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透析、気になるニュース『糖尿病の新規治療法の実現に期待 - 慶応大が糖尿病性腎症の発症機構を解明』

2013-10-25 16:53:21 | 透析

糖尿病の新規治療法の実現に期待 - 慶応大が糖尿病性腎症の発症機構を解明(マイナビニュース) - goo ニュース

 日本の透析医療は世界一といわれている。その代わりに、先年の臓器移植法の改正を受けても、腎移植は劇的に増加していない。また、本来は献体腎移植が原則であるべきなのであるが、生体腎移植の割合が多い。生体腎移植の場合は、人間関係のしがらみなどの問題点がありそうな気がするので、ごく一部の場合を除いては、推奨されるべき方法とは思えないのが実感される。脳死による臓器移植の推進は、我が国では宗教的、文化的伝統から、国民の間に広がることが困難となっている。長い目で見た場合、小学生からの教育の中で、「命のリレー」という観点で、若い世代に臓器移植の意味するところを生命の哲学として広めていく必要がありそうである。

 透析医療費に要する医療費に対する高い割合から、腎移植による医療費の削減、治療法の費用対効果という経済的観点を医療行政に取り入れようとする動きも見られるようである。これも、極端な話になると、国家や社会に有用な透析患者とそうでない患者との医療の差別化ということにもなりかねない。また、患者の側から見れば、自分たちが自分たちを生かしてくれる社会に対して、どれだけ貢献できるかという課題にも関係している。

 透析患者の医療費の削減で、効果があると思われるのが、CKD(慢性腎臓病)対策の充実と実行である。一部自治体では、「尼崎方式」をはじめとする方法で、透析導入に至る患者の数を減らすことに成功しているようだ。患者団体でも、CKD対策の行政機関に対してのCKD対策推進と、市民に対するCKDに対する講演会の開催など、啓発活動を行っているところがある。

 CKDから透析導入へ至る患者の数を減らすには、最近では透析導入の原因疾患1位の糖尿病患者に、もちろん予備軍も含めてであるが、働きかけることが有効であるようだ。

 今回の研究成果のニュースは、内容を理解するのは容易ではないが、糖尿病患者の合併症であり、透析導入に至るリスクの大きい糖尿病性腎炎の発症メカニズムを、今までとは違う「代謝」という観点から解明したもので、糖尿病性腎炎の「超早期発見」の可能性と、その段階での治療の可能性を内在している研究に関する注目すべきものであった。

 患者団体も含めて、透析患者がCKD対策を行政や社会に働きかけるためには、多くの情報が必要となる。今回の研究成果は、理解するのにてこずるかも知れないが、しっかりと自分たちの情報として、患者として一定のレベルでの理解が必要となるだろう。



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