物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ips細胞は現象論的段階

2012-10-09 10:22:57 | 学問

昨夜のニュースはなんといっても山中伸弥教授のips細胞の発見と創製による業績による医学・生理学分野のノーベル賞受賞であろう。これは生物学の常識を覆した大発見である。ノーベル賞をもらっても当然の業績であろう。

だが、もちろんこれは武谷三段階論でいえば、現象論的段階か実体論的段階であり、さらに本質論的段階に進んで行かねばならない。

これは山中教授が見つけた4つの遺伝子がなぜips細胞をつくれるように働くのかという根源的な問いがある。その本質を問うという研究は私などにはわからないが、もうすでに始まっているのだと思う。

もちろん、ips細胞を用いて、難病を治療したり、または再生医療に使ったりすることは、病気の患者さんがおられるのだからしなければならないことであろう。

だが、その普通の体細胞を4つの遺伝子を組み込むことによって、なぜ受精卵類似のips細胞ができるのかの根本の理由を知りたいと思う。

これは多分私の生きている間にはわからないかもしれないが、それが分子生物学レベルでの、または量子力学レベルの問題としてあると思っている。

誤解してもらいたくないのは私が「ips細胞は現象論的段階」と言っても別に山中さんの業績を軽んじたり、貶めたりする意図はまったくないということである。

業績そのものはそれが武谷三段階論から見て、現象論的段階に位置づけられようともとてもすばらしい。このことはどういって見ても変らない事実である。ただ、人間はそこで好奇心が尽きてしまう訳ではないということである。

将来的には彼の研究から、また新しい研究が出て、新しいノーベル賞を産むことになるのだろうと思っている。


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