-26 01:45:31 | 障害
 障害者自立支援法では、精神疾患の人たちも法律の対象となったことは、この法律の少ない成果の一つでしたが、いわゆる「制度の谷間」に置かれてしまった人たちもいました。障害者自立支援法がフォローしなかった人たちです。難病・発達障害・高次脳機能障害を持った人たちは、法律に記載されることもなく、したがって十分な支援制度の外に置かれてしまいました。

 難病に関しては、身体障害者手帳が交付される内部障害者は限定されており、心臓機能障害、 呼吸器機能障害、じん臓機能障害、ぼうこう又は直腸機能障害、小腸機能障害、免疫機能障害に限定されています。私達、透析患者はじん臓機能障害ということで、手帳が交付されます。交付までは、患者団体の要求運動がありました。それ以外の難病患者については、厚生労働省の難病指定がなされない場合、治療費の自己負担が大きい、研究機関への予算が付かないなどの不利益が生じます。

 発達障害を持つ人と家族の会は、先日、鳩山首相宛てに、障害者基本法の審議会に、発達障害の関係者の参加を申し入れました。

 高次脳機能障害に関しては、まだ、社会の認識が深待っているという段階ではなく、発達障害同様、障害者基本法に取り上げられる必要性があります。

 24日に、川崎市で、交通事故や病気で脳を損傷し、記憶力喪失や感情のコントロールができなくなった高次脳機能障害者をどう支援するのかを考える集いが開かれました。このニュースは、「しんぶん赤旗」にしか載っていませんでした。ネットを調べても、この集会を取り上げたニュースはありませんでした。
 
 ただ、朝日新聞が高次脳機能障害の啓発のための講演会を開いたニュースは、朝日新聞の24日付けに記事が載っています。日本発達障害者ネットワークが、政府の「障がい者制度改革推進会議」への参加を求めたニュースの隣に載っていました。朝日新聞社等の主催の講演会で、このことも大切な取り組みではありますが。

「高次脳機能障害に理解を」専門家ら招き都内で講演会(朝日新聞) - goo ニュース
 
 以下がその記事の内容です。

『「高次脳機能障害を理解する 私たちにできること」講演会(朝日新聞厚生文化事業団、朝日新聞社主催)が23日、東京・有楽町朝日ホールで開かれ、突然、交通事故などで脳を損傷した人たちをめぐる話に満員の約700人が聴き入った。

 帝京平成大教授の中島恵子さんが「高次脳機能障害の理解」と題して講演、自転車事故がもとで新しいことが覚えられない障害を持った青年と周囲との交流を描いた映画「ガチ☆ボーイ」のメーキングビデオが上映された。続いて、北京パラリンピック自転車競技の金メダリスト石井雅史さんと国立成育医療センター医師の橋本圭司さんが対談。石井さんは当事者の立場から理解を訴えた。

 同講演会は2月28日、大阪市西区の大阪YMCA会館でも開かれる。』

 大阪でも開催されるそうです。こうした啓発の催し物などを通して、社会の理解が深まることが、絶対に必要です。なお、この障害に関する映画の存在も知ることができました。

 さて、最初の当事者集会のニュースに戻ります。当日は、140名の参加があったそうです。主催は、脳外傷者や家族などで組織する実行委員会。

 「しんぶん赤旗」の記事をまとめてみます。

 『仙台市のNPO法人ほっぷの森理事長に白木福次郎さんが、様々な学習・訓練と、レストラン「ぴすた~り」での実際の仕事を通じて一般就労を目指す取り組みを報告。福祉とビジネスの両面で支援を考えていく必要があると発言。
 「ぴるた~り」で働く郷家さん(38)が、適切な訓練とサポートがあれば、高次脳機能障害者でも働き生活する能力を高めることができる事を広く伝えたいと訴えた。
 白木さんと郷家さんの二人に、神奈川工科大学教授小川義道さん、神奈川リハビリテーション病院の大橋正洋さん、瀧澤学さんがくわわった報告と討論も行われた。
 その中で、家族と同居している当事者が82.9%(昨年全国調査)で、家族への包括的サポートも必要であること、障害者自立支援法に高次脳機能障害の記載がなく制度の改善が求められていること、一般就労だけを目標にせず、当事者の状況に応じた支援目標が大切なことなどの意見が出された。』

 一般紙も、こうした当事者の取り組みを積極的に報道を通して、社会の紹介してもらいたいものです。
 また、朝日新聞の講演会の取り組み等が、今後も積極的に行われることを希望するものです。

「障がい者制度改革推進会議」に発達障害の当事者を―日本発達障害ネットワーク/気になるニュース

2010-01-24 10:15:26 | 障害
「障がい者制度改革推進会議」に発達障害の当事者を―日本発達障害ネットワーク(医療介護CBニュース) - goo ニュース

 政権交代により、日本の福祉制度の歴史を大幅に後退させたといわれる障害者自立支援法の廃止が宣言されている。そして、この悪法に変わる障害者基本法の制定に向けての方向が決まった。
 
 新法制定のための政府の「障がい者制度改革推進会議」のメンバー24人のうち14人は、障害者と家族である。しかし、障害者福祉においては、今まで、制度の谷間にいることで、十分で必要な福祉サービスを利用出来ない人々が少なくなかった。発達障害者も、そうした制度の谷間にいた。障害者自立支援法に代わる障害者基本法には、制度の谷間をなくすことも目的とすべきものである。しかし、同会議のメンバーには、支援の不十分な発達障害の当事者が参加していない。

 発達障害のある人や家族達が約十万人で組織する日本発達障害ネットワークは1月22日に、厚生労働省内で記者会見を開き、政府の「障がい者制度改革推進会議」に発達障害の当事者や関係者が構成員として参加していない事は非常に残念であるとして、同会議の委員として参加を求める要望書を鳩山首相宛てに提出した。

『席上、同ネットワーク理事で政策委員長も兼務する辻井正次・中京大教授は、発達障害を持った児童・生徒が通常学級だけに限定しても全国に約68万人いる可能性があるなどと説明した上で、「発達障害は(各種の障害の中でも)おそらく最も人数が多いグループ。推進会議の構成員から外されているのは大きな問題だ」と指摘した。
会見に先立ち、同ネットワークのメンバーは、障がい者制度改革推進本部の本部長を務める鳩山由紀夫首相あての要望書を民主党の副幹事長室に提出した。
障がい者制度改革推進会議は、障がい者制度改革推進本部の下部組織。有識者や障害の当事者で構成されており、障害者基本法の抜本的な改正や「障がい者総合福祉法」(仮称)の制定などに向けて議論を進めているが、発達障害の当事者は参加していない。』(医療介護CBニュース)

 制度の谷間に置かれてきた発達障害をはじめとする障害者の声を反映できるような、十分な配慮が政府には求められる。

テレビ番組視聴『ろうを生きる難聴を生きる 今 震災体験を語る』

2010-01-10 23:39:04 | 障害
 1995年1月17日、阪神淡路大震災が起こった。今年で15年目に当たる。
6000人を超える方が亡くなり、全壊・半壊の家屋は46万世帯に及んだ。多くの被災者は、避難所生活、仮設住宅での生活を余儀なくされた。
 その時に、不自由な避難所生活に加え、障害故の苦しい体験を送ることになった。聴覚障害者もまた、コミュニケーションの問題に由来する多くの苦難の経験をすることになった。震災時の、障害者の二重の苦労に社会も注目するようになった。番組では、『阪神大震災・聴覚障害を持つ主婦の体験 紫陽花 まき著』を出版した神戸市の永江真樹さんが出演して、本の中でも触れらている家族との避難生活を手話で語った。

 永江さん一家は、アパートの2階に生活していたが、地震で建物が破壊され、下の階に住んでいた3人が亡くなっている。
 永江さんの家族は、ろうの夫婦に、聴者の2人の子どもがいる。震災当時、子どもが情報を知らせてくれたが、なかなか状況を把握するのが困難であった。
 近くの小学校で、半年の避難所生活も送ることになるが、放送による情報提供だけが行われたために、食事支給についての情報も入らず、並ぶ列はいつも最後尾で、食料がなくなってしまったこともあった。また、家族全員が並んで1食ずつ受け取るという指示が伝わらずに、家族4人分の食事を要求しても、1食分しか支給されない時もあった。そんな時は、1食分を子ども2人に食べさせ、親は空腹を我慢した。
 中でも、番組を観ていて驚いた事件は、仮設電話の使用に関して起こった。避難所の電話を使用するためには、列の中で順番を待つ必要があった。しかし、電話の中で、ファックス機能が付いたものは1台だけであった。永江さんが列に並んで、自分の順番が来た時には、普通の電話が空いただけであった。そこで、ファックスの出来る電話の方へ進んだ所、他の人間達から「欲張り」と怒られた。その時に、息子さんがいて、聴覚障害者はファックスを使う必要があると説明しても、人々の怒りは収まらず、見知らぬ男性が駆け寄ってきて怒鳴りながら永江さんの左肩当たりを殴り、彼女は倒れた。これを見ていた息子さんは、恐怖で震えていたそうだ。
人間の無理解が生みだす心と腕力による暴力の事を知って恐ろしくなった。その場にいた人々は、誰一人、こうした暴力を止めようとはしなくて、共犯となってしまっている。
 仮設住宅での、永江さん一家の生活も、やはり、コミュニケーション手段が保障されていなかったために、苦労の多いものであった。お茶飲み会がたびたび開かれたが、参加者に高齢者が多く、永江さんが筆談しようにも、目が悪くて読むことが困難であった。折角、仲良くなろうという気持ちからの参加であったが、手話通訳者もいなかったために、それ以後は、お茶飲み会に参加することもなかった。仮設住宅での生活の各面で、手話通訳者の派遣等が保障されていれば、コッミュニティーに積極的に参加出来たのに。

 今、永江さんは、本を通して、震災時の聴覚障害者の置かれる2重の不自由さを社会に伝えようとしている。最も大切な事は分かりあえること、永江さんはそれを伝えようとしている。

阪神大震災・聴覚障害を持つ主婦の体験
紫陽花 まき
文芸社

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自閉症者のセクシャリティ/『自閉症者が語る人間関係と性』

2010-01-09 00:31:07 | 障害
自閉症者が語る人間関係と性
グニラ ガーランド
東京書籍

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 障害者とセクシャリティの問題も、人間として大切なものであるが、現場をはじめ、セクシャリティだけを、障害者の生活から切り離して臆している向きがある。
 七生養護学校事件での、実践的な「こころとからだ」の授業に対する、保守主義に凝り固まった一部の都議会議員とと教育委員会の不当な介入と攻撃は、全国的に、教育現場の性教育の実践の動きを後退させてしまった。
 2006年12月に国連総会で採択された障害者の権利条約には、次のような条文がある。
 「私生活、家庭及び家族の尊重」
 ・障害を持つ人々は自由に、自己の責任において子どもの数及び出産の間隔を決める平等の権利を有する。また、この権利を行使するために必要な情報、教育、方法などへのアクセスも確保されなければならない。
 ・性も含めた豊かな人間関係の形成は、一人ひとりの人間としての尊厳を大切にするゆとりのある生活の中でしか達成できません。

 さて、本書の著者であるグニラ・ガーランドは、自らも自閉症者であり、今まで、あまり取り上げて来なかった自閉症スペクトラム障害とセクシャリティの問題を、本国スウェーデンでの自閉症者からの聞き取りをもとに、探究している。他国の制度にも触れている。

 自閉症者のセクシャリティも、個人により異なり、周囲の支援も、その違いを良く把握してから、本人の意向も尊重して理解する必要がある。
 また、性的に問題があると思われるケースでも、実際は、原因が性に関するものではないことの指摘も重要である。
 要は、支援者は、当事者に関する情報をしっかりと把握し、出来るだけ、当事者の気持ちや声を尊重することである。
 セクシャリティだけを取りだすのではなく、自閉症スペクトラム障害者の生活の中の行動を関連して位置づけることが要求される。

 本書では、実際に役立つようなケーススタディが載っている。しかし、まだ、この問題は、端緒についたばかりで、実際に現場で働く支援者には、普段からセクシャリティの話題をすることすら少ないようで、今後の課題をなっている。

 大切な事は、自閉症スペクトラム障害は、アスペルガー障害も含めて、極めて個人的な違いがみられるので、全てを対象とするマニュアルは存在しないということである。

 今後の、自閉症者へのサポートと、当事者の学習面などに有意義な内容を含んだ本書である。

自閉症の脳、神経機能が低下=PET画像で確認、世界初-浜松医大など/気になるニュース

2010-01-05 21:40:50 | 障害


自閉症の脳、神経機能が低下=PET画像で確認、世界初-浜松医大など(時事通信) - goo ニュース

自閉症、脳内の神経の働きと関係-浜松医科大(医療介護CBニュース) - goo ニュース

毎日新聞 該当ニュース

 自閉症については、その言葉から社会では誤解する向きが強い。ひどい場合は、親のしつけや、本人の性格の問題と誤解されている。自閉症は発達障害の一つで、「相手の気持ちが読めない」「自分の気持ちを伝えられない」「強いこだわりを持つ」などコミュニケーションや社会性の低下が特徴。程度や症状には幅があるが、小学生以下では50~100人に1人の割合で患者がいると推定される。原因は特定されておらず治療法もないため、「育て方が悪い」などの誤解が今も根強い。

 自閉症にも、様々なタイプが見られるので、個々の人によってユニークさがあるのは当然である。また、連続した自閉症スペクトラムとして理解されている。

 自閉症スペクトラムに含まれる機能障害は、社会性の障害(他人が何を考え、何を感じているかについて一瞬で理解することの困難さ)、コミュニケーション能力の障害(自分の気持ちを伝えられない)、興味関心や活動範囲が狭く、行動が反復的でステレオタイプ化しやすい(こだわり行動)の3つの症状を持ち合わせている。
 原因は特定されていないが、先天性の発達障害とされ、生まれつきの脳の中枢神経の障害に由来するものと考えられている。治療法もなく、小学生以下では50~100人に1人の割合(罹患率1~2%)で患者がいると推定されている。診断のつかない軽度の人まで含めるとその5倍~10倍になると推定されている。

 今回のニュースでは、自閉症の人の脳では感情などを司る神経の機能が低く、十分に機能していないことを、『森則夫浜松医大教授らの研究チームが脳画像を基に証明し、5日、米専門誌「精神医学アーカイブス」に発表した。研究チームの中村和彦同大准教授は「脳障害の仕組みを明らかにしたのは世界で初めて」としている。』と報じられた。

 研究チームは、18歳~26歳までの薬物療法を受けた事のない男性自閉症患者20人と、健常な男性20人の脳を、研究目的に限定した専用の陽電子放射断層撮影(PET)で撮影した。分析の結果、うつ病にも関連する神経伝達物質セロトニンを伝える神経(感情などを伝えるセロトニン神経)の内部で、セロトニンの運搬を担うたんぱく質の機能が、自閉症の人は健常者より30%程度低いことが判明した。中でも他人の気持ちを推し量る部位などでの機能低下が目立った。この機能が低いほど、他人の気持ちが分からなかったり、特定の物事にこだわったりする症状が強かった。このように脳内に障害部位があることが明らかになった。

 また、セロトニンの神経が弱ると、別の神経伝達物質ドーパミンを伝える神経が活発化することも判明、自閉症の人の感情が不安定なこととの関連が考えられるという。

 自閉症の原因については、関連する遺伝子が複数指摘されており、チームはこれらの遺伝子の異常が、今回分かった神経の障害を起こしている可能性があるとみている。

 以上のように、ニュースは分析結果の内容を伝えているが、今後、自閉症の予防、治療につながることを期待する。

 また、こうしたニュースにより、社会の自閉症に対する理解が深まることも期待される。そして、支援体制の充実が早急に求められる。

「幻聴妄想かるた」と「露地」を読んでみる

2009-12-27 00:46:50 | 障害
 学生の頃、統合失調症が精神分裂病と呼ばれていた時の少年の手記を読んだことがあった。『病める心の記録―ある精神分裂病者の世界 (中公新書 (153))西丸四方』である。今は、絶版となってしまったが、当事者が見た世界を描いたものであった。病気の内側からの記述であり、その不思議な世界の展開には驚かされた。
 今でも、本棚のどこかにしまってあるはずだ。また読もうにも、探すのに一苦労しそうだ。

病める心の記録―ある精神分裂病者の世界 (中公新書 (153))
西丸 四方
中央公論新社

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 東京世田谷区にある精神障害者共同作業所「ハーモニー」が障害者の幻聴や妄想の体験を一般の人に理解してもらおうと、昨年10月に「幻聴妄想かるた」を制作し、販売したところ、看護の専門誌で取り上げられ、看護・福祉の大学から注文が相次ぎ、教材としても取り上げられている。







 毎日新聞でも、取り上げられた。また、NHKのローカルニュースでも取り上げられた。かるたを通して、精神障害者の事をもっと多くの人に知ってほしいとの期待が込められた作品である。

精神障害者「幻聴妄想かるた」ユーモア交え理解促す 毎日新聞、毎日jp

 『かるたは「弟を犬にしてしまった」という読み句に「弟が犬に見えて、左側をずっと歩かせていたそうです。それにしてもやさしい弟さんですね」という解説文を付けるなど、幻聴や妄想をユーモアで包み、親しみやすい形にした。』(毎日新聞)

 かるたには、「露地」という小冊子が付いてくる。「ハーモニー」の利用者12人の体験談が収められている。彼らの言いたいことの中に社会の偏見があった。事件が起こる度に、精神病者の事がクローズアップされる現状の異常さについてである。決して、危険な存在ではないということを、強く訴えている。

 当事者が、ミーティングを重ねて、読み札を考え、絵札も描き、印刷し、箱詰めした貴重な作品である。

 なお、「露地」という名前のつけ方も、とてもしゃれたものであった。是非、実際に手にとってお読みください。

 かるたの遊び方も4通り紹介されている。今は、かるたを読み、描かれた絵を眺めるだけだが、機会があったら、実際に知り合いと遊んでみたい。

 当事者が発信する声を聴くことのできるかるたである。

予約販売開始 ハーモニーのサイト 申し込みはこちらから