医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

病歴情報をネットに「放置」…メール共有範囲を誤設定、聖マリ医大病院など複数施設

2021-01-31 17:51:38 | 医療界
 インターネット上でメールを共有できる米グーグルの無料サービス「グーグルグループ」で、複数の医療・介護施設が、患者らの病歴や病状を誰でも閲覧できる状態にしていたことが読売新聞の取材でわかった。利用者側がメールの共有範囲の設定を誤ったのが原因で、特別に配慮が必要な医療分野で個人情報のずさんな取り扱いの実態が浮き彫りになった。

 読売新聞の調査では、医療・介護関係で外部から個人情報が見られる状態になっていたのは、神奈川県の聖マリアンナ医科大学病院や医療法人「泉心(せんしん)会」など少なくとも5団体あった。

 同大病院によると、救命救急センターの看護師7人が業務連絡のため自主的に使用していたグーグルグループのメールを閲覧可能としていた。読売新聞が確認したところ、メールは2019年11月~20年12月で250通以上に上った。

 昨年8月のメールでは、新型コロナウイルス感染の疑いのある患者名を記して「ICU内で発熱」とし、同部屋の患者名も書かれていた。別のメールでは、コロナ患者の入院や死亡確認時の対応マニュアルなど内部資料も添付されていた。

2021年1月31日5:04配信 読売新聞

日歯連前会長ら業務停止処分

2021-01-31 17:49:37 | 医療界
 厚生労働省は29日、政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)を巡る政治資金規正法違反事件で、有罪が確定した前会長ら歯科医師3人を業務停止8~6月の行政処分としたと発表した。

 3人は日歯連の高木幹正前会長(76)、堤直文元会長(79)、会計責任者だった村田喜信・元副理事長(76)。

 同省はこのほか診療報酬を不正請求したなどとして9人を業務停止3年~3月とした。業務停止1年以上の処分を受けた医師・歯科医師は次の通り。(敬称略、カッコ内は当時所属していた機関と所在地)

 【医業停止3年】山口龍郎(城西こもれび心療クリニック、鹿児島市) 【医業停止2年】原悦子(原医院、岡山県倉敷市)【医業停止1年6月】安武正(国立病院機構下志津病院、千葉県四街道市) 【歯科医業停止1年】松尾康平(MATSUO DENTAL CLINIC、福岡市)

2021年1月30日 読売新聞

睡眠剤殺傷事件 最高裁が2審破棄し懲役24年確定へ

2021-01-30 22:01:44 | 傍聴記
 千葉県の老人ホームで同僚らに睡眠導入剤を飲ませて交通事故で6人を殺傷した罪などに問われている元准看護師の裁判で、最高裁は審理の差し戻しを命じた二審判決を破棄し、一審の懲役24年を維持する判決を言い渡しました。

 波田野愛子被告(74)は2017年、准看護師として勤務していた印西市の老人ホームで同僚の女性(当時60)ら4人の飲み物に睡眠導入剤を混ぜて交通事故を起こさせて1人を殺害し、事故の相手方2人を含む5人に重軽傷を負わせた殺人や殺人未遂の罪などに問われています。

 一審の千葉地裁は被告には殺意があったとして、懲役24年の判決を言い渡しました。

 しかし、二審の東京高裁は「事故で相手方が死亡することまで想像できるとはいえない」として事故相手2人への殺意を認めず、一審判決を破棄して審理を差し戻すよう命じていました。

 最高裁は今月29日の判決で「急性の薬物中毒で制御不能となった車が走行すれば死亡事故を引き起こすことは十分、考えられる」などと指摘しました。

 そのうえで二審判決を破棄し、「一審判決が相当」との判断を示しました。

 これで波田野被告に対する懲役24年の判決が確定することになります。

2021年1月29日16:26配信 テレビ朝日

手術後死亡で調停成立 千葉の男児親 さいたま市立病院と

2021-01-30 21:59:54 | 医療界
 さいたま市立病院で2012年、生後5カ月の男児が死亡したのは手術ミスが原因として、両親が市に損害賠償などを求めて申し立てた調停が28日、東京地裁(男沢聡子裁判官)で成立した。市側が両親に解決金700万円を支払うほか、病院が徹底した再発防止策を講じ、執刀医らが男児の墓前を訪れることも調停条項に盛り込まれた。

 訴えによると、長男は12年5月、病院の小児外科で鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)の腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた際、執刀医に誤って腹部の動脈を傷つけられ出血性ショックで死亡した。

 両親の代理人によると、鼠径ヘルニアは小腸や大腸などの臓器が飛び出し、腹部が腫れる病気。乳幼児の発症率は1~5%程度で、開腹手術も可能だが、傷が残りにくい腹腔鏡手術を選ぶケースが一般的という。

 男児の父親で千葉県の会社員、伊藤崇行さん(49)は28日、東京都内で記者会見し、遺影を胸に「親は子どもの将来を考え、体に傷を残したくないもの。腹腔鏡手術自体は素晴らしい方法なので今回のことを教訓に続けてほしい」と語った。

 さいたま市立病院の堀之内宏久院長は同日「このようなことが二度と起こらないよう、再発防止に取り込んでいくことが重要と考えている」とのコメントを出した。

2021年1月29日 千葉日報

薬剤を多数発注する見返りに…製薬会社から大学の口座に200万円入金させたか 大学病院の元教授を再逮捕

2021-01-27 19:16:05 | 医療界
 手術で使う薬剤を多数発注する見返りに、製薬会社から大学の口座に200万円を入金させたとして、三重大学病院の元教授を再逮捕です。

 津地検に再逮捕されたのは、三重大学附属病院の臨床麻酔部の元教授・亀井政孝容疑者(54)です。

 津地検によりますと、亀井容疑者は小野薬品工業の従業員から「薬剤を多数発注して欲しい」などと依頼をうけ、見返りに大学の口座に200万円を入金させた第三者供賄の疑いが持たれています。

 津地検は亀井容疑者の認否を明らかにしていません。

 また、津地検は贈賄の疑いで小野薬品工業の山本裕介容疑者(48)ら2人を逮捕しています。

 亀井容疑者は、医療機器の納入で便宜を図る見返りに、メーカーから自らが代表を務める一般社団法人に200万円を振り込ませた疑いで、すでに逮捕・起訴されています。

 また、部下で元准教授の境倫宏被告(48)もカルテを改ざんし診療報酬をだまし取ったとして起訴されていて、相次ぐ不祥事に三重大学病院は「再発防止と信頼回復に努めていく」とコメントしています。

2021年1月27日18:47配信 東海テレビ