ホーエンシュタウフェン

生きるために食え、食うために生きるな。

【RDシリーズ】古い東芝HDDレコーダーを修理する

2024-02-09 21:55:04 | DIY

私は最近あまりTVを観なくなりましたが、それでも「これは」という番組は録画する事にしています。

毎回録画していたのは、かつては「鶴瓶・上岡パペポTV(古っ)」や「朝まで生TV!」、「NHKスペシャル」や未解決事件の特番などです。

ただ最近は、311以降に地震活動が活発になった事もあって、地震速報を録る事や、ウクライナ侵攻など、いわゆる「再放送が見込めない、その時その瞬間の特番」を録画する機会が殆どでした。

皆さんも昔は一家に一台、必ずビデオデッキがあったと思います。

それを使って、各々好きな番組・映画・ドラマを毎週録画して暇な時に観る、というのが日常だったと思います。

 

私の実家は流行家電に関しては本当に無頓着で、エアコンもビデオデッキも、世間様には大抵置いてある家電の導入が周りよりだいぶ遅れていました。

最初に買ってもらったビデオデッキは、世間にビデオデッキというものが完全に普及し終わった頃で、ナショナルの「マックロード」でした。

当時の価格で7万円位だったと思いますが、これは高価なものであり、当時の我が家が購入しなかったのは流行に疎かった事と、この頃のデッキの価格の高さもあったと思います。

ビデオデッキの規格に関しては、ソニーの「ベータ」とビクターその他の「VHS」があり、ベータがVHSに駆逐された頃に我が家に来たのがVHSの「マックロード」です。

バブル期前後というのはレンタルビデオ店が雨後のタケノコの様に氾濫していた時で、置いてあるビデオは全てVHS。

また、特殊なルートで知り得た情報から通信販売でしか入手出来なかった「裏ビデオ」も全てVHSであり、ベータは規格競争に敗れて、やがてはソニーもVHSのデッキを生産するようになります。

 

この頃(80年代後半)のビデオデッキというのはたいへんにコストがかけられており、また純国産で作られている事もあって、90年代のビデオデッキよりも画質が良く(テープの品質も良かった)、家電としての耐久性もありました。

私が学生生活のため上京する折は当然ビデオデッキも持っていきました。

ただ、私の様に映像を収集する様なマニアは、ダビング用にもう1台デッキを購入していて、当時の総務省の統計では「一家に一台」ビデオデッキが設置されている、という事でしたが実態はそうではなく、「ビデオデッキが設置されていないか、設置されている家は2台持っている」というのが真実でした。

その後、私のためにこき使われたマックロードも寿命を迎え、当時の電気屋の言によれば「画質で選ぶならビクター」との甘言に乗っかり、「ビデオはビクター」生活が始まります。

但し、この頃はバブルも崩壊しており、ビデオデッキのコストダウンや耐久性の低さには散々泣かされ、おそらくビクターのデッキだけで6~7台は交換しています。

(画質に拘って当時20万円前後のD-VHSも買いました)

その頃までには数百本のビデオテープばかりが増え、「録る時間はあっても観る時間は無し」という状態だったのですが、次いで出てきたのが「DVDレコーダー」です。

DVDレコーダーの良いところは、まずもってビデオテープの様にかさばらずに済み、テープの劣化によって観られなくなる・トラッキング調整に悩まされる、という事から解放される点です。

そのまま一回録りで使う「DVD-R」や、繰り返し録画出来る「DVD-RW」などの生DVDも併売され、当初はVHSとの合体機が多くを占めました。

ただ、この頃の「生DVD」には「品質が安定していない」という問題があり、デッキとの相性が悪いと録画に失敗する、というビデオでは考えられない欠点も露(あらわ)になりました。

また、ビデオデッキから移行してきたユーザーにとってはひじょうに面倒な事、例えば生DVDの「初期化」を行う手間、ビデオなら「標準か3倍速」の二択だけであった画質=録画時間の分かりにくさ、というものがありました。

DVDは、画質の優劣に応じて録画時間が決まる「ビットレート」というものがあるのですが、「標準ならビデオテープは一本120分・3倍速なら6時間」という単純なものではなく、1.0~9.9という様に、録画したい時間によってビットレートを変える必要があり、機械に疎い人(特に3倍速録画に慣れている人)には面倒くさいものでした。

しかしこの「DVDレコーダー」の販売期間はわずか数年で終わる事になります。

それは、ビデオテープやDVDなどの「ハードメディア」に録画するのではなく、ハードディスクドライブ(HDD)に「記録する」という、「HDDレコーダー」が実用化されたからです。

その嚆矢(物事のはじまり)となったのはソニーの「クリップオン」という機種だった、と記憶していますが定かではありません。

ただ、たまたま観ていたスカパーの番組(侵略放送パンドレッタ?)で、「東芝のRD(HDDレコーダー)シリーズは、開発者が自分の理想とするレコーダーの妄想を、東芝のカネを使って実現した」という触れ込みで紹介されており、特に編集機能が抜きんでいる、との評判を聞き、ひじょうに興味を持ちました。

というのは、一般の人は録画をした番組を一度観たら、上書きしてまた録画するじゃないですか。

テレビに直接外付けHDDを繋いで。

でもマニアは、例えば映画などを録画したら、CMを編集で全カットしてDVDに焼く、という人が多いのです。

私はそういうタイプでしたので(空手の技の研究にも使っていたという事もあり)、「買うなら東芝のRD」と決めていました。

最初に買ったのは品番は忘れましたが、VHSとの合体機でVHSからDVDにダビングも出来るもので、且つ250GBのHDDを持つレコーダーでした。

これは4年位で壊れましたかね。

そして、2台目のRDを購入する事になりました。

 

【ここからが本題】

私は東芝RDの虜になっていました。

録画した動画の編集はとんでもなく時間が掛かり面倒くさい作業なのですが、噂にたがわぬ編集機能の素晴らしさは捨てがたいものでした。

そんな感じですから、2台目のレコーダーもRDになるのは必然でした。1台目が250GBという容量の低さに不満があったので、2台目のRDは500GBの「RD-S304K」という機種を導入しました。

これを購入した頃はアナログ放送が終わり、2011年春からは地上デジタル放送になる、というアナウンスがされていた頃ですから、おそらく2010年に購入したと思います。

このレコーダーは東日本大震災の際は録画しっぱなしで、時々刻々と変わってゆく当時の緊迫した模様、貴重な放送を記録していました。

この時にはビットレートを最低の「1.0」に設定し、昼夜録り続けました(9時間が経つと一旦録画が止まるため、止まったら録り始めるの繰り返し)。

これはHDDレコーダーにしか出来ない芸当で、今でもその時に録画したものは貴重な記録としてDVD化されています。

その2台目のRDがこれです。

 

東芝といえば今は「レグザ」が有名ですが、この頃は「バルディア」という名称を使っていました。

話が少し脱線するのですが、ビデオデッキ時代の様に次世代DVDの規格争いがまたもや勃発。

ソニーが提唱する「ブルーレイディスク」と、東芝が提唱する「HD-DVD」の争いです。

記憶が曖昧なので何となくなのですが、大きくはハリウッドがソニーを支持したためにブルーレイが勝ち、HD-DVDが負けた、と記憶しております。

「バルディア」というのは、その頃東芝がHD-DVDで展開していたブランド名の名残なのです。

これが後に「レグザ」となります。

さて。

 

我が家では今、私の部屋用に東芝DBR-Z160(2TB)と、茶の間用にRD-S304Kとの2台体制なのですが、どうも最近RD-S304Kの調子が悪く、どうしたものかと考えあぐねていました。

不調な点としては、

 

・番組表が表示されない(TVが映らない

・従って予約録画が出来ない

・DVDドライブが壊れている

・DVDの読み込み・初期化・書き込みが出来ない

・つまりデータが取り出せない

 

という事です。

DVDドライブが壊れているという事は、外付けの2TBのHDDも含めてデータのDVD化が出来ない、という事です。

買い替えるにしても、大量のデータが入っている外付けHDDは、一旦別機種に繋いだら「初期化」を要求されるため、実質中のデータが観られなくなります。

バルディアの寿命が来る前に、このデータを出来るだけ多くDVDに焼く必要に迫られているのです。

しかしDVDドライブは壊れている。

更に、このDVDドライブは生産終了品で替えが効かない。どうしたものか...

 

【困った時のヤフオク頼み】

ネットでこの件を調べているうちに、「新品のドライブが無いので、修理に出しても受け付ないだろう」という事と、「ドライブの中古品ならヤフオクにある」事が分かってきました。

このドライブの品番は「DVR-L12STO」で、互換性のある少し新しい後継機で「DVR-L14STO」というものもある、という事が判明。

ヤフオクには各メーカーのドライブが多数出回っており、慎重に根気強く探した結果、程度の良い中古の「DVR-L14STO」があり、これを5,980円で落札しました。

おそらく、新品なら¥30,000前後のものと思われます。

早速配送されてきたので、休日という事もありイッキにこの問題にケリを付ける事にしました。

 

【DVDドライブを交換する】

ま~汚い所に置きっぱなしになっているので、故障するのも文句は言えません。

とりあえず、テレビ台から各種コードを外して、運び出します。

裏側はとんでもない状況になっていました。

10年はこの状態でしたから、こうなりますね。

 

一旦、外に出して大雑把に埃をとります。

 

主にクイックルワイパーを使いました。

 

自分の部屋の机の上に新聞紙を敷き、半導体用のエアダスターも用意。

ハンディ掃除機も用意します。埃っぽいのでマスク必着です。

 

蓋を開けてビックリ!想像以上の埃です。

掃除機で吸いながらブラシで埃を取っていきます。

手前の銀色の箱が、今回交換するDVDドライブです。

 

反対側のHDD側の埃も相当酷い有様。ここはスリットがあるため埃を吸い易いところ。

 

基盤にも一面埃が積もっており、こちらはエアダスターで飛ばします。

 

よくもまぁ、今まで動いていたものだ...

この後、とりあえず妥協しないで徹底的に粉塵を飛ばしました。

だいぶ綺麗になりました。

 

故障したDVDドライブを外しました。

 

これは「DVR-L12STO」だと思っていたのですが、「DVR-L14STO」でした。

製造年月日は2010年5月という事が分かります。

 

交換用のDVDドライブです。

 

手前が今回ヤフオクで入手したもの。

品番は同じですが製造年月日が2012年4月となっています。どういう使われ方をされたかは分かりませんが、少し新しい分、状態は良さそうです。

 

綺麗になった基盤上に、DVDドライブをセット。

 

正面のカバー、基盤類も清掃します。

 

筐体も綺麗に埃を取り、アルコール拭きしました。

 

中も外も綺麗になりました。

今まで勝手に電源が落ちる事があったのですが、おそらく大量の埃が被っていたためと思われます。

作業が終わりましたので、ケーブル類を繋ぎ、動作確認をします。

 

お~、DVDを読み込んだ!

治ってる!

 

異常は無さそうです。

番組表が出ない、テレビの電波が入らない、という不具合があったので、チャンネル設定をやり直します。

 

お!出てきたぞ!

 

映ったぞー!

 

次は、生DVDを入れ、初期化が出来るか確認します。

これが出来ないとデータの保存が出来ません。

 

初期化には、あえて負担の大きい2層式のDVD-R DLを使っていますが、大丈夫ですね。

 

お~、初期化出来るぞ!

 

初期化が始まりました。

 

順調。

 

各チャンネルを40秒程度録画したら、チャンネルの認識が出来ました。

「見るナビ」にも番組名までちゃんと入ってます!

 

今回の修理は成功でした!治って良かった!

ヤフオクで中古品を買うのは一種の博打なので、安心しました。

修理代はかかっていないので、かかった金額はDVDドライブの¥5,980だけでした。

これでデータの保存が再度可能になりました。

 

保存には大量の生DVDが必要ですが、こちらもヤフオクのたたき売りでDVD-R、DVD-R DL、 DVD-RWなど609枚を確保しています。

おそらく4K時代になってブルーレイディスクを使う様になって、要らなくなったんでしょう。

これを読んでいる人は「ブルーレイにすればいいのに」と思うかもしれませんが、この機種はブルーレイじゃないんです。

そして、どんなDVDプレーヤーでも、車載器でも、どんな機種でも観られる様に、あえて時代遅れのDVD-Rを使うのです。

 

頑張ってダビングをしまくります!

 

 


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