医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

大垣市民病院、医療ミス 手術部位誤る

2016-05-31 21:36:09 | 医療界
 大垣市民病院は30日、2013年に男性=当時(56)=に行った首の骨を削って腰の骨を移植する頚椎(けいつい)椎間板ヘルニアの手術で、手術する部位を誤る医療ミスがあったと発表した。医師間の連携不足が原因。手術のやり直しで入院期間は通常の倍となり、市は男性に710万円の損害賠償を支払う方針。

 病院によると、男性は両手両足のしびれなどの症状を訴え、受診。同年6月10日、整形外科の医師が手術をした。椎間板に目印となる針を刺して、エックス線画像で対象の部位を確認する際に、30代の男性医師が40代の男性執刀医に誤って伝えた。執刀医は自ら画像を確認しなかった。

 終了間際にミスが分かり、再度、手術をやり直した。手術時間は通常の2倍かかり、この影響とみられるうみが出たため、通常2カ月ほどで退院できるところを131日間入院。手術の範囲が広がったことなどで、首の動きに影響が出る可能性があるという。

 病院は、再発防止策として医師間の情報共有を徹底するなどとした。

2016年5月31日9時3分配信 岐阜新聞

整形外科医による単純な手術ミス、院内感染から骨髄炎を発症させてしまい、長期臥床及びリハビリ不足による関節可動域制限の後遺症になるという医療ミスが二重三重に重なり合った事案と思われます。

市立病院でマンパワーや設備は十分整っているのでしょうから、医療側の技量が全く不十分だったとしかいいようがないでしょう。

<東京医科大>手術中出火、患者重傷 レーザーメス使用

2016-05-31 21:33:52 | 医療界
 東京医科大学病院(東京都新宿区)の手術室で今年4月、手術中の患者に掛けられていた布に火がつき、患者が大やけどを負う事故が起きていたことが分かった。当時、レーザーメスを使用しており、警視庁新宿署は業務上過失傷害容疑で医師から事情を聴くなど捜査を進めている。

 同署や関係者などによると、4月15日午前10時半ごろ、同病院5階の手術室で、産科・婦人科の医師が30代の女性患者の手術を行っていたところ、女性に掛けていた手術用の布(ドレープ)に火がついた。医師は生理食塩水で消したが、女性は腕や足などにやけどを負った。女性は重傷で今も入院中だが、命に別条はないという。

 この手術で医師は、レーザーメスを使用していた。レーザーメスと出火との関係は判明していないが、同署は医師による誤使用や機器の不具合などを視野に入れて原因の解明を進めている。

 同病院は患者側に謝罪。東京都や厚生労働省関東信越厚生局に事故を報告し、第三者による調査委員会を設けて原因の調査を始めている。同病院経営企画・広報室は「調査結果が出た段階で、経緯を公表する方向で準備を進める」としている。

 レーザーメスは人工の光であるレーザーを利用する医療機器で、熱の作用により止血をしながら切開することができる。電気メスに比べて切開がスムーズにできるなどの利点があるとされ、皮膚科や外科など幅広い分野で使われている。

 同病院のホームページによると、病床数は1015床。高度な医療を提供することで診療報酬の優遇が受けられる「特定機能病院」に指定されている。【神保圭作、福島祥】

2016年5月31日7時1分配信 毎日新聞

校医、男児の下腹部触る 検診で42人被害 船橋の小学校

2016-05-31 21:32:24 | 医療界
 船橋市教育委員会は30日、26日に市内小学校で行われた内科検診で、複数の男子児童が担当した男性校医(69)に下腹部を触られる被害を受けていたと発表した。

 市教委によると、校医は同日の検診で5年生の男子児童63人中42人の下腹部を服の上から触ったという。児童がざわついていたため、教職員が検診後に児童に理由を聞き発覚。女子児童は被害に遭っていなかった。

 同校が確認したところ、校医は事実を認め謝罪したという。同校は翌日、保護者へ校医による不適切な行為があったことを文書で報告、謝罪。スクールカウンセラーらによる被害児童の心のケアを行っている。

 市教委によると校医は11年前から同校の検診を担当していたが、これまで同様の被害の報告はないという。引き続き事実関係を詳細に調べ、厳正に対処する方針。

2016年5月31日7時5分配信 千葉日報

パワハラ「改善せず」…医学部教授を停職6か月

2016-05-28 20:48:54 | 医療界
 横浜市立大学医学部の50歳代の男性教授が、複数の学生、教職員に対し、頭をたたいたり、過度な叱責をしたりするパワーハラスメントをしたとして、停職6か月の懲戒処分を受けていたことが、市大への取材で分かった。

 処分は4月27日付。教授は2011年度にも暴言により停職3か月となっており、市大人事課は「改善が見られず、さらに重い処分にした」としている。

2016年05月28日10時41分 読売新聞

千葉市立海浜病院の患者連続死 調査委「医療ミスなかった」 死亡リスク、家族に過小説明

2016-05-28 20:47:13 | 医療界
 千葉市美浜区の市立海浜病院の心臓血管外科で昨年4~6月の3カ月間に、心臓や大動脈などの手術を受けた50~80代の患者の男女8人が相次いで術後に死亡した問題で、同院は28日、「明らかな医療ミスと思われるものはなかった」とする第三者調査委員会の報告書を公表した。一方で報告書では、手術による死亡リスクを患者や家族に過小に説明していたなどとする問題点が指摘された。

 第三者調査委は、日本心臓外科学会の会員ら外部の専門家6人から構成。施術と死因の因果関係など、医学的な面から手術の問題点などを調べた。

 3カ月という短期間に、過去3年の同科の年間死亡数(24年から5人、8人、4人)以上が死亡した理由について、同院は「高難度な手術、緊急性の高い手術が重なった」「手術をする態勢が不十分だった」と説明した。報告書ではこの点について、「緊急手術や術後管理対応に忙殺される中、患者家族へのリスク説明や手術適応の判断などの、医療安全に対する配慮に十分な時間とマンパワーを当てることができなかった」と指摘している。

 手術のリスクを実際よりも低く伝えていたとされる問題では、死亡した8人のうち4人の事例で、死亡率20~50%にも及ぶ手術(調査委見解)を、担当医が3~10%と低く評価。その結果を基に患者に説明していたという。

 同院は「故意にリスクを低く見積もったことはない」と説明しているが、遺族からは「正確な数字を言ってほしかった」「死亡例が相次いでいたことを知らせてほしかった」などとする意見があったという。

 今回の報告書の内容は、遺族らに説明しているという。同院の寺井勝院長(64)は記者会見の冒頭、「患者の皆さまのご冥福を心からお祈り申し上げます。遺族の皆さまには、多大なご心痛をおかけしたことをおわび申し上げます」と謝罪。「今後も誠心誠意ご説明させていただく」としている。

 同院は現在、心臓血管外科手術を全面停止しており、再開のめどは立っていない。今後は再発防止を念頭に提言を行う、有識者や医師、弁護士らによる検証委員会を新たに設置するとしている。

 ■妻亡くした男性「なぜ手術急いだのか」疑問晴れず

 海浜病院で手術を受けた70代の妻を失った男性が28日、産経新聞の取材に応じた。男性は調査委の報告書を読み、同院の説明を受けても「なぜ病院側は手術を急いだのか」という疑問や不信感が頭から離れないという。

 男性によると、妻は十数年前に心臓の弁の機能が低下し、血液が逆流する僧帽弁閉鎖不全症を発症。同院で動物の弁を使用した生体弁に取り換える手術を実施していた。弁の硬化がみられたことから、取り換える手術を行うことを昨年決断した。

 担当医からは手術の死亡リスクについて、「3~5%」と説明を受けていた。「絶対に助かる手術だと思っていた。亡くなったとき、妻の目から涙が流れた。『医学的にあり得ない』と言われたが、それだけ悔しかったのだと思います」

 同院は担当者らの処分については「検討中」としている。すでに、担当した医師4人のうちの研修医を除く3人と、当時の院長はいずれも自己都合で退職し、同院を離れている。「責任は誰にあるのか。今後はどうなるのか。納得できない。むなしい」

2016年5月28日7時55分配信 産経新聞