路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

身のうちの暗河澱んで衣替え

2011年06月01日 | Weblog

 雨の後晴れた、のだっけ。ともかく、一日中力仕事していたら汗が滝のごとく噴出して、われながら気持ち悪い。気温的にはそんなに高くないのに少し動いただけで熱気がやたらこもる、そんな季節がまたやってきてしまった。

 新聞に清水昶の訃報が出ていて、驚く。掲示板に移転の書き込みがあったばかりなのに、ほんとに急逝だな。
 そのかみの現代詩の青春、混沌の60年代から70年代へと詩の前衛を駆ける白面の貴公子、といった印象、というかそのような存在だったけれど。もっともワシ的にはお兄さんの清水哲男の模倣ちゃうか、みたいなところがあったけれど。ともかく、かつての颯爽と、近年のモーロクぶり、というか、たまに発表される詩や俳句のヘタクソさにしばしばオドロク、ということではありました。ってお前ナニサマ、でスンマセン。
 ともかく、胸張って明るく後退して行く兄を見ながら、内面にこもって身動きならなくなった詩人の突然の訃、そういった印象でありました。(生意気スンマセン)
 でも驚いたな。

 ・・・・・
 かたくなに閉じたきみは
 ただ艶やかに匂い
 しめやかな五月の夜に
 嵐のような吐き気がきみを吹きぬけ
 数千の籾殻と一緒に
 光る果実を吹きとばしたことなど
 わたしは知らぬ
 ・・・・・
         (清水昶 「暗い五月」抄)