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透析関連ニュース切り抜き帳『腎臓病の悪化促す細胞を特定 東北大研究グループ』

2013-07-07 01:13:22 | 透析

腎臓病の悪化促す細胞を特定 東北大研究グループ(河北新報) - goo ニュース

 透析の導入患者は、いまだ増加の傾向にあり、透析医療費の額も大きなものとなっている。導入平均年齢は約68歳となり、現場では通院送迎の問題や、ターミナルケアの問題、介護と医療の問題等、高齢化に伴う新たな課題に直面している。また、透析導入原因疾患では現在は糖尿病が1位となっている。

 透析患者は、社会によって生かされている。しかし、この点に気付かない患者も少なくなく、導入時にあたかも「自然に、当然に」手厚い医療制度を利用できるように感じている。患者の生活の質=QOLを上げるための運動を続けてきた患者団体には、彼らは入ろうともしないか無関心を示す。無関心から、さらには、一部のネット利用者の使う「既得権益」という言葉を使って攻撃するケースもある。患者運動は、今、大きな展開店に差し掛かっている。今後は、社会貢献という形で、行政に医療費に関して積極的な提言をしたり、透析患者の個々の質の向上のための啓もう活動を行う必要が大きくなっている。そして、何よりも透析導入を回避するためのCKD(慢性腎臓病)対策に当事者として参加することが求められている。いまや、我が国の成人の8人に1人(1330万人)が慢性腎臓病患者となっている。この中でも、合併症の予防と共に、予備軍を含めた糖尿病患者への働き掛けが有効に行われるならば、糖尿病性腎炎に至る患者の数を減らすことは、リアルに可能性が高い。しかし、慢性腎臓病になってしまった場合、破壊された細胞が復活することのない不可逆性の疾患として、血圧や食事の管理により、透析導入の時期を延ばす保存期療法が中心となり、最終的には透析に至るケースが多いのではないだろうか。診察室の中で、慢性腎臓病の患者に十分な指導を行うことは、診療報酬の面からも難しい面を持っている。

 今回の研究では、慢性腎臓病を悪化させる原因の一つとして、腎臓内において、血液の赤血球を作るのに必要な赤血球造血ホルモン(エリスロポエチン、「EPO」)を生み出す細胞が、炎症により性質変化を起こすことが判明したとされる。腎臓は尿を排出するだけの機能を有しているわけではない。

『 研究グループは遺伝子改変マウスを使用し、片側の腎臓の尿管を縛って炎症を起こさせてEPO産生量などを調べた。
 その結果、腎臓病を発症した腎臓はEPO産生機能を失った細胞が悪玉化。コラーゲンを増やして繊維化を促したり炎症物質を大量に発生させたりし、腎臓病を悪化させることが分かった。 』

 今回の研究では、抗炎症薬の投与で、性質変化を起こした細胞が元の機能を取り戻す可能性も示している。『縛った尿管をほどき投薬で炎症を抑えると、細胞のEPO産生能力が正常値近くに戻った。繊維化も回復するなど細胞は善玉化し、環境に応じて性質を変化させた。』 

 EPO産生細胞の炎症による性質変化のコントロールにより、慢性腎臓病の治療法の可能性が高まったようだ。また、1歩進んで、腎移植や透析療法に代わる治療法の可能性も出てきたという研究に関するニュースであった。透析患者の数を減らすための情報として切り抜いておく。CKDの不可逆性を打ち破ることができる時が早まることを切望する。



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