医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

八街総合病院 (八街市)

2012-06-29 21:33:10 | 傍聴記
 高齢の消化器外科の患者さんが、胃がん(ステージ2)の腫瘍摘出手術後に亡くなったのは、病院に過失があるとして提訴されています。
 午後1時半から5時までの証人尋問は、原告側は、ご遺族関係者が3名と被告側が、執刀医師および病院の病理学の医師のようでした。原告側の代理人は菅野亮弁護士、塩野大介弁護士(法律事務所シリウス)、福武公子弁護士です。

原告側の主張
 ご遺族が、患者さんが被告病院で手術後に亡くなられて、執刀医から亡くなった原因の説明等を受けられた過程を陳述されました。
 平成19年に被告病院に入院して胃の3分の2(約20cm)の部分切除手術後の6日後に腹帯が汚れていたのを看護師が発見し、医師は縫合からの膿を疑い、すぐにドレーンを挿入したが、膿ではなかったが、3日後に手術をし、肺血しょうの症状があり血圧不安定で肝機能低下が著しく将来は人工透析になるほど症状が悪化していて、その後、原因不明で亡くなられた。亡くなられた後の医師の説明では、患者さんには既往症に心疾患があったので、心臓に血栓が出来て、血栓が腸に飛び血管が閉塞し腸の一部(横行結腸)が壊死した可能性が一番高いとの説明を受けられたようでした。
 しかし、原告側の主尋問のなかで、福武弁護士から、手術中に中結腸動脈の誤った結紮(けっさつ)があって横行結腸が壊死したのではないかとの意見が出されました。←後の医師尋問で執刀医は明確に否定
 それから福武弁護士から医師尋問のなかで絞扼性(こうやくせい)イレウスの可能性があるとの意見が出されましたが明確な根拠はない様子でした。 

医師側の主張
 患者さんは、進行性のがん(浸潤潰瘍型のボールマン3型)でしたが、リンパ節転移がなく手術で直る状態でした。ただし、胆石摘出の既往症があったので、手術時に、癒着があり剥がすときに、小腸を2箇所、傷付けたので、その修復をしました。
 手術後に炎症反応のCRPの数値が20と比較的に高かったため、CT検査を実施したところ、浮腫性の陰影があり、偽膜性大腸炎、MRSA大腸炎を疑い、穿刺し体液を取り調べたところ、急性期炎症初期の漿液性(しょうえきせい)の腹水を確認したので、念のためMRSAに効果のあるバンコマイシン内服薬の投与をしました。
 2回目の手術は、(血栓で血管が詰まり腸で血流障害が起き)全身症状が悪化した様子だったので手術をしましたが症状の改善はみられませんでした。
 病理学からの意見は、大腸のホルマリンの検体と臨床の経過書を読んで判断したところ、中結腸動脈の循環障害による虚血性壊死があったのは間違いないとのことのようです。

 個人的な智見からですが、本件類似の縫合不全などによる腹膜炎等の過失を問う医療裁判では、死因を特定するための解剖がされず原告側の証拠に乏しいケースが稀ではないのですが、本件では、腹部のCT画像と病理の画像がありますので、原告側の主張が認められるのか裁判の動向に注目しています。

盗撮容疑の医師を停職処分

2012-06-29 21:32:12 | 医療界
 松戸市は二十八日、女性を電車内で盗撮したとして、市立病院の診療局産婦人科医長の男性医師(四六)を停職六ヶ月の懲戒処分にした。男性医師は同日、依願退職した。

 市によると、男性医師は今月三日、JR常磐線の電車で帰宅途中、動画撮影機能付き音楽プレーヤーで女性の下半身を盗撮したとして、県迷惑条例違反の容疑で逮捕された。十四日に松戸簡裁で罰金三十万円の略式命令を受けた。

2012年6月29日 東京新聞 朝刊千葉版

市原市長の公用車 使用巡り監査請求 市民団体「282万円返還を」

2012-06-27 21:11:11 | その他
 市原市の市民団体「市原市政を正す会」(花澤良三会長)は26日、「市長公用車の運行記録に公務とは考えられないものが多数含まれている」として、佐久間隆義市長に約282万円の返還を求めるよう市監査委員に住民監査請求をした。

 同会は、昨年6月から今年2月までの市長の活動記録と公用車の運行日誌を、情報公開条例に従って入手した。二つを照合した結果、政務や私用としか思えない公用車の運行記録が多数見つかったとしている。そうした公用外の走行にかかった車の使用料、燃料代、高速道料金、運転手の人件費などとして、返還を求めた。

 同会によると、例えば昨年11月には、公用車は25日間運行され、そのうち1、2、5、12、13、18、19、20、21、24、29の計11日は夕方から都内へ、それぞれ行っていた。「これほどしばしば夜に市外に出かける公務があるとは思えない」と花澤さんは疑問視し、11月の総走行距離3500キロのうち1686キロは公用とは考えられないと指摘する。

 昨年12月は、各種団体の会合への参加が目立つという。「政治家としての政務、選挙活動の一環であり、市役所の行政とは無関係だ」として、花澤さんは月間2405キロの走行のうち63%は公用外だったと指摘している。「市長としての公務と、政治家としての政務、そして私生活という公私のけじめがあまりにもルーズだ。公務以外の活動に公用車や職員を使うことは認められない」と花澤さんは監査請求の狙いを話した。
 
 一方、佐久間市長は「市長として市民生活の向上のために全身全霊を傾けて職務を遂行してきた。監査請求は誠に残念。内容を確認したうえで適切に対応します」とコメントした。

2012年6月27日 朝日新聞 朝刊千葉版

 市原市役所は、いいかげんで困ったものです。個人的にも紛争となり、行政裁判を千葉地裁に提起しましたが、もっとも行政よりの民事3部で審議され、堀内明、阪本勝、中村(早乙女)有希、松井雅典のデタラメ判事らに不当判決を出されてしまいましたが、自分は正しくて、いまだ裁判所に行く度に不愉快な気分になります。

検事総長「信頼回復できるよう真摯に努力」

2012-06-27 21:01:49 | 法曹界
 陸山会事件の捜査をめぐり元東京地検特捜部の田代政弘検事(45)=現法務総合研究所=が虚偽の捜査報告書を作成した問題で、最高検が27日に検証結果を公表したことを受け、笠間治雄検事総長は「信頼を回復できるように真摯に努力していく」とのコメントを発表した。コメント全文は以下の通り。

 本日(6月27日)、東京地方検察庁が行った国会議員の資金管理団体に係る政治資金規正法違反事件における捜査活動上の問題点に関して、最高検察庁が捜査及び調査を行った結果を取りまとめて公表いたしました。

 また、同事件の捜査過程における捜査報告書の作成に関し、別途、田代検事及びその上司らに対して懲戒処分又は監督上の措置が講じられました。

 当庁による捜査の結果、告発事件については、事案の実態に即し、いずれも不起訴処分が相当であると判断いたしましたが、監察指導の観点からは、不適正行為と評価すべき捜査活動があったことが判明いたしました。

 現在、検察は、いわゆる厚労省元局長無罪事件に関わる現職検事による証拠物の改ざん事件等の不祥事によって失われた国民の皆様からの信頼を回復するため、様々な改革策を講じ、その信頼回復を目指し、全力を挙げて検察改革に取り組んでいるところであります

そのような信頼回復に向けた道の途上において、いずれもこれら改革策を講じる前の捜査活動に関するものであるとはいえ、検察による捜査活動の適正性や公正性に対し国民の皆様に疑念を抱かせるような事態を招来したことは、誠に遺憾であります。

 今後、本件を踏まえた改善策として、現在実施中の一連の検察改革を更に推進していくとともに、検察審査会の起訴議決を受けて再起された独自捜査事件の被疑者等の取調べでは原則録音・録画を実施するなどの措置を新たに講じることとし、検察審査会との関係においても、より適正な捜査の実現を図ることといたしました。

 検察は、引き続き、組織が一体となって、今般の改善策をも含む検察改革にこれまで以上に取り組み、たゆみない努力をしていく必要がありますので、職員に対して一層に意識改革を促し、国民の皆様からの信頼を回復できるように真摯に努力してまいる所存です。

2012.6.27 18:15 産経ニュース

検察は同じようなミスばかり繰り返しています、検事総長の発言も園児の戯言ぐらいにしか聞こえません。

<患者死亡>誤診手術の病院元理事長に禁錮刑判決…奈良地裁

2012-06-22 20:48:35 | 医療界
 奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(破産)で肝臓手術を受けた男性患者(当時51歳)が死亡した事件で、業務上過失致死罪に問われた元理事長の山本文夫被告(54)=詐欺罪で服役中=に対し、奈良地裁の橋本一裁判長は22日、「専門医でもないのに手術を行い、注意義務を怠って失血死させた」として、禁錮2年4月(求刑・同3年)を言い渡した。

 判決によると、山本被告は06年6月16日、男性の主治医(勾留中に死亡、不起訴処分)と、男性の良性腫瘍をがんと誤診し、経験や技術がないまま不必要な手術を実施。肝静脈などを傷つけて大量出血させ、適切な止血もせず死亡させた。【岡奈津希】

2012年6月22日(金)14時46分配信 毎日新聞