トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

命の授業/『しあわせのバトンタッチ 障がいを負った犬・未来、学校へ行く 』

2009-12-17 00:25:23 | 絵本・児童文学
しあわせのバトンタッチ 障がいを負った犬・未来、学校へ行く (イワサキ・ノンフィクション 16)
今西 乃子
岩崎書店

このアイテムの詳細を見る


 現代の子どもは、自己肯定感にかける子どもが多いようだ。最近、問題になっている子どもの貧困に対して、子どもの精神の貧困化なのかもしれない。
 著者が行っている命の授業の出前でも、著者の「自分が好きな人は手を挙げて」という質問に、手を挙げる子どもは極端に少ないという。
 
 人間の勝手で、捨てられ、殺処分に至る犬や猫の事を授業で話している。

 一匹の子犬の写真が写し出される。動物愛護センターに保護された子犬。右後ろ足の足首と、左後ろ足の指を全て切り取られ、日の当たる灼熱の野原に捨てられていた。右目もひどい傷を負っていて、炎症を起こした患部からは膿が流れ、そこからウジ虫がわきだしていた。

 子どもたちに、この犬を引き取ることが出来るかと聞いてみる。子どもは、他の犬を引き取るべきだという意見を言う。

 殺処分が4日後に迫ったある午後の日に、センターを見学に来ていた女性に、その犬は尻尾を振って駆け寄った。センターに入れられている犬の中には、人間不信から、敵意をあらわにする犬が少なくないのに。

 殺処分前日の日に、その女性が又やってきた。そして、子犬を引き取った。処分される多くの犬や猫の分まで生きてほしいと思い、「未来」と名付けた。

 女性の家には、すでに、先住犬が3匹いた。彼女は、ネットで里親を探した。

 著者による命の授業の最後に、子ども達には話していなかった「未来」が彼らの前に登場する。

 著者が命の授業を行うのは、東京を中心とした場所に限られる。他の地域に住む子どもたちにも、この授業を伝えたいという思いで書かれたのが、本書である。

 授業の内容には、「未来」を引き取った女性の事情や、子どもたちに対する思いがたくさん語られている。

 「未来」は、人を憎むことをしなかった。子どもたちは、この気持ちの大切さに言及している。人間も、未来のように、他の人間を憎むことなく愛せるなら、戦争という愚かな行為も起こらないだろうと。

命のバトンタッチ―障がいを負った犬・未来 (イワサキ・ノンフィクション)
今西 乃子
岩崎書店

このアイテムの詳細を見る


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
11/29今日は有難うございました (リュナ)
2012-11-29 20:50:39
11/29今日は有難うございました
1年です
私は改めて命の大切さを知りました
本当に未来はかわいそうだなぁと思いました
私だったら未来を捨てた人を許せないと思います
でも未来は捨てた人を恨まないでいられたことがすごいと思いました
未来は過去を忘れられないかもしれないけど未来が今楽しくすごしていることがうれしいです
私も犬を飼っているので大切にしようと思います
有難うございました

返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。