「うつせみ和尚」のお説教

『うつせみ和尚の日記』二件の事故が元で『(複雑性)PTSD/鬱』になって
闘病、障害当事者として活動している者です。

読まずに死ねるか!! 「『生きがいの喪失 ヴィクトール・フランクル著』」

2021年09月25日 21時39分38秒 | 「うつせみ和尚」のお説教
V・E・フランクルの本はこれで三冊目。
「死と愛」、「夜と霧」ですが、今回のは本来の「精神科医」としての
姿を色濃く現している一冊となっております。以上!(ウソです)
中から一説を抜粋しますと・・・
『いずれにしても、教育-責任への教育-はかつて以上のものなのです。
そして責任あるものであるとは、選択的であること、好き嫌いのあるもの
なのです。私たちは豊かなる社会に生活しており、マスメディアによって
「刺激物接種過多」になりつつあり、そして私たちはピル(経口避妊薬)の
時代に生きています。このようなすべての刺激物の洪水の中で、全体的な
乱交状態の中で滅びたくないならば、私たちは、何が根本的でそうでないか、
何が意味を持ち、何が持っていないか、何が責任応答の相手とされうるもの
であり、何がそうでないかを識別することを学ばなければなりません。
まっ、全部赤文字でもよかったのですが、「特に!」というところを色づけ
しておきました。本書は当地で1977年に初版が出ているのですが、すでに
現代にことを言い当てているように思えます。世の中あまりにあらゆるものが
あふれて物質、情報に流され自己を失い、上意下達の土壌の中で、一見自由に
見えていることに安住はしていないでしょうか?日本の場合は「自由という
のは、ある程度の規定の中でのみ成立し得るもの」ということになっている。
おおむね間違いではないと思うけど、こと日本の場合は外部からの束縛と
自己の束縛が強く、『狭小な自由』ということになんの疑問を今も抱いて
いないという偏った教育や情報に選択の余地なく浸っている、という思いに
させてくれるような一冊です(多分(~_~;))。