医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

二弁弁護士 業務上横領事件 証人尋問

2017-04-13 19:52:30 | 傍聴記
業務上横領罪に問われている永野貫太郎弁護士の裁判の証人尋問が812号法廷(藤井俊郎裁判官)でありました。
大阪から駆け付けた司法修習第22期で同期の菅充行弁護士と永野弁護士の奥さん(高校の元英語教師)が法廷で永野弁護士についての証言をしました。

菅弁護士から弁護士登録した時代は学生運動が盛んで、新宿騒乱事件、東大安田講堂事件、成田三里塚闘争で大量の逮捕者と起訴があって、永野弁護士と共にさしたる報酬も貰えなかったが学生などの弁護を引き受けていたとの証言がありました。
当時は、拘置所での被疑者との接見は、検察が出す指定書を提出しないと接見が許可されないので、指定制度には弁護士仲間と日本は法治国家ではないなどと反発し対抗手段として準抗告手続きを行って国と闘ってきたそうです。
スモン訴訟については、大阪に登録替えしていて弁護団には加わりませんでしたが、東京で永野弁護士が活躍していたことを聞いていました。永野弁護士は外国から資料を収集して患者側に有利な解決をした功績があります。
その他は、国際人権活動として国際人権B規約の14条3fに関して、日本の裁判所においても通訳を有罪無罪にかかわらず無料で付させることが出来ました。それから憲法の自由権規約(表現の自由等)を公共の福祉で制限することは、国際人権規約において間違った解釈であるなど繰り返し発言をしています。人権に関し永野弁護士は実務家のなかで先駆的な一人です。逮捕については信じられませんでした。経済的に大変だったのでしょう。

つづきまして被告人の奥さんです。
被告人が、どんな仕事をしていたか知っていましたか?
個別の仕事について何をしていたかは弁護士の守秘義務がありよく知っていません。使命感と情熱があり仕事が生甲斐のようでした。
収入については?
スモンの時は沢山入ったよと言っていました。わたくしの収入よりも税金が高いと驚いていました。
2014年ぐらいから弁護士の収入が入らなくなったので入れて欲しいと言いませんでしたか?
私の臨時講師の給料があったので生活できていました。気の毒で夫の収入の話はしませんでした。
今回の事件については?
弁護士として一番やってはいけないこと、何とか償いたい。新築して10年経った自宅を処分します。しかし土地が定期借地権付きの建物なので、なかなか買い手が見つかりません。
永野先生については?
世間に弁護士の仕事について信頼をなくさせてしまった。しかし立ち直りを信じて嘆願書を書いてくださったり、精神、物質両面に渡り支援してくださり夫は立ち直る意欲を見せています。生きて償おうとする気持ちが感じられます。

次回が被告人質問になります。
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