トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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不寛容の恐ろしさ―映画 『アレクサンドリア』は一人でも多くの人の鑑賞を、この時代だから

2012-07-13 23:10:41 | 映画
アレクサンドリア [DVD]
クリエーター情報なし
SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)


アレクサンドリア - goo 映画
アレクサンドリア - goo 映画

 最近は、いささか疲れ気味なので、透析中のDVD鑑賞中にウトウトと、何故か心地よい眠りに誘われて、作品1本観るのが大変になってきている。虫食い状態で、作品の展開がつかめず、何度も巻き戻しをしているうちに、バッテリー切れかタイムオーバーとなりかねない。睡魔に打ち勝つためには、相当なおバカ映画か、鑑賞者に真摯な見方を求める作品を選ぶのが有効である。『アレクサンドリア』は、言うまでもなく後者の作品で、ミニシアター系の上映だったようなので、一人でも多くの人にDVDを通して見てもらいたい。現代は、「寛容」が求められる時代なのに、現実は世界中に「不寛容」の精神が充満している。本来は、人類の文化にも多様性が保証されるべきなのである。自分の思想や宗教観は、他の思想や宗教が自分を客観的に映し出す鏡の役割をしている事を忘れることなく、違う価値観を許容するものでなければならない。
 古代の叡智が結集した文化の殿堂も、狂信者に依って破壊されたとするこの映画の視点は、多くの時間を要して作り上げた知恵のアーカイブが、独善者によりひどく短い時間で破壊される事を、現代社会に警告する。
 実在の女性天文学者をモデルに、自分たちも当初は迫害されたがローマ国教になった後、学問、思想へのテロリストになった、やはり実在の、後に成人とされたキュリロスと対比して描いている。
 当初は、「異教徒」への迫害も、ユダヤ人に対する追放という形で行われ、最終的にはヒュパティアの虐殺へと至る。ナチスの迫害の時間的経過とよく似ている。最初はコミュニスト、次は社会主義者、その時点ではナチズムに反対する人々は、そうした行為は正当だと黙認していたが、やがては民主主義者、宗教家にまで迫害が及んだ時には、もう時遅しの段階であった。
 もちろん、理性の人であったヒュパティアも、自分の奴隷であったダオスを当然人間扱いしない時代の制約も、映画は描いている。

 人間は歴史から学ぶ必要があると言われ続けてきたが、悪いことばかりを学んで繰り返してきた感がある。「寛容」の精神が求められる現代だから、ポピュリズムのようにファシズムが復活する要素を孕んでいる現代だからこそ、こうした作品が作れれる、商業主義の下にもかかわらず、良心を信じてみたいものである。

エロバリって何? 障害者にも成人映画を

2010-08-02 00:16:05 | 映画
 「性」は、人間にとって大切なものである。都立七生養護学校事件における、国家主義をとる都会議員をはじめとした都の教育委員会の不当な介入も、障害者と性を考える上での大きな事件であった。戦時の純潔教育は、銃後の守りの面で、兵士が安心して闘うことを可能にするためのものであった。その考えが、今も、亡霊のように一部に跋扈している。
 5月6日にNHK教育テレビで放送された内容は、脳性マヒという障害を持った男性が、同時に、性同一性障害に悩んできた姿と、それを受け入れた現在の姿を映し出していた。「ダブルマイノリティ」という視点から、放送された。
 去年、聴覚障害者の男性同性愛者のためのHIV/エイズ予防のパンフレットを手に入れた。中には、病気の予防や感染の仕方など、また、保健所での検査を申し込む方法などが、写真で表わされた手話表現と文字で描かれていた。検査申し込みのための、fax用紙のひな型も載せられていた。

 8月1日付の朝日新聞多摩版に『障害者に「エロバリ」を』というタイトルの記事が載っていた。エロバリとは、初めて聞く言葉であった。

 最近、かつての日活のロマンポルノが、女性に注目されているという報道があった。僕らが観ていた時代には、ロマンポルノを女性が観るということは、まず、あり得ないことであった。日活の一連の作品群は、今、内容が再評価されているようだ。このソフト路線の作品群の他に、18歳未満禁止の成人向けの映画が、ポルノ館と呼ばれる映画館で上映されていた。
 成人映画という言葉は、しばらく使っていなかった言葉である。この成人向け映画、障害者に対しても楽しんでもらいたいという試みが始まった。それが、エロバリである。エロティック・バリアフリー・ムービーの略である。
 記事の中では、「性的な描写場面などで、役者の動きを女優が解説する情感あふれる副音声や字幕を生かし、より体感できる映画をめざしている。」と紹介されている。聴覚障害者も視覚障害者も、楽しめるということだ。
 障害者と性という大事な問題を考える上で、参考になりそうだ。

 本日2日には、障害のある人も招いての、副音声の実演ライブ付き試写会が、ポレポレ東中野で行われるという。
 一般公開は、同映画館で21日から始まるそうだ。

 なお、上映される2作の映画については、下のリンクを参考にして欲しい。

私の調教日記 - goo 映画私の調教日記 - goo 映画

ナース夏子の熱い夏 - goo 映画ナース夏子の熱い夏 - goo 映画

Electric Dreams

2010-06-06 23:35:12 | 映画
 コンピュータの進歩ほど、激しいものは無いですね。最初に触れたPCは、カセットテープでベイシック言語をインストールしてから使いました。ワープロ機能もなく、雑誌に載っているプログラムを打ち込んで、簡単なゲームなどを楽しんでいました。でも、うちこみに失敗すると、上手く起動しなかったりで。もちろん、カセットに入ったゲームソフトもありましたが、今のCGの足元にも及ばないものでした。ウインドウズなんてありませんでした。その頃、外圧で、日本のOS開発が中止に追い込まれています。

 さて、その当時の雰囲気を伝える大好きな映画が「エレクトリックドリーム」です。意識を持ったPCが、恋をするというもので、恋の相手の音楽家の女性に対して、PCの持ち主との三角関係という状況に追い込まれてしまいます。PCが見る夢が描かれますが、当時のCGのレベルでの描き方で、随分と古めかしいものです。でも、表現する所は、それなりに切なく描かれています。電子羊ならぬPCも夢を見るんですから。

 この映画に使われる音楽も大好きです。

 DVD化してほしい作品なのですが、ビデオソフトは持っています。

 時間を感じさせる映画です。

エレクトリック・ドリーム(1984) - goo 映画
エレクトリック・ドリーム(1984) - goo 映画

Electric Dreams


Phil Oakley - Together In Electric Dreams


love is love (electric dreams soundtrack)



ドキュメンタリー映画「弁護士 布施辰治」(予告編)

2010-05-26 22:44:14 | 映画
ドキュメンタリー映画「弁護士 布施辰治」(予告編第1弾)


ドキュメンタリー映画「弁護士 布施辰治」予告編第2弾 その1


ドキュメンタリー映画「弁護士 布施辰治」予告編第2弾 その2


ドキュメンタリー映画「弁護士 布施辰治」予告編第2弾 その3


完成記念有料試写会 高校生以上1000円

2010年5月28日(金)
場所:なかのZERO 小ホール
東京都中野区中野2-9-7 TEL 03-5340-5000
主催:「弁護士 布施辰治」製作委員会 TEL 03-5840-9361
1回目15:00~ (開場14: 30)
2回目18:30~ (開場18: 00)

 各地の上映予定等の情報は、「弁護士 布施辰治」製作委員会HPへ。


弁護士布施辰治
大石 進
西田書店

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ある弁護士の生涯―布施辰治 (岩波新書)
布施 柑治
岩波書店

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「いのちの山河」試写会参加/八王子での上映会のお知らせとお誘い

2010-03-13 03:02:03 | 映画
 昨日の夜は、映画「いのちの山河~日本の青空Ⅱ~」の試写会に行ってきました。本上映を5月に控えてのものです。

 前作「日本の青空」は、今の憲法が、けっして米国による押しつけのものではないという内容の映画でした。僕たちが生活している三多摩の五日市に、明治時代に自由民権運動の中で、政治を学ぶ農村の青年たちがいました。「坂の上の雲」では、けっして描かなかった庶民と呼ばれる人たちと、彼らの先駆的な行動が、東京の辺境の地域で見られたのです。彼らは、農作業や商売が終わった後の夜に、政治について討論会を重ねていきます。その成果として、「五日市憲法草案」を生みだします。当時の帝国憲法よりも早く、進歩的な草案でした。そうした土台を元に、終戦後、いち早く憲法草案をつくった日本人たちのグループが存在しました。鈴木安蔵を中心とする人々で、彼らは、その草案をGHQに提出します。これが、今の憲法の成立に生かされているのです。

 今回の映画は、日本一貧しい村といわれた岩手県沢内村に、帰郷する深沢晟雄(まさお)夫妻が、雪深い雪原の中を馬車に乗ってくる所から始まります。
 当時、沢内村に通じる道は1本しかなく、雪の閉ざされた冬の間は、村自体が陸の孤島と化してしまいました。そのため、病人が出ても、村から出ることも出来ず、また、貧困も原因となって、医者にかかるのは、埋葬のための診断書を書いてもらう死後のことというのも珍しいことではありませんでした。
 乳幼児の死亡数も多く、老人も、貧困から自ら命を絶つという「姥捨て山」のケースが少なくありませんでした。もはや、「豪雪・多病多死・貧困」の三悪に対しても、村人は宿命とあきらめざるを得ない状態が続いていたのでした。
 この三悪に立ち向かった沢内村村長深沢晟雄の生涯を描いた作品です。深沢は、戦争中の満州での体験から、憲法9条の精神を身を持って実感していました。最大の悪としての戦争を嫌い、また、憲法25条の精神がこの貧しい村に生きることを実践を通して実現していきます。その時の方法は、上からの改革ではなく、あくまでも、村人の意識の向上を伴ってのものでした。日本で初めて、60歳以上の乳児の医療費無料化を実現します。そして、ついには、日本で初めて、年間の乳児の死亡者0を実現します。
 他にも、この映画には、父親との関係など、多くの人間ドラマが描かれています。

 以前は、国も、老人医療費の無料化を行ったこともありました。沢内村に遅れてですが。しかし、その後、特に小泉政権の時の、竹中氏などの新自由主義経済は、格差を是とし、弱肉強食の社会を積極的に作り出し、国民の命を守る施策は後退すらしたのです。あの年越し派遣村の出現は、現在進行している「貧困化」をまさに、社会に強く意識させるきっかけとなりました。

 今や、生活保護世帯も過去最高数となっています。それでも、自治体では、保護申請する受け付けないような態勢が強まっています。

 「命に格差があってはならない」、深沢村長の意思を今一度、振り返った考える必要があるのでしょう。

 主権在民の意味も、よく考える必要があります。

 今後の上映会のお知らせをします。是非、一人でも多くの方が、この映画を見られることを切望します。当日には、大澤豊監督や出演者の挨拶も予定しています。

日時:2010年5月20日㈭
場所:いちょうホール(大ホール・八王子市)
上映時間 ①10:30~
     ②14:00~
     ③19:00~

 料金 ■ 一般前売り   1200円(当日1500円)
    ■ 大学・専門学生 1000円
    ■ 中高生      500円
    ■ 障害者      500円
      チケット取扱い : いちょうホール ・くまざわ書店(八王子店・☎042-625-1210)
 
 主催:八王子で映画「いのちの山河」をみんなでみよう会
 後援:八王子市教育委員会・八王子老人クラブ連合会

映画「いのちの山河」予告編


いのちの山河・上映開始ニュース


いのちの山河~日本の青空Ⅱ~ 公式HP

 なお、上映会のプレ企画として、その後の沢内村の様子を描いた長編記録映画「いのちの作法」の上映と都鳥伸也氏(制作・企画・プロヂューサー)他のトークも行われます。なかなか見る機会の少ない映画で、なお、都鳥氏の話が聴ける絶好のチャンスです。

 日時:2010年4月10日㈯ 18:30~
 場所:いちょうホール(小ホール・八王子市芸術文化会館)
 参加費: 500円

 e-mail inochinosanga@yahoo.co.jp

記録映画『いのちの作法』予告編(219sec)


本作品は、昭和30年代に、豪雪・貧困・多病多死の三重苦を乗り越え、全国に先駆けて老人医療費の無償化と乳児死亡率ゼロを達成した岩手県西和賀町(旧沢内村)を舞台に、いのちを大切にするという「生命尊重の理念」を受け継ぐ若い世代を記録した作品です。老人や障害者、そして、児童養護施設の子どもたちの生命に向き合いながら、地域に生きることを模索している西和賀町の人々の姿は、私たち日本人に、改めて本当に価値のあるものを教えてくれます。

村長ありき―沢内村 深沢晟雄の生涯
及川 和男
れんが書房新社

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『ブタがいた教室』 ホール上映に行く

2010-02-15 00:39:01 | 映画
 日曜日は、午前中、朝食をとってから、さっそくいちょうホールへ出かけました。「八王子親と子のよい映画をみる会」による「ブタがいた教室」の上映があるからです。この会は、出来てから40年も経っているそうで、今回の作品は、101回目の上映にあたります。三多摩でも、同様の会がありますが、八王子ほど、上映回数が多くはありません。

 僕も、かなり前に、この会のおかげで、色々な映画を観ることが出来ました。「はだしのゲン」や、「大地は天使でいっぱいだ」などを観ています。

 それから、ずっと、この会の上映会とはご無沙汰の状態でしたが、会の方は、活動を継続していた訳です。

 久しぶりの映画に行くことになったのは、「ブタのいた教室」を、前々から観たかったこと、それと、最近の会の様子も知りたかったからです。

 会場には、親子連れや、おばあさんと一緒の子どもたちの姿が見られました。

 内容が、かなり深刻なテーマを含んだ作品でしたが、大人たちと違い、子どもたちがどう感じたのかは、興味のある所です。

ブタがいた教室 - goo 映画ブタがいた教室 - goo 映画

ブタがいた教室


 原作となった、実際の行われた授業と共に、この映画を観た人の間では、賛否両論があるでしょう。実際、低い評価を与える人もいます。

 しかし、僕自身は、人間という存在が、植物や動物という他の生物を食べることで、大脳を発達させ、また、現在、こうして、生きていることが出来ることを、認識出来る映画だと思っています。現在は、人の死も病院において迎えるケースの方が圧倒的に多くなり、子どもたちをはじめ、死の実感がわくことが少なくなった世の中になっています。学校でも、死というものに対する教育がほとんどされたいないのではないのでしょうか。生というものを、認識したり、その価値を認めるためにも、死というものに、真正面から向かい合う教育も必要なのではないのでしょうか。大学生の中にも、死者のよみがえりを単純に信じている学生が少なくないそうです。死の感覚が、だんだんと希薄になっている。それは、ズピリチュアリズムのような非合理主義の蔓延を招いている危惧すら感じています。

 同じホールで、先日行われた涅槃会の集いでの、作家の石川英輔氏の講演の中にも、映画に関連するような話がありました。

 ヨーロッパの女子修道院を訪れた日本人の話です。ご存じのように、修道院は、自給自足の生活が原則になっているという歴史があります。そこで、シスターが、食事に使うために、飼っている鶏の首を、ハサミで次々を切り落としていたそうです。日本人は、シスターに、そういうことをしていて、何にも感じないんですかと聞いたところ、動物には、魂がないから、別に、残酷だとも思わないという返事だったそうです。キリスト教では、創世記に書かれているように、魂があるのは、人間だけで、人間が他の動物を支配することになっています。
 日本人の愛犬家が、自分のペットが死んだので、教会の神父にミサをあげてもらうように頼んだところ、当然、断られました。動物には、魂がないからですね。仏教でも、動物に対しても供養が行われる。これは、輪廻転生の考えが反映していることと、日本では、山川草木悉有仏性ということがいわれていることが関係しているのでしょう。
 でも、原始仏教でも、肉食を厳格に禁止したのは、提婆達多の教団の方だったという研究もあるようです。
 
 映画の中に、転校生だった少女が、ブタのピーちゃんが最後に子どもたちとサッカーボールで遊んでいる時に、転がってきたボールを足で蹴り返すシーンが出てきます。彼女は、最初から、ブタを食肉センターに送ることには、反対の立場でした。続くシーンでは、誰もいない校庭に残されたサッカーボールが映し出されます。そこまでの展開が、命のバトンを象徴しているように感じました。

ブタがいた教室 (通常版) [DVD]

NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)

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豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日
黒田 恭史
ミネルヴァ書房

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映画『しかしそれだけではない。加藤周一幽霊と語る』予告編

2010-02-01 10:48:42 | 映画
映画『しかしそれだけではない。加藤周一幽霊と語る』予告編


戦後の日本を代表する知識人として発言を続けた加藤周一が最後に残したメッセージを、 彼自身の歩みとともに構成したドキュメンタリー。 
2010年2月27日(土)渋谷シネマ・アンジェリカで公開開始 

映画公式サイト

『アンダンテ ~稲の旋律~』予告編

2010-01-23 21:29:22 | 映画
アンダンテ~稲の旋律~ - goo 映画アンダンテ~稲の旋律~ - goo 映画

『アンダンテ ~稲の旋律~』予告編


2010年1月23日~2月12日 ポレポレ東中野にてロードショー! 食と農と大地、そして人間再生の物語! それぞれの生き方の中で、転機に立つ現代人の葛藤と再生を描く、 最大の話題作!

 全国各地での上映予定の情報は、公式サイトをご覧ください。

映画『アンダンテ ~稲の旋律~ 』公式サイト

アンダンテ~稲の旋律~1 PR


アンダンテ~稲の旋律~2 特報


稲の旋律
旭爪 あかね
新日本出版社

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『鏡の中のマヤ・デレン』シアター・イメージフォーラムでロードショー

2009-12-28 18:50:19 | 映画
『鏡の中のマヤ・デレン』シアター・イメージフォーラムでロードショー


マヤ・デレンの数々の神話に包まれた人生を紐解く傑作ドキュメン タリーを2010年1月9日より、渋谷シアター・イメージフォー ラムで公開。同時に彼女の映画作品全6作も同時上映。