物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

coffee break(コーヒーブリーク)

2012-09-21 11:32:49 | 日記・エッセイ・コラム

coffee break(コーヒーブリーク)などというシャレた言葉を覚えたのは1965年に中間子論30周年記念の国際会議を湯川先生が京都で開かれたときに、そのサテライトのシンポジウムとしてやはり京都で行われた素粒子国際シンポジウムではじめて聞いたときである。

シンポジウムの途中で、ときどき休憩があり、それがcoffee break(コーヒーブリーク)と言われていた。その後1976年に1年間ドイツに留学をしたが、ドイツではKaffeepause(カフェーパウゼ)と言われていた。

ドイツ人は一般にはコーヒー好きだが、この点では紅茶好きのイギリス人とは大きく異なっている。もちろん紅茶を好んで、コーヒーをあまり飲まない人たちもいるらしい。

北海沿岸のフリースラントではドイツ人でも紅茶を好む人が多いと数年前に聞いて意外な気がした。しかし、北海をはさんでイギリスとヨーロッパの両岸で同じような嗜好の人たちが住んでいることはある程度うなづけることである。

coffee break(コーヒーブリーク)はフランス語圏ではpause-caf'e(ポーズカフェ)という。

ドイツへ留学する前にどれくらいの期間ドイツ語の研修を受けたらいいかの判定のために、大阪のゲーテ協会でドイツ語の学力検定を受けたが、そのときにはPauseなどという、日常語を知らなかったので、検定試験の途中でich mo"cte Ruhe haben(イッヒ メヒテ ルーエ ハーベン)と言ったら、Ah ja, Pauseと言われて、なんとか意味が通じて休憩をとることができた。

その後、子どもが半年だけドイツの小学校に通ったときにまずはじめに覚えて帰ったのが、Pause(パウゼ)であった。これは午前中の授業のちょうど中間にパウゼがあり、そのときに子どもたちが校庭でサンドイッチとかのおやつを食べながら友だちと休憩するのである。

その後、松山に帰ってからのことだが、スポーツ少年団がドイツから、松山に来たことがあり、そのときに世話人の一人だった、妻が「おやつの時間だよ」という世話人の言葉にパウゼと叫んだら、ドイツ人の少年たちがOh, ja, jaと集まってきたという後日談もあった。

もっとも、妻の覚えているドイツ語はこの他にはタンクステッレ(ガソリンスタンドのこと)とかアウトバーンとかごく限られた言葉しかない。だから、これは普通の日本人がドイツに行かなくても知っているくらいの語句しか知らないということである。

それでも女性はみんなに親切にされて、もっとたくさんの言葉を知っている、私などよりもパン屋のおばさんとかいった、土地の人とも話が弾んだらしいから、気心を通じるための要は言葉ではないのかもしれない。