三重県四日市市の踏切で30日、乗用車が自転車に追突し、踏切内に押し出された自転車の男性2人が電車にはねられ死亡した事故で、県警四日市北署は31日、乗用車を運転していた同市羽津中1の歯科医師、池田哲容疑者(46)を自動車運転過失致死傷と過失往来危険の疑いで逮捕した。
容疑は、30日午後1時半ごろ、同市羽津町の近鉄名古屋線阿倉川第8号踏切で、同市別名5の医師、中本勝昭さん(40)と同市白須賀1の中国人実習生、王定祥さん(23)らの自転車に追突、中本さんと王さんを死亡させ、乗用車などを急行電車に衝突させたなどとしている。
同署によると、池田容疑者は歯科医院に向かう途中だったというが、事故現場は医院を通過した場所だった。「医院を過ぎてからの記憶がないが、状況からして私がやったことに間違いないのだろう」などと供述しているという。同署は池田容疑者の責任能力についても調べている。【井上章、谷口拓未】
◇「アフリカで子供たちの治療を」…亡くなった中本さん
亡くなった中本勝昭さんは40歳の研修医という苦労人だった。「人の役に立ちたい」と医学部を目指したが受験に失敗し薬学部に進学。薬剤師となったが、夢を捨てなかった。
働きながら勉強に励み、01年に信州大医学部に入学した。07年に訪れたアフリカで貧困な医療態勢を目の当たりにし、「将来はアフリカで子供たちの治療をしたい」と、小児科医を目指した。念願の医師免許を取得し、10年4月から四日市市の病院で研修を始めたばかりだった。
父の照夫さん(75)は12月30日午前、中本さんの携帯電話の留守録に「31日は一緒にご飯を食べに行こう」と伝言を残した。それから数時間後、息子との無言の対面に照夫さんは「代われるものなら代わりたい」と唇をかんだ。【谷口拓未】
2010年12月31日 毎日新聞
年の瀬に痛ましい事件が起きた。
不幸にも亡くなられた方たちは、さぞ御無念でしょう。
容疑は、30日午後1時半ごろ、同市羽津町の近鉄名古屋線阿倉川第8号踏切で、同市別名5の医師、中本勝昭さん(40)と同市白須賀1の中国人実習生、王定祥さん(23)らの自転車に追突、中本さんと王さんを死亡させ、乗用車などを急行電車に衝突させたなどとしている。
同署によると、池田容疑者は歯科医院に向かう途中だったというが、事故現場は医院を通過した場所だった。「医院を過ぎてからの記憶がないが、状況からして私がやったことに間違いないのだろう」などと供述しているという。同署は池田容疑者の責任能力についても調べている。【井上章、谷口拓未】
◇「アフリカで子供たちの治療を」…亡くなった中本さん
亡くなった中本勝昭さんは40歳の研修医という苦労人だった。「人の役に立ちたい」と医学部を目指したが受験に失敗し薬学部に進学。薬剤師となったが、夢を捨てなかった。
働きながら勉強に励み、01年に信州大医学部に入学した。07年に訪れたアフリカで貧困な医療態勢を目の当たりにし、「将来はアフリカで子供たちの治療をしたい」と、小児科医を目指した。念願の医師免許を取得し、10年4月から四日市市の病院で研修を始めたばかりだった。
父の照夫さん(75)は12月30日午前、中本さんの携帯電話の留守録に「31日は一緒にご飯を食べに行こう」と伝言を残した。それから数時間後、息子との無言の対面に照夫さんは「代われるものなら代わりたい」と唇をかんだ。【谷口拓未】
2010年12月31日 毎日新聞
年の瀬に痛ましい事件が起きた。
不幸にも亡くなられた方たちは、さぞ御無念でしょう。