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透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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透析、気になるニュース『糖尿病の新規治療法の実現に期待 - 慶応大が糖尿病性腎症の発症機構を解明』

2013-10-25 16:53:21 | 透析

糖尿病の新規治療法の実現に期待 - 慶応大が糖尿病性腎症の発症機構を解明(マイナビニュース) - goo ニュース

 日本の透析医療は世界一といわれている。その代わりに、先年の臓器移植法の改正を受けても、腎移植は劇的に増加していない。また、本来は献体腎移植が原則であるべきなのであるが、生体腎移植の割合が多い。生体腎移植の場合は、人間関係のしがらみなどの問題点がありそうな気がするので、ごく一部の場合を除いては、推奨されるべき方法とは思えないのが実感される。脳死による臓器移植の推進は、我が国では宗教的、文化的伝統から、国民の間に広がることが困難となっている。長い目で見た場合、小学生からの教育の中で、「命のリレー」という観点で、若い世代に臓器移植の意味するところを生命の哲学として広めていく必要がありそうである。

 透析医療費に要する医療費に対する高い割合から、腎移植による医療費の削減、治療法の費用対効果という経済的観点を医療行政に取り入れようとする動きも見られるようである。これも、極端な話になると、国家や社会に有用な透析患者とそうでない患者との医療の差別化ということにもなりかねない。また、患者の側から見れば、自分たちが自分たちを生かしてくれる社会に対して、どれだけ貢献できるかという課題にも関係している。

 透析患者の医療費の削減で、効果があると思われるのが、CKD(慢性腎臓病)対策の充実と実行である。一部自治体では、「尼崎方式」をはじめとする方法で、透析導入に至る患者の数を減らすことに成功しているようだ。患者団体でも、CKD対策の行政機関に対してのCKD対策推進と、市民に対するCKDに対する講演会の開催など、啓発活動を行っているところがある。

 CKDから透析導入へ至る患者の数を減らすには、最近では透析導入の原因疾患1位の糖尿病患者に、もちろん予備軍も含めてであるが、働きかけることが有効であるようだ。

 今回の研究成果のニュースは、内容を理解するのは容易ではないが、糖尿病患者の合併症であり、透析導入に至るリスクの大きい糖尿病性腎炎の発症メカニズムを、今までとは違う「代謝」という観点から解明したもので、糖尿病性腎炎の「超早期発見」の可能性と、その段階での治療の可能性を内在している研究に関する注目すべきものであった。

 患者団体も含めて、透析患者がCKD対策を行政や社会に働きかけるためには、多くの情報が必要となる。今回の研究成果は、理解するのにてこずるかも知れないが、しっかりと自分たちの情報として、患者として一定のレベルでの理解が必要となるだろう。


透析関連ニュース切り抜き帳『腎臓病の悪化促す細胞を特定 東北大研究グループ』

2013-07-07 01:13:22 | 透析

腎臓病の悪化促す細胞を特定 東北大研究グループ(河北新報) - goo ニュース

 透析の導入患者は、いまだ増加の傾向にあり、透析医療費の額も大きなものとなっている。導入平均年齢は約68歳となり、現場では通院送迎の問題や、ターミナルケアの問題、介護と医療の問題等、高齢化に伴う新たな課題に直面している。また、透析導入原因疾患では現在は糖尿病が1位となっている。

 透析患者は、社会によって生かされている。しかし、この点に気付かない患者も少なくなく、導入時にあたかも「自然に、当然に」手厚い医療制度を利用できるように感じている。患者の生活の質=QOLを上げるための運動を続けてきた患者団体には、彼らは入ろうともしないか無関心を示す。無関心から、さらには、一部のネット利用者の使う「既得権益」という言葉を使って攻撃するケースもある。患者運動は、今、大きな展開店に差し掛かっている。今後は、社会貢献という形で、行政に医療費に関して積極的な提言をしたり、透析患者の個々の質の向上のための啓もう活動を行う必要が大きくなっている。そして、何よりも透析導入を回避するためのCKD(慢性腎臓病)対策に当事者として参加することが求められている。いまや、我が国の成人の8人に1人(1330万人)が慢性腎臓病患者となっている。この中でも、合併症の予防と共に、予備軍を含めた糖尿病患者への働き掛けが有効に行われるならば、糖尿病性腎炎に至る患者の数を減らすことは、リアルに可能性が高い。しかし、慢性腎臓病になってしまった場合、破壊された細胞が復活することのない不可逆性の疾患として、血圧や食事の管理により、透析導入の時期を延ばす保存期療法が中心となり、最終的には透析に至るケースが多いのではないだろうか。診察室の中で、慢性腎臓病の患者に十分な指導を行うことは、診療報酬の面からも難しい面を持っている。

 今回の研究では、慢性腎臓病を悪化させる原因の一つとして、腎臓内において、血液の赤血球を作るのに必要な赤血球造血ホルモン(エリスロポエチン、「EPO」)を生み出す細胞が、炎症により性質変化を起こすことが判明したとされる。腎臓は尿を排出するだけの機能を有しているわけではない。

『 研究グループは遺伝子改変マウスを使用し、片側の腎臓の尿管を縛って炎症を起こさせてEPO産生量などを調べた。
 その結果、腎臓病を発症した腎臓はEPO産生機能を失った細胞が悪玉化。コラーゲンを増やして繊維化を促したり炎症物質を大量に発生させたりし、腎臓病を悪化させることが分かった。 』

 今回の研究では、抗炎症薬の投与で、性質変化を起こした細胞が元の機能を取り戻す可能性も示している。『縛った尿管をほどき投薬で炎症を抑えると、細胞のEPO産生能力が正常値近くに戻った。繊維化も回復するなど細胞は善玉化し、環境に応じて性質を変化させた。』 

 EPO産生細胞の炎症による性質変化のコントロールにより、慢性腎臓病の治療法の可能性が高まったようだ。また、1歩進んで、腎移植や透析療法に代わる治療法の可能性も出てきたという研究に関するニュースであった。透析患者の数を減らすための情報として切り抜いておく。CKDの不可逆性を打ち破ることができる時が早まることを切望する。


透析、気になるニュース『腎臓移植と透析の費用対効果、学会などが研究へ(読売新聞) - goo ニュース』

2013-06-09 20:57:00 | 透析
腎臓移植と透析の費用対効果、学会などが研究へ(読売新聞) - goo ニュース

 透析患者は、生きながらえるために受ける透析治療のおかげで生かされている。まさに、社会によって生き続けることを認められていることになる。そのことは、忘れてはならないことであるが、透析導入時から、患者の中には、それがあたかも当然の行為などとしか自覚しない人も少なくないようだ。何もしなくても、制度を受けることができることが自然なことのように感じているのかも知れない。そのため、病気や患者会については、無関心な人が多く存在するようだ。患者が患者会を作る意義が、政治や行政に、自分たちの生きるための希望を聞いてもらうことが中心にあった時代もあった。社会が患者の生存のための制度を許容してくれたのは、患者会の働き掛けに反応してくれたからだともいえる。透析医療の進歩は、患者のQOLも向上させてくれた。そのような時代では、患者や患者会の社会へ対するお返しの意味も含めた社会貢献が求められる。

『国内の透析患者は約30万人で、透析医療の国民負担は年間約1兆4590億円。一方、腎臓移植は大半が生体移植で、昨年は約1600件だった。』
 いまだ、増加傾向にある透析患者数と、多額の透析医療費の合理的な、患者の現在受けている治療の質を落とさない上での削減の方法を、これからは患者会からも、様々な面から提案しなくてはならない時代に入ってきているようだ。この時点で、患者の無関心は社会に対する働きかけの上での大きなバリアとなっている。

 透析医療費の削減方法としては、導入患者の数を減らすための、慢性腎炎=CKD対策の活性化を行政や立法機関に働きかけることも求められる。普通、慢性腎炎と呼ばれる減疾患の対するよりも、今や、予備軍を含めて国民病ともいえる糖尿病患者に対する対策の充実化が早急に望まれている。糖尿病の悪化を、食事・運動療法、薬物の適切な使用で阻止することで、合併症の腎臓病を予防することの方が現実的だからである。また、患者会の組織の各ステージで、市民に対する啓もう活動を、講演会や出版物を通して行う必要もある。他にも、医療費削減のための方策を、当事者の立場から提言できれば良いのであるが。

 透析導入後は、将来の再生医療への希望を持ちながらも、慢性腎不全が不可逆性の疾患であることから、腎移植以外に透析を離脱することはほとんど不可能である。先年の臓器移植法の改正によっても、腎移植が大幅に増えてはいない。また、献体腎より問題の多い生体腎移植の手術の数の方が多い。

 では、腎移植が献体腎手術を原則として、腎不全の患者の選択肢の一つとして普通に行われるようになったら、透析医療費の削減にどれほどプラスに働くかの指標をどこから手に入れるのであろうか。今回のニュースは、生体腎移植が多い昨今の状況を反映した指標を出してみることに有効な試みのようだ。


『日本移植学会の有志と医療経済学者らで作る「腎移植の臨床経済評価研究会」(代表=相川厚・東邦大教授)は8日、腎臓移植と透析の費用対効果を比較する研究を始めると発表した。

 治療効果と費用負担の兼ね合いを調べ、限られた医療財源の有効活用に関する議論につなげたいとしている。

 大阪大や東邦大など7機関の共同研究で、3年間で、腎臓移植患者約440人分の情報を収集する。医療費や生存期間、生活の質などのデータをもとに、国際的な指標を用いて数値化し、透析患者のデータと比較する。1年後に中間報告を行う。』

 今後の、腎移植の推進に有用なデータが出ることで、新たな国民に対する啓もう活動が盛んになることを期待している。

三無主義という死語から透析患者会を考える

2012-06-13 09:39:27 | 透析
かつて高校生の頃、教育界やジャーナリズムなどから、三無主義の申し子と呼ばれることがあった。順番はどうだったか忘れてしまったが、「無気力」「無関係」「無感動」の3つの言葉が、我々高校生の生活態度であるとされたのである。それまでの、怒れる若者とか社会や政治に関心を持って行動する若者とかいうイメージに対峙するものであった。既成社会に疑問を持ち、改革を目指す若者や、哲学や文学を論ずる若者は少数派に成り下がったとされた。個人主義は利己主義に置き換えられて、真面目に考えることは、無駄だとか、仲間から浮いてしまうとされた。
その後、高校生の三無主義という言葉は死語になったが、そうした実態が消滅した訳でもなく、三無主義が社会全体に拡散していったから、敢えて表現する必要がなくなったのである。
さて、透析患者の患者会の会員数が最近は減少を続けいる。透析の導入年齢の高齢化も、要因の一つであるが、患者会の組織も社会の縮図ということから、透析患者の間にも、かなりの割合で「無関心」「無感動」「無気力」の三無主義 がはびこっているからのように思えて仕方がない。利己主義ではない個人主義の精神をしっかり持った患者が増えないことには、患者会の将来は決して明るくないのである。

透析患者は発汗せよ?

2012-06-08 10:40:39 | 透析
いよいよ気温が上昇する季節が本格的に始まる。昨年は心身に対して厳しい夏であったが今年はどうなることか。異常気象も心配てあるが。
透析患者の1日あたりの水分摂取は、一応前日の尿量プラス500ccとなっている。一応と書いたのは、実際には厳格にその条件を守っている人が少ないようだからである。500cc1本のペットボトル入りの水を、調理の分も含めて1日のやりくりを続けることになる。しかし、透析技術の進歩が、一昔前のご飯を炒ってまでしていた頃と比べて除水出来る量を飛躍的に増大させた。とは言うものの、中2日でドライウエイトの5%までという制限は守ったほうが良い。中1日で5㎏以上の体重増加を続けているモンスター患者は論外である。取りきれなかった体内の水分は、繰り返しがボディブローのように時間の経過と共に利いてきて、やがては心不全に至るリスクを負う。
透析歴30年以上の先輩患者さんは、夏はものすごい発汗量だそうだ。その一方で、透析をするようになってからほとんど汗をかかなくなったという患者も少なくないようだ。
僕自身はといえば昨年までは、ひどい汗かきであった。ラーメンを食べても頭と顔から汗がしたたり落ちた。夏の歩行は、着るものが濡れた。汗が出る分、水分が取れる。はっきりしたデータがないのが残念であるが、汗の中に体に良くない成分も少しは排出されているかもしれないという期待感もある。
しかし、今年は発汗しにくくなっている。生活が忙しくなり、汗腺を鍛える時間がないのが原因だと思っている。最近は、入浴時間も極端に短くなっている。去年は、サウナにもよく通った。前述の先輩患者さんも汗腺は鍛えないと駄目になるという。体内の熱がこもるのも困りものである。
透析患者と運動の問題と共に解決したい課題である。

血液チューブ外れ、人工透析の女性死亡/気になるニュース

2010-07-02 01:11:50 | 透析
血液チューブ外れ、人工透析の女性死亡(読売新聞) - goo ニュース

 人工透析医療を受けることで、我々透析患者は命をつないでいる。毎回、透析を受けていると、穿刺に始まる治療も、慣れてしまう。当初は、自分の血管からチューブに流れる血を見ていると、不思議な感じがしたものだが。血液をとる場所と、返す場所の2か所にかなり太い針を刺すのである。透析が終わって、針を抜いた後に、上手く止血ができなかった時は、そこから血が流れ出して、初めて見た人は驚くだろう。患者の中には、帰りの電車の中で、突然出血をして、シャツの袖が真っ赤になった人もいる。そんな時も、早めに自分の指で、出血している所を圧迫して止血すれば良いのであるが、周りの乗客はきっと何事かと驚いたことだろう。ある患者は、就寝中に、針を刺したところから出血して、朝起きたら、シーツが真っ赤になっていたという。幸い、失血量も見た目ほどは多くはなかったようだ。

 僕も、透析終了後に針を抜く時に、指で押さえる位置がずれていた時に、血管から、血液が激しく飛び出したことがある。水鉄砲のようにというのか。

 4時間の透析中は、針を刺した腕は動かせないが、慣れてくれば、自由になる片手で色々とすることができる。本を読むこともできるが、重たい本は慣れるまで、持つのに苦労した。透析中に食事をとるが、片腕でお弁当を食べている。

 針を刺した部分は、簡単には抜けないように、しっかりと止めている。もし、これが抜けたら、止血するまでかなりの出血があるだろう。しかし、血液が流れる回路に以上があれば、透析機が警報音を鳴らすようになっている。血流の圧が上がった時も、警報音が鳴る。食事時などは、あちこちで虫の声ならぬ警報音が鳴ることがある。そんな時は、直ぐにスタッフが飛んできて、状態を直すことになっている。患者は、命をスタッフに預けているのだ。お互いの信頼がなければ、しっかりした透析医療は成り立たない。透析機をはさんだコミュニケーションとでもいうのであろう。

 しかし、7月1日付の朝日新聞の多摩版に嫌なニュースが載っていた。同じ三多摩にある透析クリニックで起った人的ミスによる死亡事件であった。gooニュースでも、新聞社数社がこの事件を取り上げていた。今後、患者会としても、事件の検証が必要になるだろう。
 死亡した女性は、血管が細いので、通常の透析患者のような穿刺は行っていなかったようだ。しかし、器械の警報ブザーが鳴った時、何故、血液をとっていた左太ももと見なかったのだろうか。布団をめくれば、早期に発見できた出血であった。スタッフ同士の申し渡し等のミスがあったのだろうか。透析施設の管理体制に問題があることは確かである。人間なので、個人的にミスが生じても、それをフォローするような安全管理体制が不備だったら、事故の拡大を防ぐことはできまい。

『東京都町田市中町の「あけぼの第二クリニック」で人工透析の治療を受けていた同市の池田茂子さん(当時73歳)が、足のチューブが外れて大量に失血し死亡していたことが30日、町田署への取材でわかった。

 同署は業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から事情を聞いている。

 同署幹部によると、池田さんは6月14日、同クリニックで人工透析を受けた。治療開始から約3時間後に警報ブザーが鳴り、30歳代の男性看護師が駆けつけたが、異状に気づかず透析を続けた。数分後に再びブザーが鳴り、同じ看護師が布団をめくると、透析機から血液を送るチューブが池田さんの左足から外れ、血が漏れていた。池田さんは別の病院に運ばれたが、翌日に死亡。司法解剖の結果、死因は出血性ショックとみられるという。

 池田さんの長男(47)は「母は手の血管が細いので太ももにチューブをつけていた。最初のブザーで気づいていれば、こんなことにはならなかったのに」と話した。同クリニックは取材に対し、「ご家族の了解が得られていないので、医療行為の詳細はお答えできない」としている。』

ネスプ/エスポーが10%台の増収―協和発酵キリン/気になったニュース

2010-04-29 00:20:11 | 透析
ネスプ/エスポーが10%台の増収―協和発酵キリン(医療介護CBニュース) - goo ニュース

主力製品ネスプの適応追加を発表―協和発酵キリン(医療介護CBニュース) - goo ニュース

 ニュースを見ていて気になるのは、慢性腎不全と透析に関する薬のニュースである。健康な人や、他の病気の人には、あまり関係がない話なので、一般にはあまり目に留まることもないのだろ。

 透析医療も、移植医療が普及していない日本はその分、世界一の技術といっていいのだろう。
 使用される薬剤も、確実に進歩している。新薬が外国で開発された時などは、日本で認証されるまでがひどく待ち遠しい思いがするものだ。一日でも長生きできれば、それだけ、新しい医療を受ける機会が多くなると思って、透析患者は、頑張って透析ライフを送ってもらいたい。

 腎機能が低下すると、貧血状態が進行する。以前は、慢性腎不全患者も透析患者も、ひどい貧血に悩まされていた。輸血に頼る患者も存在した。その当時、輸血により、肝炎を発症する患者も少なくはなかったようだ。
 その後、人工の造血ホルモン剤のエリスロポエチンの登場で、患者の貧血状態が劇的に改善され、透析ライフのQOLも向上した。
 そして、エリスロポエチン剤よりも、身体の中での消失半減期が長くなったネスプが登場した。ネスプは、週1回の投与でも良いようだ。透析における作業を簡潔にし、旅行透析の時などに有効かもしれない。米国への旅行では、透析費用も高く、エリスロボエチン剤も高価である。そのために、日本から、エリスロポエチン剤を患者が持参することになる。ネスプの場合は、半減期が長くなる分、国内旅行でも、出発前に打っておけば、次の投与までの時間が延びることになる。
 なお、僕のクリニックでは、まだ、ネプスへの切り替えは行われていないようだ。一時期は、副作用の心配がされたが、今は、さほど問題がないようだ。

 ニュースの中で出てくるレグパラ錠は、透析患者の合併症の副甲状腺機能亢進症に有効な薬である。ヨーロッパで使われていた時から、一日も早い日本での認可を待ち望んでいた。主治医には、発売前から、使ってもらいたいという希望を述べていた。ただし、この薬の難点は、薬価がとても高いことである。
 僕の場合、オキサロールの使用と相まって、副甲状腺ホルモン(PTH)の値が落ち着いている。なお、患者によっては、服用により、副甲状腺が肥大するケースもあるようだ。そうなった場合は、外科的手術が必要となる。

 なお、ネプスも慢性腎不全の保存期にも使えるようになった。

終末(ターミナル)医療と透析患者

2010-04-11 23:32:56 | 透析
 僕が透析を導入してから、まだ、10年位しか経っていない。今のクリニックに来た当初は、透析施設でヘルパーの介護を受けている人は、ほとんどいなかった。
 年配の人も、一人でクリニックに来る人も多く、患者会の行事にも積極的に参加する人が少なくなかった。
 しかし、最近は、ヘルパーの介護を受ける患者の姿が目立つようになった。患者会の旅行などに参加していた一人暮らしの人が認知症になり、結局は今の施設で透析を受けることが出来ずに、他の対応できる病院に転院していった事もあった。しかし、認知症や、透析施設に通うことが困難になった高齢者を受け入れる病院がほとんどないのが現実である。政府も、療養ベッドを病院からなくす方針だし、受け入れる病院に透析環境がなければ、透析患者は行き場所を失ってしまう。「透析難民」という言葉も出来ている。透析患者が、静かに死を迎えることのできる施設も求められている。

 また、一部の透析施設では、家族に終末(ターミナル)医療の進め方を聴き始めている所が出ている。透析を受けることも、高齢になり、体力が落ちてくると、決められた時間に透析を受けることも苦痛となるようだ。そのため、透析時間がだんだんと短縮され、最後は、透析医療を止める決断を迫られることになる。透析を止めることは、尿毒症から死への経過をたどる、あるいは、合併症から死に至る道を選ぶことを意味する。昔、宗教者が自分の死を悟った時に、食を断ち、静かに死を迎えた事が、頭に浮かんだが、透析中止は、そのままでは、静かなる死を迎えるには、程遠いだろう。

 体力のある患者には、元気なうちに、少しでも透析時間を長くすることで、来るべき高齢時代に備えて貯金をするようにアドバイスする。透析をできなくなる前に、長時間透析で体力をつけておくのである。しかし、現実には、長時間透析どころか、透析時間の延長を嫌う患者も少なくない。ある患者などは、透析時間が30分延長になったことで、他の施設へ転院していった。ある意味、緩慢たる自殺行為を自ら選択したことになる。また、医療施設の事情で、長時間透析を全ての患者に提供することは、不可能なことだろう。

 透析患者も含めて、死の直前1年間に受ける終末医療をどうするかは、大きな問題である。無駄な延命治療を受けるか否かの、本人及ぶ家族の難しい洗濯もある。世にいう、体中に管を付けて生かされている「スパゲッティ状態」を続けることが、人間の尊厳に反する行為なのか、難しい問題である。

 元気なうちに、自分で終末医療をどうするかの意思表示を求める病院も、今後増えていくだろう。

 透析患者の場合は、延命治療を拒否することは、透析を止めることを意味し、後は、苦しまない状態での死を迎える事が出来るように、医療機関に求めることになる。

 患者会の仲間にも、終末期になったら延命治療を拒否するという自筆の書類を金庫の中にしまっている患者もいる。また、自分は、年をとってからは、多分死にたくない気持ちが増すように思えるので、若いうちに、延命治療を拒否する意思表示をしたいと言っている患者もいる。

 透析施設にも高齢化の影響が強く出てきた。透析導入年齢も、年々高くなり、現在は平均年齢が65歳前後なのかもしれない。

 人は、誰でも年老いて死んでいく、透析患者の平均寿命は、一般人と比べて短い。また、原疾患が糖尿病の患者を中心に合併症の発症も少なくない。

 僕自身は、まだ、自分の終末医療に対する気持ちを決めていない。今は、生きている事に感謝して、患者会の活動や自分の好きな事をすることを中心に考えているので、死に至る時の事は考えないようにしている。しかし、同じ透析施設にいる患者の姿の変化を見ていると、明日の自分の姿とダブっていく、

 一日も長生きして、医学の進歩の恩恵を受ける事が出来ることを望む気持ちの方が大きい。

 ※2009年12月末現在、日本透析医会データ
導入平均年齢   67.2歳(0.43歳増)
患者平均年齢   65.3歳(0.46歳増)

ホスレノールとフォスブロックとレグパラとオキサロール

2009-11-18 23:12:56 | 透析
 先週のエコー検査の結果が出ました。お腹の方は、問題が無し。右腎はのう胞腎なのですが。
 問題は、副甲状腺の方です。いわゆる二次性副甲状腺機能亢進症なので、副甲状腺が大きくなっているかどうか、いつも結果が心配です。半年に1回、検査をしています。
 当初は、ある大きさ以上になったら、外科的に手術で除去するということになっていました。
 でも、薬の開発も進んできました。

 リンの吸着剤も、フォスブロックが登場。その後は、ホスレノールも登場しました。いつも、新薬の情報を入れるようにしていたので、そうした新薬が出た時は、主治医に処方してもらえるか、いつも、相談するようにして、早く使えるようにしました。今までは、血中のリンの値が高かったのですが、最近は、ホスレノールの効果が出てきたようで、フォスブロックも併用していますが、先週の結果は、4.8になりました。使用当初から、7台が続くことが多かったですね。僕は、QOLが高い生活を目指しているので、食事の方は、カリウムは心停止防止から絶対にとり過ぎないように気をつけていましたが、リン、つまりは、タンパク質の制限は、なるべく緩く出来るように、実験的に甘い管理を行っていました。
 レグパラ錠の登場もありましたので。血中カルシウム濃度の上昇を起こさずに、PTH(副甲状腺ホルモン)の分泌を抑制する薬です。毎日、夕食後に25mgを1錠ずつ服用しています。おかげで、PTHの値も安定しているとのことです。レグパラには副甲状腺の縮小の効果はないのですが、ビタミンD剤のオキサロールの注射により、縮小の可能性は確認されていないようですが、小さくなることが夢ですね。
 エコー検査は、前回は、大きさに変化が無しでしたが、今回は、副甲状腺の一つがわずかに小さくなったということでした。希望を持ちながら、透析ライフを過ごせたら良いなと思っています。
 透析で一日でも、元気で長生きすれば、新薬も登場するでしょうし、ダイアライザーの機能も良くなっているので、それらの恩恵を受けることが出来るでしょう。

 今、全腎協と日本難病・疾病団体協議会(JPA)の「難病・長期慢性疾患、賞に慢性疾患の総合対策を求める請願」の2つを国会に提出すべく、患者団体では署名活動をしています。今度の臨時国会では、肝臓病の総合的な基本法の成立が望まれ、患者の運動により、何とか成立しそうな状況です。他の難病対策も早急に求められています。署名用紙を見かけましたら、1人でも多くの方に署名をお願いしたいと希望しています。

2008年度末透析患者データ

2009-10-02 21:12:05 | 透析
 日本は、透析医療では世界で一番の水準にあり、そのおかげで私たち透析患者は生き永らえることができます。しかし、毎年、新たに透析導入に至る患者がおり、国家予算に占める医療費の割合が多くなる傾向にあります。特に、透析導入患者の原疾患の第1位が糖尿病であることを考えると、今後の患者数の増加が予想されます。
 厚生労働省が、2008年12月25日に発表した「平成19年 国民健康・栄養調査結果の概要について」では、糖尿病患者数は糖尿病予備群含め2210万人にも及びと推定され、成人の約2割に上っています。1年で340万人が増えたそうです。糖尿病においては、糖尿病性網膜症や神経障害の他に、糖尿病性腎症の合併症も発症する可能性があります。

 慢性腎不全に対しては、腎移植という治療もありますが、日本では、移植医療は定着していません。今年は、臓器移植法が改正され、来年7月に施行(親族への優先移植は1月施行)されます。
 10月は臓器移植普及推進月間で、全国各地で臓器移植・意思表示カード所持を普及、推進させるためのキャンペーンが行われ、三多摩でも立川駅前でのキャンペーンが4日に予定されています。僕も参加したいと思っています。しかし、臓器移植がわが国に定着するには、まだ、時間がかかるようです。今回の改正で、脳死が人の死と認められましたが、国民の全員の理解は難しいことでしょう。ただし、心臓移植が必要な子どもたちが、アメリカに渡って多額の費用をかけて手術を受けなくてはならないということがなくなることを希望しています。国内で、保険診療の範囲で手術ができることが一番良いことです。
 将来は、再生医療が実用化されるような時がくれば、患者にとっては福音となりますが、現在のところは、ガン化のリスクなどまだまだ解決されなくてはならない課題が多いようです。

 さて、日本透析医学会により、2008年末「わが国の慢性透析療法の現況」が発表されています。

     「わが国の慢性透析療法の現況 2008年12月31日現在」
 
☆ 施設数     4072施設(前年比22施設増、 0.5%増)
☆ 設備 ページェントスティション 
          111690台(3120台増、2.9%増)
☆ 能力 同時透析    110360人(2906人増、2.7%増)
☆ 最大収容能力     373527人(9376人増、2.6%増)
☆ 慢性透析患者
    昼間     230891人(81.7%)
    夜間      42385人(15.0%)
    在宅透析      194人(0.1%)
    腹膜透析     9157人(3.2%)
    
    透析患者数   282622人(7503人増)
☆ 導入患者数     37671人(762人増、2.1%増)
☆ 死亡患者数     26901人(1664人増、6.6%増)
☆ 導入患者の原疾患(HDについて)
 1.糖尿病性腎症  16126人(43.2%、0.2%減)
 2.慢性糸球体腎炎  8602人(23.0%、1%減)
 3.腎硬化症     3936人(10.5%、0.5%増)
   ※ 不明 10.6%(10.2%)
☆ 人口100万比  2213.4人(60.2人増)
☆ 患者平均年齢    65.3歳
☆ 導入患者平均年齢  67.2歳
☆ 最澄透析期間    40年8か月
☆ 死亡原因
 1.心不全(24.0%)
 2.感染症(20.0%)
 3.不明(10.2%)
 4.悪性腫瘍(9.2%)
 5.脳血管障害(8.6%)
 6.その他(9.9%)

味覚の秋だけれど/アーガメイトゼリー

2009-09-18 21:03:26 | 透析
いよいよ秋らしい日が続くようになっています。朝晩も、涼しくなりました。
秋といえば、読書の秋、芸術の秋等、いろいろな言葉がありますが、食欲の秋という言葉は、無視できませんね。
 果物も、八百屋の店先に並び、木々にも実が生っています。果物は、大好きなのですが、透析患者にとっては、食べすぎは命取りとなります。果物に多く含まれるカリウムが、心停止の原因となるからです。健康な人は、カリウムを過剰にとっても、尿中から排出されますが、尿がほとんど出なくなる透析患者は、血中のカリウム濃度が高くなり、心臓が止まってしまうわけです。まず、唇がしびれるそうです。僕の通っているクリニックには、唇がしびれるほど果物を食べて死に至った患者がいたという都市伝説がありますが、真偽は不明です。ただ、唇がしびれたけれど、ぎりぎりのところで生き残った患者の話は聞いたことがあります。
 でも、患者会で毎年1回のバス旅行は、今年は新型インフルエンザ予防から中止されましたが、いままでに、桃狩り2回、ブドウ狩り、リンゴ狩りに行きました。果樹園では食べ放題ということで、その日は、かなり食べてしまいます。悪いことが好きな患者会に思われてしましますね。
 透析食に関しては、管理栄養士からは、果物は缶詰が勧められます。生の場合は、量を少なくすればいいわけですが、その加減が難しいわけです。果物同様、カリウム含有量が多い野菜は、生よりは、水にさらしたり、ゆでることでカリウムの量を減らすように指導されています。
 
 さて、先ほどの旅行の時や、外食の時に、カリウムをいつもより多くとる時は、カリウムの血中濃度を下げる薬を服用します。

 クリニックからは、防災用にカリメートという粉の薬を保存用として渡されます。地震などの災害が起こった場合、透析施設が破壊されたり、水道・電気等のライフラインの破壊で、透析が何日かできなくなる可能性があり、避難所でも、特に透析食が提供されるわけではないので、その時のために使用する薬です。

 カリメートは、カルシウム型陽イオン交換樹脂剤で、腸内のカリウムイオンと本剤のカルシウムイオンを交換し、カリウムを体外に排泄させることにより、血中カリウム値を低下させることができる薬です。

 防災用に渡されたカリメートは、日常生活でカリウムをいつもより多めにとった時は、臨時に服用して、不足した分はまた補給するようになっています。

 ただ、カリメートは薬としては、おいしくなく、これを飲むのが苦手な人がいます。鉱物の粉を飲むような感じがするのかな。ドロップタイプもあるようですが、ゼリータイプの「アーガメイトゼリー」もあります。

 このゼリーも、結局はイオン交換樹脂剤なのでおいしくはありません。冷蔵庫で冷やして食べればいいという人もいますが、人によっては、粉のカリメートを一気に水で飲んだ方がいいという人もいて、ゼリー化もいまひとつうまくいかなかったようです。





 でも、その後、このゼリーにかけるふりかけ、リンゴ味のフレーバーが出来ました。このことをまだ知らない患者もいますが、このフレーバーでかなり食べやすくなりました。
 以上、透析患者の薬のゼリーの話でした。おいしそうに見えるかな? 




透析患者のための新型インフルエンザ対策

2009-09-04 16:41:44 | 透析
新型用ワクチン、年末に5000万人分輸入(読売新聞) - goo ニュース

新型インフル ワクチン順位案、きょう公表 費用・補償、なお課題(産経新聞) - goo ニュース

 ニュースによると、4日にも厚生労働省から、新型インフルエンザのワクチンの優先順位等の方針が公表される予定だそうだ。

 ワクチンの効果に期待するのとは別に、透析患者自身も、自己管理をすることで、少しでも新型インフルエンザの感染のリスクを減らすように気を付けなくてはならない。
 日本透析医会では、「透析患者のための新型インフルエンザ対策」を患者向けに情報発信している。
 下の「透析患者のための新型インフルエンザ対策(日本透析医会)」をクリックするとアクセスできる。これから予想される感染の拡大に備えて、予防できることを実行しなくてはなるまい。

透析患者のための新型インフルエンザ対策(日本透析医会)

新型インフルエンザ対策について全腎協に政府回答/気になるニュース

2009-09-02 12:07:14 | 透析
新型インフルの強い感染力、動物実験で確認 季節性超す(朝日新聞) - goo ニュース

「新型」で肺炎診療の留意事項を事務連絡―厚労省(医療介護CBニュース) - goo ニュース

 いよいよ新型インフルエンザへの警戒が高まってきた。我々、透析患者は罹患した場合、重症化するリスクの高いグループである。免疫力が落ちている上、糖尿病や、心臓病といった合併症を伴った患者も少なくない。今までに、新型インフルエンザでの死亡例に透析患者が含まれている。先月は、沖縄県や兵庫県で慢性腎不全患者が死亡している。透析患者は、全国で約28万いる。
 全国腎臓病協議会(全腎協)の宮本高宏会長は、1日に、先月20日に政府に提出していた要望書について、政府から回答があったことを厚生労働省内で記者会見した。
 6項目に及ぶ要望書は、腎疾患などの基礎疾患を持つ患者への優先的ワクチンの接種、公費助成、十分なタミフルの備蓄などを求めている。
 政府からの回答は、9月末をめどに優先的に接種する対象疾患を確定したいとするものであった。
 ※こうした動きを見るにつけ、やはり、透析患者にとって患者会組織は有効であることを認識する。しかし、現実には、地域ごとの患者組織に加入する会員数は減少する傾向にある。やはり、運動の成果だけ享受するのではなく、患者会に参加する意義は大きいのではないか。身体が思うように動けなくなっても、あるいは、運動に積極的に参加できなくても、名前だけでもと会員になっている患者もいる。「数は力なり」という要素も運動にはあることを承知しての参加である。
 

"究極の“節約菜園” キッチンで簡単に!!特別な道具も不要/参考になるニュース

2009-07-05 19:46:47 | 透析
究極の“節約菜園” キッチンで簡単に!!特別な道具も不要 (産経新聞) - goo ニュース

 キッチン菜園と呼んでいる室内栽培の紹介記事だ。セリやミツバなどの根を水につけるか、鉢植えにして、また芽や葉を出す方法については、前からやっている人は結構いると思う。
 でも、キャベツや白菜の芯を水につけて、新しい葉を出すことは知らなかった。

 楽しく、野菜にとことん頑張ってもらって食べるのは、楽しそうである。

 こうしたキッチン菜園を紹介してある小冊子の頒布が、ベターホーム協会で行われているという。

 もったいない精神も大切だが、こうした実用的だが遊びの精神を生かした園芸も興味をひくものである。

 「今日から育てる キッチン菜園読本」の希望者は300円分の切手を同封のうえ、〒150-8363 東京都渋谷区渋谷1の15の12、ベターホーム協会「キッチン菜園読本」係へ申し込めば良いとのこと。
 
 大根やニンジン、カブも根元を1・5センチぐらい残して切り、水に浸しておくと、真ん中から新しい葉が出てくるというのも、試したらおもしろそうである。