トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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やっぱ愛ダホ!2010新宿●セクシュアル・マイノリティって知ってる?

2010-05-17 13:25:40 | 多様性
 今日は何の日?
 5月17日は、国際反ホモフォビアの日(International Day Against Homophobia, IDAHO/アイダホ)。1990年5月17日に世界保健機関が同性愛を国際疾病分類から除外した日である。性の多様性を考える日。

やっぱ愛ダホ!2010新宿01●セクシュアル・マイノリティって知ってる?


やっぱ愛ダホ!2010新宿02


やっぱ愛ダホ!2010新宿03





障害ある人・ない人、共同生活の家誕生 東京・恵比寿/気になるニュース

2010-04-19 17:21:44 | 多様性
障害ある人・ない人、共同生活の家誕生 東京・恵比寿(朝日新聞) - goo ニュース

 障害のある人も、ごく普通に地域社会で暮らすことのできるノーマライゼーションの社会が、日本にも実現したらいいなと思う。そのためには、ハードと、地域の人々の障害者観の変化が求められる。
 今回の試みは、軽度の知的障害者と一般の人が一緒に暮らすというもので、しかも、東京都内の一等地に作られた「家」であることが注目されるものである。今までは、施設も郊外に作られることがほとんどで、グループホームも、障害者とその支援者・施設のスタッフから構成されるもので、地域の住民とも接点のないものが少なくなかったのではないか。
 今回の「家」は、地元企業が社員寮のあった所を壊して、新築の建物を建てて大家さんとなっている。木造3階建て、個室8室のほか共用キッチンやリビングを備える他建物は、賃料は6万9000円~7万3000円(敷金2カ月、礼金なし)という条件で、立地条件からしても、障害のない人にも魅力的な条件となっている。原則、自分でやれることは自分ですることになるが、できない時は、健常者のサポートを求めることができる。共同生活を続けることで、助け合うことも自然な感覚となるものと思われるが、まずは、試行錯誤してみることが、よりよい関係の構築につながるのだろう。
 最初の第一歩の試みが、ハード面ではよい条件で始まったことは、ある意味でラッキーなことであった。この試みが成功して、全国各地に同様の共同住宅が作られるようになることを切に願うものである。
 
 『軽度の知的障害のある人と障害のない人が一緒に暮らすことを条件にした「家」が、東京の真ん中に完成した。世話役のスタッフを置かず、住民の支え合いで自立を目指す珍しい試み。障害者の住まいの選択肢を増やし、多様な人がふつうに住む社会を目指したNPO「ぱれっと」(東京都渋谷区)の宿願に、地元企業が一等地を提供した。

 家の名は「ぱれっとの家 いこっと」。渋谷区の東部、恵比寿駅から徒歩8分の場所にある。3階建てで、6畳程度の居室が八つ。台所や風呂などの水回りと居間、ダイニングは共有だ。洗濯機や冷蔵庫も備え付けをみんなで使う。今月中旬から知的障害者2人と健常者4人が入居を始めた。ぱれっとの活動に参加する障害者やボランティア、公募に応じた人たちだ。』

『厚生労働省の2005年の調査では、地域で暮らす知的障害者の23%が軽度だ。ぱれっとの谷口奈保子理事長によると、多くは親と住み、身寄りがなくなると、グループホームやケアホームに移る。

 しかし、「少しの支えがあれば地域で自立する素質があるのに、親や施設職員が世話を焼きすぎて、自立の機会を奪っているケースがある」という。「施設に障害者だけ固まっている社会は不自然。いろいろな人がかかわりあうことで生まれる活力は、地域再生にもつながる」

 いこっとの敷地には、昨秋まで建築資材製造の「東京木工所」(本社・渋谷区)の社員寮があった。ぱれっとの構想を聞いた同社が、寮を取り壊して新築し、大家になった。家賃は採算ギリギリの月7万円前後の設定で、一部は管理費としてぱれっとに渡す。渋谷区は、低所得の障害者が入居した場合に最高2万円を家賃補助するなど、独自の支援策を決めた。

 谷口理事長は、「地価の高い都市にハウスをつくるには、企業の協力を得るのが大切。協働のノウハウも自治体やほかのNPOに伝えて全国に広めたい」と話している。』

『じりラブ』 2月26日出版予定/ゲイの世界のトリセツかな?

2010-02-15 01:05:54 | 多様性
 アメーバ―のブログで大人気の、うたぐわさんの『『【漫画】♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です』が、単行本になって、集英社から、2月26日に発売予定です。
 性的マイノリティからの、大きな情報発信の一つなので、このブログで紹介しようと思いました。予約受け付けも順調のようです。
 内容については、次のように書かれていました。
 

 『内容紹介
1日10万アクセスの人気ブログ『【漫画】♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です』が本になったのでございます!

愛があるけど、じりじりする。じりじりするけど、愛はある。そんなゲイカップルの“愛”と“笑い”と、そしてちょっぴりの“涙”を全ページに込めてお届け。キモオモロクてちょっとエッチだけど、とってもピュアで、すごくドタバタな等身大の物語です♪

ゲイでリーマン、ときどきオカンキャラに変身する主人公・うたぐわ(著者)を中心に、恋人(♂)とのボケ&ツッコミ満載な同棲生活、濃すぎる仲間たちとの爆笑濃縮率1000%のエピソード、ゲイ友達とのコントのような日常、ノンケvsゲイの戦いを描いたサラリーマンライフetc. すべてが実話! やらせなし! セクシャルマイノリティーの著者が、新宿2丁目の中心で愛を叫ぶ感動のエンディングまで全編書き下ろしです!!』



じりラブ
うたぐわ
集英社

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 アメーバ―ブログの方で、紹介したら、光栄にも、邪悪な女子連合(JJ連)の女工作員特別認定証をいただきました。男女問わず、「女」工作員だそうです。うたぐわさん、ありがとうございました。出版したら、また、感想などを描いてみたいと思っています。


中国初のゲイ大会、警察介入で直前中止/気になるニュース

2010-01-17 23:54:37 | 多様性
中国初のゲイ大会、警察介入で直前中止(朝日新聞) - goo ニュース

 LGBTに対しては、歴史を見ると、弾圧の対象となったマイノリティという姿が浮かび上がってきます。
 ギリシア時代や、キリスト教以前のローマ時代では否定されることはなかったようですが、キリスト教や政治により、また、精神医学でも、かつては異常性愛と理解されていたこともあり、社会的に認知されるまでは、現代も含めてまだまだ時間が必要のようです。
 
 人権としての側面もある問題ですが、中国での今回の動き、ゲイの人々が、表舞台に出る、カムアウトする動きがあったことは、驚くと同時に、勇気のある行動でありましたね。

 ニュースでは、『北京市内で15日、初めて中国の男性同性愛者が「公式」に集う大規模な大会が企画されたが、開始直前に乗り込んできた警察によって「違法な集会だ」と中止させられた。大会を機に差別や偏見をなくしていきたいと言っていた人々に対し、当局が実力行使でストップをかけた。

 「ミスター・ゲイ・ページェント」と題し、大きなバーの一角で8人の出場者から世界大会出場者を決めるもので、観客として200人以上の同性愛者が詰めかけた。中国の英字紙も事前に好意的に取り上げたが、ネットでは出場者への中傷も目立った。

 主催者によると、開幕1時間前に当局者が来て「集会なのに許可がない」と中止を決めた。「集会でなくパーティーであることはみんな知っている」と反論したが一方的に解散させられた。出場するはずだった北京市の会社員は「中国の同性愛者は小国の人口よりも多い。中止は残念だが、無理解を恐れずゆっくりとイメージの改善を世界に訴えていきたい」と話した。』と報じられています。

 キューバ映画に、かつて「苺とチョコレート」というゲイの男性と、彼が慕うけれども、友情以上には進まない共産主義青年同盟の男性との関係を描いた作品がありましたが、このニュースを読んで、その映画の事を思い出しました。ゲイの男性は、キューバという国を愛しているのですが、結局は、アメリカに行くことになるという寂しい内容の映画でした。
 現在は、キューバの状況はどうなっているのでしょうか。

 中国も、LGBTの人たちの権利が認められる国になればいいのですが。
 
苺とチョコレート [DVD]

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相次ぐ子供の転落事故「悲劇繰り返すな “横暴”バス釣り人、異例の大量検挙」 /気になるニュース

2009-06-29 11:27:35 | 多様性
相次ぐ子供の転落事故「悲劇繰り返すな」 “横暴”釣り人、異例の大量検挙(産経新聞) - goo ニュース

 最近になって、在来種の保護ということが強調されるようになりました。植物でも、河原に増殖を続けているハリエンジュ(ニセアカシア)も、駆除対象の外来植物に指定されたようです。河原の植生も、一昔と比べてだいぶ様変わりしてしまいました。繁殖力の強い外来種のおかげで、在来種が存亡の危機に置かれている場合が少なくなく、このままでは、生物界の多様性も失われかねない状況に置かれています。

 今回、報道されたニュースは、立ち入り禁止のため池に不法侵入するブラックバスの釣り人を、警察が地元の要望を受けて、大量検挙したというものです。

 この事件の背景には、ブラックバスが規制・防除の対象とする「特定外来生物」として指定されていることがあります。2005年6月より施行された「外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)」により、ブラックバスのうちオオクチバスおよびコクチバスの輸入、飼養、運搬、移殖を、原則として禁止するされていますが、その法律の中での指定です。この法律には、罰則が付いており、違反した場合、個人には3年以下の懲役や300万円以下の罰金、法人には1億円以下の罰金が科されるということになっています。

 今回、問題となったため池をはじめとして、日本中の湖沼でブラックバスの繁殖が確認された場所は、一部の悪質な釣り人によるブラックバスの放流が問題の発端となっています。

 漁業協同組合の持つ漁業権が認められ、合法的に放流されている自然湖は、日本では4か所だけしかありません。神奈川県の芦ノ湖、山梨県の河口湖、山中湖、西湖の4 湖だけで、それも条件付きの漁業権です。放流は許可されていますが、生きた魚の持ち出し禁止、流出河川にバスが逃げ出さないよう網を設置する等の措置をとることが条件となっているわけです。他に、オオクチバスが認められている管理釣り場がありますが、やはり、他に拡散しないような措置が義務付けられています。
 新潟県、琵琶湖のように、条例で在来種を保護するために、再放流を禁止するにいたった県や湖もありますが、やはり、環境省による前期法律の成立が大きな意味を持っています。
 バスフィッシュングを楽しむ釣り人のマナーが求められるということを喚起するニュースでした。在来種保護や、漁業との共存ができるといいですね。


絵本セミ『神さまのお告げ―アイヌの昔話より』

2009-06-20 20:34:19 | 多様性
セミ神さまのお告げ―アイヌの昔話より (日本傑作絵本シリーズ)
宇梶 静江
福音館書店

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 最近、日本が朝鮮を侵略した時に、日朝同祖説なるものが出現したことを知った。
国家主義者が、侵略行為を認めさせるためには、例の日本単一民族説も捨てることがありうるという事実を知って、ある意味驚かされた。

 本書は、日本の先住民族アイヌの昔話を、宇梶静江さんが再話して、古布絵(こふえ)というアイヌ刺繍の文様と縫物の手作業から生まれた独自の手法で描かれたものです。とても、素晴らしい作品でお話を一緒にアイヌの世界を表現しています。
 昔話は好きです。アイヌのこのお話も、6代を生きたおばあさんが、津波を予言するけれども、信じた村と信じなかった村の運命などは、色々な民族のお話にも共通するものかもしれません。本当は、歌で語られるお話を聴ければ、独特のリズムも感じられると思いますが、この絵本を声を出して読んでみても、少しはリズム感を楽しむことができると思います。おばあさんは、海の神の怒りをかって、六つ地獄におとされますが、セミ神さまになって再生します。ここでも、セミが六年間土の中にいるという「六」という数字が関係しています。
 自然と共生してきた豊かなアイヌ文化に是非、触れてみてください。

 宇梶静江さんのプロフィールについては、本書の最後の方に書かれています。「
『1993年北海道浦河郡生まれ。20代で上京、働きながら苦学。その後結婚、2時の母親となる。次々に頼って上京してくる同胞のめんどうをみながら、1972年、朝日新聞の投書欄に「ウタリ(同胞)よ、手をつなごう」と呼びかける。これが反響を呼び、関東圏のアイヌ復権運動の草分けとなる。同時にアイヌであることを伏せて暮らす同胞の反感も呼び、古脳の日々の始まりでもあった。』以前、朝日新聞の夕刊のアイヌについての連載でも取り上げられています。なお、俳優の宇梶剛士さんは、静江さんの息子さんです。

多文化・環境共生型野外フリーイベント「みんなちがってみんないい」

2009-05-31 20:21:29 | 多様性
 今日は、多文化・環境共生型野外フリーイベント「みんなちがってみんないい」に行ってきました。電気はソーラー、食器はリユースというエコな要素が加わり生まれ変わって第2回目のイベントでした。外国人・障害者もみんなで楽しむイベントです。天気のほうは、雨が時々降ってくるなか、イベントは進められました。
 各作業所も参加、エスニックの店もたくさん出ていました。
 八王子市聴覚障害者協会も手話体験コーナーを設けました。隣では、八王子視覚障害者福祉協会による点字の体験コーナーが開かれていました。

 パフォーマンスも伝統芸能から、ゴスペルやバンド演奏など2つのステージで熱演していました。

 ケグリの朝鮮農楽は、サックスも入っての新しさも取り入れたものでした。



 ナッカユスは、朝鮮大学校で学ぶ大学生の伝統音楽バンドです。
朝鮮学校の運営に関して、東京都では地元の八王子・小平・西東京・青梅の各市を除いて助成金を支給しています。八王子市で朝鮮学校への助成金を実現する会からの呼びかけと、朝鮮学校の歴史を示す写真パネルの展示もありました。



 会場では、アジア・南アメリカ各国の料理を楽しめます。珍しい民族料理の体験ができます。



 地元の磯沼牧場からは、子牛も参加。羊の毛刈りの実演も行われました。



 何故か、レインボーフラッグも風に、はためいていました。


 お土産は、前に書いたアイスプラントの苗などのほかに、バリ島の木彫りの空飛ぶ猫と空飛ぶカエルを買いました。大きさは、猫も等身大かな。


 日本には、たくさんの外国の人々が住んでいます。排外主義ではなく、それぞれの民族の事情をお互いに理解しながら、仲良く共生していかなくてはと思いました。
 身障者も、当たり前に社会で生活できる世の中を目指して、「共に生きる」社会の実現を目指したいですね。
 今日のようなお祭りは、そんなことを自然に考えることのできる有意義なイベントでした。
 時間の都合で、エイサーやアイヌの伝統芸が見られなかったのが残念でした。

17日「国際反ホモフォビアの日」性の多様性を

2009-05-24 15:53:02 | 多様性
 先週の5月17日は「国際反ホモフォビア(IDAHO)の日」だったそうです。
アイダホというと、ジャガイモの産地を思い出しますが、International Day Against Homophobiaの略語です。ホモフォビアというのは、同性愛に対する嫌悪を意味しています。ちょうど、マチズモに対応する言葉かも知れません。マチズモは男性優位主義でマッチョという言葉に通じます。ファシズムを支えている思想で、フェミニズムなどの考え方に敏感に反発します。ナチの収容所には、多数の同性愛者が収監され殺害されています。ホモフォビアはファシズムの社会への浸透を知る上での尺度となります。性教育にも否定的で、純潔教育にこだわりますが、某政治家のごとく、愛人がいたりして言行不一致というのも目を引くところです。
 
 さて、5月15日が「国際反ホモフォビアの日」になった理由は、1990年5月17日に世界保健機関(WHO)が同性愛を国際疾病分類(疾病リスト)から除外された日だからです。それまでは、同性愛は異常性愛とされてきました。以前の広辞苑でも、同性愛の項目には、異常性愛と説明がなされていました。

 日本でも、「Idaho-net」というグループが全国10か所で街頭アピールをしたそうです。4年目の取り組みだとのこと。世界50か所でのアピール活動があったそうです。先進国の中でも、日本はまだまだ、同性愛や性同一性障害などの性的マイノリティ(GLBT)への社会的理解は進んでおらず、差別も解消されていないようです。性的マイノリティは、人口の3%から10%は存在しているといわれています。
40人学級で、少なくとも1人はいる計算になります。

Homophobia Chumbawamba


Idaho-net ブログ 


読書。性的マイノリティとして生きる「自分をさがそ。」

2009-05-08 21:58:41 | 多様性
自分をさがそ。―多様なセクシュアリティを生きる
杉山 貴士
新日本出版社

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 1990年に起こった「府中青少年の家事件」。東京都府中市にあった青少年のための宿泊研修施設では、利用する各団体が自己紹介をするルールがあった。「動くゲイとレズビアンの会」(アカー)も、他の団体に対して「同性愛者同士が互いに知り合い、正確な知識を学びあい、社会での差別や偏見をなくす活動をしている」といった内容の自己紹介をした。他団体から、「あいつらホモだぜ」と聞えよがしに言われたり、風呂場をのぞかれたりといった嫌がらせの行為を受けた。アカーは、管理者に対して、是正の要望書を出し、話し合いの場をもってもらったが不十分であった。他団体の理解を得ることもできなかった。その後、再度、同様の合宿を青年の家で行うために利用を申し込んだが、今度は、宿泊自体を拒否された。同施設を管理している東京都教育委員会は、「青年の家では、いかなる場合でも男女が同室で宿泊することを認めていない。……同性愛の場合異性愛者が異性に対して抱く感情・感覚が同性に向けられるのあるから……複数の同性愛者が同室に宿泊することを認めるわけにはいかない。」という旨の教育長コメントまで出し、利用を拒否した。このことを認めれば、今後一切、同性愛者の団体は、同性愛者であることを理由に公的宿泊施設を利用できなくなる、また、その背後にある差別からの人権侵害は是正されないということから、アカーは、翌年に東京都を相手に損害賠償請求訴訟を起こした。この裁判では、旧態依然の都側に対して、アカーは様々な専門家を証人に立てて、裁判を闘った。日本で初めての同性愛者の人権を問う裁判であった。
 1994年に出された東京地裁の一審判決では、利用拒否を違法とし、都側の全面敗訴となった。「性行為を行う具体的な可能性がなければ利用拒否はできない、同性同士のセックスの目撃の可能性は低く、想像しても有害ではない、嫌がらせをする団体の利用拒否の理由にしかならない」との判断が出された。1997年の控訴審の東京高裁の判決でも、アカーは全面勝訴した。「平成二年当時は、一般国民も行政当局も、同性愛ないし同性愛者については無関心であって、正確な知識もなかったものと考えられる。しかし、一般国民はともかくとして、都教育委員会を含む行政当局としては、その職務を行うについて、少数者である同性愛者をも視野に入れた、肌理の細かな配慮が必要であり、同性愛者の権利、利益を十分に擁護することが要請されているものというべきであって、無関心であったり、知識がないということは、公権力の行使に当たるものとして許されないことである。このことは、現在ではもちろん、平成二年当時においても同様である」、従って「都教育委員会にも、その職務を行うにつき過失があったというべきである」。この同性愛者の人権が認められる判決を得るためには8年間を要したが、この運動の結果は、社会への認識を深める大きなきっかけとなった。この裁判の第1審・第2審判決の時に、著者である杉山氏は当事者の一人として在籍していた。

 杉山氏は、中学生の時まで、色が白い「男らしくない」ということで、父親からは責められ、学校ではいじめにあっていた。高校は、いじめを避けるために、学区の違う高校に通った。高校2年の時に、自分が同性愛者であることを自覚したが、「ホモ」と周りの学生に知られることは、また、いじめの対象となることを意味するので、在学中は、異性愛者のふりをしなければならなかった。教師を目指し大学に進学するが、ここでも自分を偽ることを続けなくてはならず、精神的苦痛・疲労の極限に達してしまい、大学1年の前期は不登校状態になっていた。その時、訪ねて行ったのが、アカーであり、ありのままの自分を受け入れ、周囲にカミングアウトすることで、自分を取り戻していった。

 「性は生である」と、戦時中、国民のために戦って殺された山本宣治の生き方が著者の目を大きく開かせ、山宣の志を受け継ぐ全日本民主医療機関連合会(民意連)の兵庫民意連で現在、カミングアウトした職場の同僚や患者の中で働いている。そこに至るまでの、杉山氏の「自分探し」の旅が描かれている本書では、「受容・寛容・行動」の精神が語られている。平和な世の中でしか、実現できないことである。

 現在も問題となっている「いじめの問題」も他者を認めないことから始まるのだ。お互いの違いを認めあえる多様性を受け入れる社会の実現への行動が求められるのだ。そのためにも、本書は多くのことを語ってくれる。

注意を怠らないこと/ネット上のネット右翼

2009-03-14 08:38:07 | 多様性
ネットきっかけ「とてつもない」売れ行き、首相の著書増刷(読売新聞) - goo ニュース

 国籍法の改正の時にも、ネット上で、それを利用した右翼・及びネット右翼の策動が見られた。特に、ネット右翼に関しては、若者が多いようだ。彼らは、ヨーロッパのネオナチに通じる存在だ。少数意見の発信ということで、肯定的に評価する動きも見られるが、彼らの非合理主義に基づく情感に訴えるやり方は要注意する必要がある。
 安部元首相も愛国者だとか。ネット世論調査での、麻生内閣の支持率の世間とのずれも彼らによるところが大きいだろう。
 今回の、麻生氏の本の購入を呼びかける運動も、またかという感じだ。ネット上だけの問題で済まなくなる危険が常に存在する。ネットの世界での、彼らの策動には、常に注意する必要がある。小さな火も、大火事に至る場合があるのだから。

 ※嘘も百回言えば本当になる。こんなことが実現しないためにも。