トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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ガルーダ・サポーターズの設立/気になるニュース

2009-06-17 20:48:53 | 福祉
 日本とインドネシア経済連携協定に基づき、日本側は、2008年8月にインドネシア人看護師・介護福祉士候補者208人(看護104人、介護104人)を受け入れました。介護・医療現場での人出不足の解消に期待されているようだが、この協定が、経済交流を主目的に締結された事情からか、3年後の日本語による国家試験に向けての支援制度が不十分であることが問題となっている。日本語習得と国家試験対策の担当者、及び学習の時間・教材の保障も受け入れ機関に一方的に任せられている。このままでは、候補生と受け入れた施設の負担が重いまま国家試験へと突入することになるかも知れない。
 厚労省による十分な支援体制は無いようである。このために、今、現場で働いている介護福祉士及び看護師候補生と受け入れ施設・病院を支援するための会である「ガルーダ・サポーターズ」の設立記念会が、今月14日に東京都渋谷区内で開催された。
 インドネシア語による電話相談や、日本語学習の支援のほかに、厚労省に対して政策提言を行うことを予定しているそうだ。

 自国の都合だけで、受け入れた後のサポートをおざなりにすることはできまい。

ガルーダ・サポーターズ

インドネシアからの介護士・看護師受け入れ大幅減



福祉ネットワーク「一粒の種」、再放送やっと観ました

2009-06-11 21:48:14 | 福祉
一粒の種


 「一粒の種」という歌が、大切な人を失った人に力を与えている、ブログの友達から、この曲の事を紹介されました。ミニコンサートに参加してこの曲を聴いたそうです。その時の様子が、NHK教育テレビの福祉ネットワークで取り上げられるという情報を寄せてくれました。
 6月4日の放送でしたが、観るのを失念してしまいました。幸いにも、再放送が11日にあり、今度はしっかり録画して、今日、透析から帰ってから観ることができました。

 この歌が誕生するまでの経過と、この歌に対する多くの人の反響の声が番組では紹介されました。

 今から5年前に、神奈川県川崎市の病院に末期がんの患者さんが入院しました。中島正人さん、46歳でした。前立腺がんが全身に転移して余命3カ月といわれたそうです。年老いた両親と3人暮しの生活を送っていたということでした。高橋尚子さんという看護師さんが担当になりました。中島さんは、物静かな手のかからない患者さんで、他の患者さんたち、特にお年寄りに親切でした。
 入院4カ月目に、高橋さんはベッドでふらつきながら号泣する中島さんの姿を見て、身体が固まってしまいました。死にたくない、生きていたい、そう繰り返して大粒の涙を流していました。一粒の種でいいから生きていきたい、中島さんはその後にこん睡状態に入り、3日後に息を引き取りました。

 高橋さんは中島さんと会う3年前に内臓破裂でガンの疑いがあると言われたことがありました。その時に、残される夫と子ども2人の事を思いました。この思いが中島さんの思いに重なり、高橋さんは、中島さんの思いを詩に作りました。彼女は同郷のシンガーソングライターの下地勇さんに手紙で曲をつけるように依頼しました。
 しかし、下地さんにはこの曲の重さから、1年も手をつけることができませんでした。1年後、下地さんが第2の父と慕っていたおじの死に会い、曲を作ることを決心しました。
 高橋さんのもとに届いたCDには、いつか又会えるという思いが、下地さんのメッセージが加えられていました。去年の12月に、下地さんは同郷の後輩の砂川恵理歌さんに託してレコーディングを行いました。砂川さんは、歌手になる前5年間に介護職についていました。その時に、多くの人との別れを経験しました。
 この曲には、中島さん、高橋さん、下地さん、砂川さんの大切な人の命に対する思いが込められているのです。
 沖縄でこの曲が人々に広まっていき、やがては全国に広がっていきました。れコート会社に寄せられた1000通を超えるメールや手紙には、家族や大切な人を失った人たちのこの曲に対する思いが寄せられていました。

 生きること、大切な家族を見つめ直すことのメッセージをこの曲は伝えています。

一粒の種



精神疾患・自立支援医療費についてのTANNさんのブログ見てください

2009-05-09 17:08:43 | 福祉
 精神疾患を病んでいる患者さんに適用される、自立支援医療費に関する大切な情報がTANNさんのブログに載っています。
 僕のブログの「障害者サービスの後退」の記事に、トラックバックしてくれたので、是非、関係のある方は、トラックバックで読んでみてください。

『自立支援医療費(精神通院)支給認定申請 (Welcome to TANN'S_blog) 』

障害者のうどん、世界品質に=モンドセレクションで金賞

2009-05-08 09:36:04 | 福祉

障害者のうどん、世界品質に
(時事通信) 5月 3日(日) 18時14分

障害者に働く場を提供する通所授産施設「あすなろ」で作るうどん「あすなろ麺」(写真=4月28日撮影)が、世界的な総合食品コンテスト「モンドセレクション」のシリアル部門で08年度の金賞を受賞した(大阪府)【時事通信社】

障害者のうどん、世界品質に=モンドセレクションで金賞-大阪(時事通信) - goo ニュース

 障害者自立支援法の下、障害者の各共同作業所では、厳しい運営を余儀なくされている。施設利用に対する費用が、一万円くらいの月給より上回る事態も生じている。
障害者自立支援法の廃止、見直しのための運動が展開されているが、今現在、各作業所の仲間たちは、その制度の下でも頑張っている。
 僕の夢は、そうした作業所で、質の高い製品を作り、高い収入を得て、満足できる給料をもらい、そこから社会保険料や税金が払える障害者が増えることだ。それが、本当の自立につながる。作業所だからという同情だけでの販売や、商売ではない、たくさんの人たちから求められる製品が作ることができたらいいなと思う。たとえば、どこの店にも負けないおいしいパンで、行列ができる店をもった共同作業所などの出現だ。おいしいレストレンもできたらよい。

 そんな夢につながるニュースが届いた。大阪府豊中市にある通所授産施設「あすなろ」で作っている「あすなろ麺(めん)」が、何と、世界的な総合食品コンテストの「モンドセレクション」(本部ベルギー)のシリアル部門で、2009年度の金賞を受賞したのだ。
 「あすなろ麺」は、施設が開設された1203年から作られてきた。無添加の素材を使用して、全ての工程(練り・裁断・乾燥など)を障害者らがこなしていく。値段は1パック3食入りで400円である。原材料費を差し引いた全収益が障害者の工賃に充てられる。まだまだ、仲間たちの給料は安いので、もっと知名度と商品価値を上げて売り上げを伸ばすことが、施設の希望だ。売り上げが伸びれば、仲間たちの給料も上がる。
 理事長の発案でのコンテスト参加だったが、この金賞受賞で知名度がぐんと上がるといい。ヨーロッパになじみの薄い「うどん」が受賞したのはびっくりだが、世界品質になった「あすなろ麺」、身近に見かけたら、どんどん買って味わってください。

 このニュースは、きっと、他の作業所の仲間たちにも希望を与えてくれたに違いない。

読書追記:ユニクロの障害者雇用率と点字以前

2009-05-07 00:40:37 | 福祉
自分らしく働きたい―だれもが自信と誇りをもって (ドキュメント・ユニバーサルデザイン)
清水 直子
大日本図書

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 この本に、障害者雇用率に関して、従業員5千人以上の民間企業の第1位の企業が紹介されていた。(厚生労働省・障害者雇用率ランキング2008年現在)。それは、株式会社ユニクロであった。法定雇用率は、1.8%だが、ユニクロの雇用率は8.06%だった。雇用されている障害者の内、約7割が知的障害者で、各店舗に届く商品の品分けや、店舗の清掃作業などを担当しているという。
 また、障害者雇用において、最近、注目されている「ダイバーシティ・マネジメント」の考え方も紹介されていた。雇用にあたり、多様性を取り入れる考え方だが、障害者の雇用もそうした点からも意味のあるものだと思った。

五感の力でバリアをこえる―わかりやすさ・ここちよさの追求 (ドキュメント・ユニバーサルデザイン)
成松 一郎
大日本図書

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 今年、2009年は、点字を考え出したルイ・ブライユの生誕200年の年にあたり、故国のフランスをはじめ、世界各国で記念の行事が開催されるそうだ。たった6つの点の組み合わせで、文章の読み書きができる。しかし、点字がフランスで正式に採用されたのは、ブライユが肺結核で43歳で亡くなってから2年後のことだった。

 日本では、アルファベット以上の文字を、濁音や半濁音・促音も含めて、やはり、6つの点で仮名を表わす方法が、東京盲唖学校の教師、石川倉次により考案された。明治23年(1890)11月1日のことだった。

 以上のような話のほかに、日本で点字が使われるまでに使われた「さわる文字」が本書では紹介されている。四角い紙の角の折り方の違いで文字を表す「折り紙文字」、こよりで文字の形を作り、厚紙の上にのりづけした「こより文字」のほかに、「通心玉」「結び文字」「ろう盤文字」などが写真でも紹介されていて興味深かった。


読書/ユニバーサルデザインとは?感覚の多様性

2009-05-06 19:15:10 | 福祉
五感の力でバリアをこえる―わかりやすさ・ここちよさの追求 (ドキュメント・ユニバーサルデザイン)
成松 一郎
大日本図書

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 増えるタッチパネルを使った装置、便利に思えていたが、視覚障害者には不便この上ないものだった。サインペンやマーカーペンに、わざわざ色の名前が書いてあること。同じく、地デジ対応テレビのリモコンボタンに色名表示があること。自分が気付かない所で、変化が起こっている。

 視覚・聴覚・触覚・味覚・臭覚の五感を駆使して、我々は周囲から情報を得ている。しかし、一番使うのは、視覚だろう。これらの感覚も誰もが同じように感じるのではなく、感じ方も、多数者ばかりでなく、少数者独自のものがある。それを障害と呼ぶことがあるが、我々は、多数者の視点でしかものを見ていないことが多い。本書では、「感覚の多様性」を気づかせてくれる。そして、そのバリアを乗り越えるための取り組み人びとが紹介される。本当のバリアフリーは、多数者にとっても、他の障害者にとっても「生きやすい社会」を保障することに気づかせてくれる。

 生物学者の伊藤啓さんは、ショウジョウバエを使って研究を行っているが、ショウジョウバエの目が赤く見えることがない。色弱だからだ。24色の色鉛筆は、全部違う色には見えるが、見分けがつきにくい色がある。たとえば、水色とピンクの色の見分けがつきにくい。だから、水色の鉛筆をとってくれと言われても、それは困難な作業となる。もし、鉛筆に色の名前が書いてあれが、間違えることなく渡すことができるだろう。それを新聞に投書してから、文房具メーカーの中には、ペンなどに色名を書く所が出てきた。リモコンにも、衣料品にも色名が書かれるものが作られようになった。

 日本人の場合、男性では20人に1人(5%)が程度の差はあるものの、色弱といわれている。女性は少なく500人に1人といわれている。これは、民族により差がある。

 多くの人に見やすいデザインを目指して、伊藤さんは他の研究者に呼びかけて「NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)」を立ち上げた。色弱の当事者やデザイナーも参加して、今では、この組織に、地図を作っている印刷社やコピー機メーカーなどの企業が相談に訪れている。駅の路線図も、注意すれば、多くの人が見やすい工夫がなされていることに気づくだろう。まだまだ、改善は、今後の課題となっている。
 
 

 おなじみの「非常口」を示すマークは、日本生まれだが、世界中で採用されている。言語を超えて誰にでも情報を伝えることのできる「ピクトグラム」や、写真を使って、自閉症や脳性マヒの人にコミュニケーション手段として使う試みの紹介が第二章で紹介される。

 以下、視覚障害者を「触常者」、健常者を「見常者」とよび、触覚が開く豊かな世界を紹介する広瀬浩二郎さんの試み、盲ろう者が使える電話「ヘレンケラーホン」を開発した長谷川貞夫さん、自閉症スペクトラムの人たちの生きにくさを、脳神経心理学などからわかってきたことを応用することで、改善しようと研究を続けている東大先端科学技術センターの近藤武雄さんらの紹介を通じて、本当のバリアフリーとは何か、ユニバーサルデザインの可能性を知り、考える上での、情報が満載の本であった。

手話通訳派遣事業は有料が妥当か/三多摩の場合

2009-05-01 18:12:36 | 福祉
 障害者自立支援法の施行以来、多くの制度の問題点が出現した。福祉サービスを金で買うという思想が妥当であるのか、これは、サービスを必要とする障害者ほど、負担が大きくなるという矛盾をはじめ、そもそもが財政上の要求から出発したので、福祉の思想が欠落している。
 こうした問題点の見直し、法律の廃止を求めて、各障害者団体が協力して運動を展開している。与党のプロジェクトチームも、「応益負担の原則」という、この法律の根幹を変える動きを見せるなど、制度にはぐらつきが生じている。
 しかし、そうした動きも確定したものではなく、今も、この法律の下で、施設の苦しい運営などの問題の下、制度が運用されている。

 聴覚障害者にとって、情報保障として重要な「手話通訳派遣事業」が、法律の施行後、各市町村に移行してから、その運営が各自治体ごとにまちまちになっている。

 三多摩でも、八王子の場合は、今年度も派遣依頼は無料であるが、日野市や昭島市、東村山市などや有料である。特に、東村山市では、今まで、5%の負担を利用者に求めていたものが、10%の負担を今年から求めるようになった。

 住む街によって、適用方法がバラバラとなっている。本来は、聴覚障害者が、医療機関、買い物、学校の行事に参加するときに、コミュニケーション手段が無料で保障されるのが福祉の観点である。不便さを解消するために、人間らしい活動が保障されるための、手話通訳派遣を依頼することが、金次第の地域が生じて、地域格差が発生している矛盾にも充分に検討して、今後も広く市民の連帯を求めて、情報保障の運動が続けられなくはならない。

 要約筆記の依頼や、視覚障害者のガイドヘルパー依頼にも同様の問題点が存在する。

地元の福祉関係イベント続きます

2009-04-24 16:33:43 | 福祉
 青梅市にある、ろう重複障害者生活就労施設「たましろの郷」では、4月26日㈰の11:00から14:00までの予定で、「開所7周年記念もちつき大会」が開催されます。障害者自立支援法の成立で、施設運営が大変になっていますが、きっと、当日は仲間たちの顔も輝いているのでしょうね。ボランティアの人たちも、ご苦労様です。

 さて、5月に入ってから以降、地元八王子でも、様々な催しが行われます。

☆第26回 福祉まつり 
 日時: 5月17日㈰ 10:00~15:00
 場所:富士森公園南側上段(桜並木通り) ※大雨の時は緊急中止あり
  八王子市聴覚障害者協会、各共同作業所のお店が出ます。

☆生まれ変わって 第2回「みんなちがってみんないい」
 日時: 5月31日㈰ 10:30~16:00
 場所: 八王子市市庁舎前浅川河川敷広場
  多文化共生型野外フリーイベントです。エコを取り入れたイベントとして生まれ変わってから2回目を迎えます。八王子市聴覚障害者協会による、手話の体験コーナーもあります。アイヌの歌と踊り、朝鮮音楽、エイサーなども楽しめます。エスニックや福祉関係の売店も出ます。

生まれ変わって 第2回 みんなちがってみんないい

☆「たましろフェスタ2009 in 多摩」
 八王子のすぐ隣の市で行われるお祭りです。ささえよう「たましろの郷」広げよう新しい福祉事業をスローガンに開催されます。

 日時:7月5日㈰ 10:00~16:00
 場所:多摩市立 多摩永山中学校

TV福祉ネット/犯罪を犯した知的障害者と向き合う

2009-04-17 12:20:33 | 福祉
 NHK教育テレビで、8日、9日の二日にかけて、知的障害者の犯罪についての放送を行った。以前にも、触法障害者についての番組も放送している。
 第一日目は、刑務所における実情と処遇の試行錯誤が紹介されていた。第二日目は、出所後及び裁判中の知的障害者をサポートする地域の試みが紹介されていた。

 刑務所に入所した場合、知能検査が実施されるが、テスト可能の受刑者という条件下での、IQ70以下の知的障害の疑いのある者の割合は20%強となっている。(平成15年法務省調査)。その内、療育手帳も所持していたものの割合は、サンプル調査では、410名中26名で6%しかなかった。(平成16年厚労省研究班調べ)。つまりは、刑務所に入って初めて、自分が知的障害者である疑いがあることが判明するケースが多いのである。犯罪の動機に関しては、36.8%が「生活苦」を挙げている。また、罪名は、窃盗が43.4%、詐欺が6.8%となっている(同調べ)。しかし、窃盗の内容も、万引きや賽銭泥棒等、詐欺の内容も無銭飲食・無賃乗車等、無計画で軽微なものが多い。

 こうしたことは、犯罪に至るまでに、社会において福祉の網の目から漏れて、本人の障害の自覚なしに、社会の不適応の生活を送ってきた触法知的障害者が多いことを示している。つまりは、知的障害故に犯罪を起こすのではなく、社会福祉の適当な支援を彼らが受けられなかったことが、大きな原因となっている。

 刑務所でも、彼らとの意思疎通や処遇面で苦慮している。兵庫県加古川市にある、民間業者との共同事業の「播磨社会復帰保健センター」では、入所者定員1000人のうち、定員120名の知的障害者のための特別なプログラムの「特化ユニット」が行われている。地元の農業団体職員の有償の指導による農作業を通じての、矯正・社会復帰が試みられている。

 兵庫県西宮市にある、相談支援センター「であい」は、行政の依頼を受けて障害者の就労や、療育の相談支援活動を行っているが、出所後の知的障害者及び裁判中の知的障害者への支援活動を行っている。ケース会議には、本人も参加して、自分の置かれている状態を理解することの第一歩としている。本人には、罪の意識がなく、裁判の意味も分からない者も多い。裁判中のケースに対しては、詳細な分析に基づく調査書を作成し、裁判所に提出することで、本人を支援している。

 知的障害者が罪を犯すには、福祉の手が届かなかった他にも、家族内の虐待、友人関係におけるいじめ等様々な問題が存在する。犯罪に至らないような、早くからの気付きによるサポートと、刑務所施設での処遇、出所後の受け入れ態勢などの課題は、今後、早急に解決する必要がある。それが、犯罪の予防、再犯防止につながるのである。生きにくい世の中を、周囲の理解を得ることなく、孤立した生活を送る知的障害者がいることを、もっと社会が認識する必要がある。

気になるニュース/福祉

2009-03-23 10:27:03 | 福祉
40代後半で認知症、10万人に27人 厚労省が対策(朝日新聞) - goo ニュース

 まずは、若年性の認知症の発症割合の推定値が、厚労省の研究班から出されたこと。
働き盛りの認知症対策が急がれる。人間の尊厳にもかかわる問題である。

看護師候補の選抜開始 インドネシアから第2陣(共同通信) - goo ニュース

 前年のインドネシアからの介護福祉士候補の来日に続いて、今回は看護師候補の来日に向け、看護師候補の選抜がインドネシアで始まったという。日本語の習得及び、日本での資格試験の合格という壁を乗り越えなくてはならない。

 賃金の安い外国からの、福祉・医療現場への労働力獲得は、そのおもな目的が経済性に尽きるなら、大いに問題である。労働力提供の国にしても、専門職の海外流出により自国の福祉・介護分野での人材不足も懸念される。また、インドネシア人の場合は、イスラム教いう宗教に対する受け入れる現場側の対応もどのような影響を及ぼすのかも、未知数である。

 また、何よりも、わが国の福祉・医療現場で働く労働者に対する労働環境へのマイナスの影響も懸念される。労働条件が低い方で固定されてしまうことの。

介護保険制度の認定基準見直し

2009-02-18 21:58:49 | 福祉
 今回の記事は、透析患者の視点から書かれたものだが、一般介護保険サービス利用者にも同様の問題が起きてくる。

 おいらの透析クリニックでも、介護を必要とする患者が目立つようになった。透析医療の進歩で、長期生存者が増えたことと、高齢者の透析導入が増加したのが原因なのだろう。おいらが、透析クリニックで透析を始めたころは、元気な患者が多かったように記憶している。しかし、時間が経過するにつれて、合併症などで身体が衰弱する患者の姿を見る機会が多くなった。中には、認知症により他の施設に移らざるを得ない患者もいた。同じフロアで透析をしているのだから、衰弱する患者の姿を見ざるを得ない。いずれ来る自分の将来の姿を重ねる。

 こうした傾向は、全国的なもので、最近は「透析難民」をいう言葉も問題にされ始めた。透析施設に移動することが困難になった患者のことである。福祉タクシーやヘルパーによる送迎サービスを利用するためには、介護保険サービスを利用することが必要となるが、事前に要介護認定を受ける必要がある。このことに関しては、以前に開かれた東腎協三多摩ブロックでの学習交流集会でも問題となった。

 今月に開かれた、クリニックの役員会で、全国腎臓病協議会からの「介護保険制度の認定基準見直し」についてのお知らせが紹介された。患者会を通して、会員及び家族に伝えてほしいとの意向だった。介護保険での要介護認定の新方式は4月に実施が予定されている。

 その内容の概要は以下の通り。

☆新基準では現在より軽く判定される恐れがある
 新しい基準については、昨年11月に「要介護認定調査検討会」(厚労省老健局私的検討会)が発表した「要介護認定モデル事業」の結果から、現行との判定結果に大きな差が見られず、新基準はほぼ現行と同様と報告された。しかし、1月に更に詳細なデータが明らかになったが、その内容から、「要支援2」以上の全介護において2~3割の人が現行の認定より軽く判定されていたことが判明した。

☆要支援になると通院介護の利用制限や実費負担が発生する
 今回の見直しでは、透析患者に多い「要介護1」の認定方法が変わる。例えば、「要介護1」から「要支援2」に変更された場合は、訪問介護における「通院介助」サービスが保険利用できなくなり、実費負担が生じるなど、透析患者の在宅生活に大きな影響が生ずる恐れがある。

☆要介護(要支援)認定を受ける時に気をつけること
 ① 心身の状態を調査員に「丁寧」に伝える
  例えば、「歩行ができる」という状態も「5メートル程度で息切れをしながら…」だったり、「本当は杖歩行でないとふらついて…」など、一つの動作に「時間」がかかる状況を丁寧に伝える。
 ② 調査には「複数」で立ち会う
  丁寧に状況を見てもらうためには、普段の様子をよく知っている家族や介護者に同席してもらい、必要に応じて補足してもらう。
 ③ 通院介護の必要性を「意見書」にはっきり書いてもらう
  いつも診てくれている主治医だから安心しないで、通院介助が必要な状態であればそのことをはっきり「意見書」に書いてもらうこと。
 ④ 介護度は「重く」ではなく「適正」に判定してもらうという認識が必要
  丁寧に状態を伝えるのは、介護度を「重く」するためではなく、透析ゆえの不安定な状態など、患者の実態を「適正」に判定結果へ反映させるためである。

 全腎協からお知らせの後に、更なる厚労省による介護認定基準の大幅後退が行われた。要介護認定は、認定調査員による聞き取り調査と、主治医の意見書に基づいて行われるが、聞き取り調査に関しては、聞き取り調査の方法や判断基準を具体的に項目ごとに示した『認定調査員テキスト』が使用される。今回、このテキストに大幅な変更が加えられた。昨年行われた認定方法の影響調査における約3万件のモデル事業の実施では、この新しいテキストの内容は反映されていなかった。旧テキストの下での調査であった。厚労省の言い分としては、その後に86例の検証を行って、新旧テキストのずれは許容範囲内であったという。しかし、その追検証の具体的な内容は公表されていないので、厚労省の言い分も疑問の多いものである。
 モデル事業の結果からも、判定が軽くなることが判明したが、その後のテキストの改定によれば、更なる大幅な後退が懸念されている。厚労省が勝手に、モデル事業の後に重大な変更を勝手に行ったといわれても仕方あるまい。

 今までのテキストでは、「移動」や「移乗」の機会のない重度の寝たきり状態の人でも「全介助」と判断されていた。しかし、新テキストでは、こうした状態の人は、介助の手間がかからないので、「自立(介助なし)」と判断することになった。「食事摂取」の項目でも、食物を口からとれないので、高カロリー液の点滴を受けている人の場合でも、食事の介助が発生していないとの理屈から、「全介助」から「自立(介助なし)に変更される。※「薬の服用」「はみがき等・洗顔」等にも「自立(介護なし)」への変更あり。

 聞き取り調査の結果によって、コンピューターによる一次判定が出るので、判定が軽くなる恐れが指摘されている。今回の新テキストは、モデル事業の検証も無視したもので、やはり、福祉の観点というよりは、財政の観点=介護サービスの抑制の論理が働いたものと思われる。
 
   

くまぷうの「仔猫物語」

2009-02-03 00:22:03 | 福祉
 車椅子のミュージシャン、くまぷうさんの「仔猫物語」。へその緒がついた状態で捨てられていた仔猫2匹。クロちゃんとシロちゃんの成長物語。 音楽と文はくまぷうさん。

くまぷうの「仔猫物語」Part1


くまぷうの「仔猫物語」 Part2


続:そりゃ~もう小さかった頃のシロ姫さま(超可愛い子猫の動画)


涙そうそう(訪問の家「朋」にて) くまぷう&YaYoi



フィリピン人看護師・介護福祉士派遣へ

2009-01-13 19:00:23 | 福祉
 以前、ブログで介護福祉施設で働いている青年が、結婚をするために介護福祉士を止めなくてはいけなくなったことについて書いたことがあります。低賃金の為に、人間らしい家庭生活を営むことが難しいことが理由でした。介護保険の見直しが行われて、介護報酬の改定も行われますが、依然として低水準にあるようです。多くの従事者が現場を止めて行き、潜在的介護福祉士の数も無視できないものになっています。また、現場では、ヘルパーの資格のみを持っている職員が同じ仕事をしても、介護福祉士の資格保有者との差別待遇がされています。さらなる低水準の賃金に甘んじなければならないという実態も無視できません。結局は、こうして過酷な労働条件に支えられているのが、現在の福祉現場なのでしょう。介護報酬の不正受給の問題も、まともにやっていては利益が出ないというのが原因の一つになっているのでしょう。
 医療現場での、看護師不足の問題も過酷な労働条件が問題となっています。ここでも、資格を有しているのにもかかわらず、医療現場から離れている人材が有効に活用されていないようです。

 こうした事態に対する打開策の一つとして、外国からの労働力導入が図られました。去年は、インドネシアから介護福祉士(候補)の受け入れが始まりました。専門職に就くには、一定の期間に日本で資格を獲得することが条件となっていました。一部の施設での受け入れの様子がテレビで報じられましたが、イスラム教徒としての礼拝の時間については、日本側スタッフに戸惑いが見られました。文化の違いも無視できない問題です。日本語での資格試験はかなりの難関となるのでしょう。

 当初は、インドネシアに先立ち、フィリピンから人材受け入れの予定でしたが、条件が整わずに遅れていました。今月12日、日本とフィリピン両政府により、マニラの労働雇用省内で、EPA(経済連携協定)に基づいて、フィリピン人看護師・介護福祉士の派遣受け入れに関する覚書が調印されました。第一陣の来日は、今年4月―5月に予定されています。
 覚書は日本の受け入れ窓口の国際厚生事業団とフィリピンの海外雇用庁の代表により調印されました。これにより、フィリピン側による派遣希望者の募集が開始し、第一陣としては看護師200人、介護福祉士300人を予定し、今後、日本は2年間で合計千人を受け入れることになっています。やはり一定期間後の研修の後に、日本での資格取得を目指します。しかし、介護福祉士については、准福祉介護士資格の創設等の条件緩和が問題となるようです。フィリピンでは、歴史的に各業種で外国への出稼ぎが外貨獲得の上からも積極的に行われてきました。※去年のインドネシアから第一陣の派遣人員数は、当初の予定に満たないものでした。

 こうした動きが、日本人の福祉労働者の賃金低下や労働条件の劣悪化などを招かないように監視していく必要があるようです。少子化対策というよりは、安価な労働力を獲得するために行われる施策であってはならないし、外国人労働者の権利も十分に尊重されなくてはならないのでしょう。また、潜在している日本人の人材の掘り起こしは当然積極的に図られるべきです。

介護福祉士不足の懸念

2008-09-07 12:10:58 | 福祉
敬遠される介護福祉士の養成校 今春入学者は定員の46%(共同通信) - goo ニュース

 介護福祉士は、介護に関する知識と技術をスキルとして介護労働に従事している国家資格者です。ヘルパーに比べて高度の知識、技術を習得して、福祉現場で、日常生活に支障のある障害者に対して心身の状態に応じた介護と指導を行っています。
 
 しかし、低賃金と過重労働が問題になっています。外国からの、介護職従事者の受け入れも、低賃金で介護労働者を雇用したいという施設経営者の思惑と、福祉予算の抑制を図りたい行政側の事情が背景にありそうです。志高く、福祉現場に入った多くの若者が、結婚などを機会に生活のために離職・転職しています。

 今回、厚生労働省の調査で、全国の介護福祉士養成の大学・短大・専修学校等の入学者の減少が厚労省が調査を始めた2006年度から止まらず、2008年度は、定員数2万5407人に対して実際の入学者は1万1638人にとどまることが分かりました。割合にすると45.8%の充足率です。
 ※平成20年4月1日時点での国が指定する大学・短大・専修学校等の社会福祉士養成施設434校を対象に調査。
 
 ☆平成18年度入学者数 1万9289人(充足率 71,8%)
  平成19年度入学者数 1万6696人(充足率 64.0%)

 今後、日本では高齢化が早いペースで進んでいきます。政府の見込みでは、9年後には、140~150万人の介護職員(介護福祉士を含む)の需要を見込んでいます。※平成17年度の介護職員数は約112万人。介護福祉士資格者の登録状況は、平成18年2月末現在で71,265人。ただし、登録のみで福祉現場での労働に従事していない者も含んでいます。

 外国からの介護職従事者の受け入れの問題と相まって、今後、日本人の介護職従事者の不足が深刻な問題になります。

なお介護福祉士の資格取得方法には「3年以上介護等の業務に従事した者が介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士に登録する方法」もあります。